週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

男ども肉喰らう!

2013年12月22日 | 呑み屋探訪(日暮里、根津界隈)


           牛様と豚様の肉の部位の図

 たまには肉でもと、兄貴たちと日暮しの里へゆく

 戦後都内初めてのホルモン屋と云われる店に再訪なのだ。

 三河島の本店でなく、息子さんのほう。

 そう、山田屋だ!!

 大先輩の編集長、敬愛する大兄ふたりと年忘れの呑み会。

 おっさんたちの精神と肉体こそ、肉が欲している。


                  チャンジャ


 ご覧のチャンジャで、まずは瓶ビールで乾杯!

 今年も頑張ったね。優男たちはお互いを労うことを忘れない。

 これさえあればもはや何もいらないくらい大好きなツマミなのだ。

 コリッとした感触が脳髄を刺激してくれる。


                 ガツ刺し

 続いて、なんちゃってエンガワと若旦那が命名したガツの刺身。

 歯ごたえ抜群の内臓とサクッとした胡瓜の食感がマッコリを誘う。

 
                 自家製マッコリ

 安い焼肉屋にありがちな甘いのは苦手だ。

 ここのは酸味が効いて、内臓や肉との相性がバッチリ。

 おいらは一杯、兄貴たちはお替りを。

 洗練されたマッコリはあくまでも滑らかだ。


                    チレ
 
 絶妙な弾力で魅了するのは、チレという部位。

 博覧強記の頭脳を持つ博乱兄の大好物とな。

 いつか本店の親方に、「15分以内に食べて」と出された。

 その刺し身の見栄えにはビビッた。

 あれももうひと昔前のこと。隔世の感とはこのことか。

 焼き用のチレを頼む。コリコリ、ハムハムッと箸が止まらない。


                 チレの刺し身
 
 結局刺し身も発注した。

 だって、兄貴の大好物。

 コチジャンが絡まったチレもまた美味なり。

 生肉が苦手の草露大兄は、贅沢に焼いて食している。

 これはこれでイケるんでないかい。


                    ハラミ


 「生を食い柚子湯に浸かる男坂」 海光

 角切りのカルビとハラミは天然塩でいただく。

 旨い肉は、塩に限るのだ。

 並と頼めば、ここのは他店の上クラス以上の味。

 やっぱ肉は山田屋だな。


                  ホルモン

 兄貴に聞く?

 やっぱり、ホルモンは小腸より、大腸とな。



 このゼラチンを纏った甘みと旨味の腸が、ホルモン屋の真骨頂だろう。

 ジンロのレモン割で焼立ての逸品を流し込む。

 枯れた男たちに、腸の脂が沁み込んでゆく。

 これで皺も伸びるというもの。

 コラーゲンたっぷり、牛テールのコムタンを頼むが、残念なことに売り切れ。

 人生の素敵な時間はあっという間に過ぎ行く。


            Bar 順子

 谷中の石垣島の店に電話すると、なんとママは帯状発疹だった。

 お大事に、と断って、あそこへ行くか。

 ひと駅戻って、鶯の谷間へ。

 ノンベ横丁ならぬ風情のある一角に、絶品おでんと黒霧島甕のある店がある。

 順子ママのとこだ。


                    おでん鍋

 このお店。

 なんとおでんが食べ放題。

 沁みた大根やちくわぶの鰹醤油が口内に広がっていく。

 褐色の玉子も三人とも食して、黒霧島のお湯をグビリ。

 至福のときが訪れた。

 北海の湖で獲れた牡蠣というのが気になり頼んだ。

 順子ママ「ごめんね、このお客さんで最後なの」

 粋な客人「どうぞ、お一つずつ」

 こうした路地裏の酔客は、仙人の如くココロが広いのだ。

 湖のミルクがするりと溢れて出る。

 また、黒霧島が進んでしまうでないかい。

  


 猫の多いのも下町の特徴。

 谷中坂には、休日カメラ片手の女子や外国人も多数訪れる。

 博乱兄は元中央公論の論客。

 

 鶯谷から寛永寺の墓を横切って中学校まで通った。

 先に紹介した同期の安原監督の家も近い。

 偶然かご縁か、安原さんの親父さんのことが書かれた本を手に入れた。

 村松友視さんのいた中央公論の「海」編集部へ入ってからのヤスケンこと、安原さんのための本だ。

 同期の眞琴さんが誕生したときのことも書いてある。

 博乱兄貴はヤスケンさんと職場が重なっていたこともあったそうな。

 当時ヤスケンさんが編集長をしていた「マリ・クレール」は絶好調。

 様々なご縁に恵まれて、嬉し羨まし、大いに刺激を吸収する。

 今週は、長い版元経験の中で、初めての配本落ちを経験。

 付録のデザイン、質感、ブランドは自信あれど、海を越えなければ仕方あるまい。

 大陸任せの現状への問題提起、新年はその辺りから改革をしよう。

 年内に仕上げたかった小説は取っ掛かりのまま止まっている。

 ちょっぴり落ち込んでたが、子供たちに少しずつ元気をもらう。

 明日は書きたいな。

 冬至に柚子湯。

 昔ながらの風習に倣って、今宵も酔う