tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経済と景気

2008年08月28日 22時02分23秒 | 経済
経済と景気
 いざなぎ越え、戦後最長などと囃された日本の景気も、アメリカ経済の不振をきっかけに凋んできそうな気配です。日本自体には、自力で経済を回復させるような経済政策も活力もないのでしょうか。そうは思いたくありませんが、現実は、情けないほどアメリカ依存の状態です。

 ところで、景気が悪くなりそうだ、と言ったり経済政策はないのかと言ったり、経済と景気はよく同じように使われますが、どうも、経済と景気は同じではないようです。

 ついこの間まで、戦後最長の経済成長などと言われた時期にも、ほとんどの人は「景気がいい」とは感じていなかったのではないでしょうか。「政府や経済官庁が、勝手に自画自賛しているだけ」などといった冷めた意見も聞かれました。

 景気と経済はどう違うのでしょうか。経済の方は割合単純で、実質経済成長率がプラスであれば「経済成長」といって誤りではないのでしょう。一方、景気の方は「街角景気指数」などといわれるように、感覚的なものがかなり含まれているようです。

 実質生産が増えても、生産したモノの価格が下がって、利益も出なくて賃金も上がらないといったときは、やっぱり景気が悪いということでしょうし、収穫が増えなくても、作物の値段が上がって収入が増えていれば、景気は良いと感じるのが普通でしょう。住んでいる土地の値段が上がったバブルの時はみんな景気が良いと感じていました。

 経済がプラス成長でも、景気が悪ければみんなが金を使いたがりませんから、だんだん経済も悪くなるでしょうし、バブルの時のように、景気が良くてみんなが金を使えば、バブルがはじけるまでは経済もよくなるという面はあるようです。

 経済と景気は別々に考えて、それぞれの原因をよく考えてみると、どんな政策が本当に必要なのかが何となく見えてくるのではないでしょうか。