司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

千葉県船橋の「バカ養子」ほか

2023-06-01 10:30:28 | 民法改正
八ッ塚一郎・東村知子・樂木章子「養子縁組への理解と普及を妨げる構造 --- アクションリサーチへの展望 --- 」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgd/34/0/34_3/_pdf

「極端な養子の事例としては、血縁にまったく固執しない、次のようなケースすらあるという。
 労働力目当ての養子の特異な例として、明治前期の千葉県船橋の「バカ養子」がある。バカ貝の乱獲防止のために、家族の者でなければ採取を禁止したので、毎年その期間だけ出稼者を養子として使役し、採取季節が終わると協議離縁届を出して故郷に帰らせるというもので、便宜上の養子であって、実際は給金による労働者であった(上村,1988)」(上掲論文4頁)

 毎年,養子縁組&協議離縁を大量に繰り返していたのであろうか。

「バカ貝」は,「アオヤギ」とも呼ばれる。


「また、明治・大正期には、「いわば常識的な養子以外の縁組がかなり横行していたことが否定できない」(湯浅,2001)とされ、たとえば次のような養子の例が分かっているという。

兵隊養子(推定家督相続人となって徴兵免除をうけるため)
めかけ養子(妾を養子として世間の非難をかわすため)
芸娼妓養子(人身売買をカムフラージュし、逃亡を防ぐため。明治・大正時代には、この有効性をめぐって裁判になるケースが多かった)
仮親養子(結婚などのために一時的に有力者の養子になって当人の家格を上げるため)
(湯浅,2001)」(上掲論文4頁)

 時代的に,ありそうと言えば,ありそうである。現代においては,さすがにないであろうが。
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