夏季休暇考
お盆の週より一足早く、涼しいところで何日か過ごしてきました。おかげさまで高速道路も渋滞に巻き込まれることもなく、快適に走れて楽しい旅行でした。
行った先は志賀高原の石の湯というところで、この時期、毎年源氏ボタルが乱舞するというので是非見ておこうと思ったからです。このプランは大成功で、涼しくさわやかな宵闇の中で、たくさんの蛍が乱舞し、時に手元まで飛んでくる様子に、思わず「あっちの水は苦いぞ、こっちの水は甘いぞ、ほー、ほー蛍来い」などと口ずさんでいました。
さらに蛍におまけがついて、牽牛、織女、天の川、白鳥座、さそり座、いて座などが綺麗に見える夜空に、ペルセウス座流星群のはしりで流星が飛び、火球と言えるほど大きな流星が光の尾を引いて流れた一発もありました。
ところで、夏季休暇については、せいぜい1週間か10日程度しかとらない日本に対し、「欧米では4週間も5週間もまとめてとる、そして十分リフレッシュして、秋からの仕事に備える、日本人も、もっとまとめてドンと休暇が取れるようにならなければ、有給休暇の消化率も上がらない・・・。」といったことがいわれます。確かにそうかもしれませんが、休暇はまとめてとればいいというものでもないと思うのです。
ずっと以前、国際労働機構で労働時間や休暇の問題で会議があった時、スイスの代表が、「わが国では四季の変化が素晴らしいので、休暇のとり方も、四季それぞれに分散してとる場合が多い。このほうが、8月の仕事が滞るといった事もなく、わが国にとっては合理的だと思う。」という発言をしたのを感心しながら聞いたのを覚えています。
日本人は、旅行にいくとこまめに動いていろいろな所を見てこないと気がすまないようです。欧米人は、プールサイドで1日泳いだり寝そべったりして過ごしていたりします。ここでも「日本人もああいう風にのんびり出来るようにならないといけない。」などということがよく言われます。
明治以来、欧米に憧れてきた日本ですが、日本人には日本人なりの歴史や文化、思考方法や生活様式、人間関係についての考え方があります。これらは時に欧米流と異なることも多いでしょう。それはそれでいいのではないでしょうか。
経営システムや労働に関する政府の政策やコンサルタント業の指導も、欧米スタンダードにとらわれたものが少なくありません。もう少し日本流のやり方を客観的な目でとらえられるような日本人にならなければいけないような気がしますがいかがでしょうか。