旬刊商事法務2018年7月25日号に,新商事判例便覧3307「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律14条3項の「総株主」には議決権行使を制限された株主が含まれるとの原判断を維持した事例」(広島高裁松江支部平成30年3月14日判決)が紹介されている。
既報の「特例有限会社の特別決議の議決権数要件に算定に当たっては当該決議との関係で議決権行使を制限された株主が含まれるとされた事例」(鳥取地裁平成29年9月15日判決)の控訴審判決である。
cf. 平成29年12月28日付け「特例有限会社の特別決議の議決権数要件に算定に当たっては当該決議との関係で議決権行使を制限された株主が含まれるとされた事例」
「含まれる」は,肯定すべきであるが,問題となるのは,議決権行使を制限された株主の議決権数が4分の1を超える場合に,特別決議が成立する余地がなくなってしまう点である。果たして,それでよいのか。
既報の「特例有限会社の特別決議の議決権数要件に算定に当たっては当該決議との関係で議決権行使を制限された株主が含まれるとされた事例」(鳥取地裁平成29年9月15日判決)の控訴審判決である。
cf. 平成29年12月28日付け「特例有限会社の特別決議の議決権数要件に算定に当たっては当該決議との関係で議決権行使を制限された株主が含まれるとされた事例」
「含まれる」は,肯定すべきであるが,問題となるのは,議決権行使を制限された株主の議決権数が4分の1を超える場合に,特別決議が成立する余地がなくなってしまう点である。果たして,それでよいのか。
大変助かっております。ありがとうございます。
「果たしてそれでよいのか」の部分ですが,内藤さんは,
議決権を制限されている株主は,特例有限会社の特別決議においても,
議決権を行使できないというお考えのようですね。
他方,金融・商事判例1542号22頁の判例解説は,
「正にその文理のとおり、総株主の半数以上の出席と
総株主の4分の3以上の賛成が上記特別決議には必要となり、
結果的に議決権の行使の制限を受けないということになる」
という考えのようです。
この考え方にたてば,特別決議が成立しないという事態は回避できます。
解釈論としてどちらもあるということなんでしょうね。
そのような決議は,することができない,ということになりましょう。
ほとんど同じ文言の会社法309条4項の決議も,
同様でしょうか?
3項まであった「議決権を行使することができる株主の」が
4項はないので,てっきり全株主が議決権行使できるものとばかり考えてましたが。