週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

今戸祭りと日本一の堤。

2013年06月03日 | ★江戸っ子エッセイ★

  
      日本堤本町会の夜神輿

 ついに水無月にはいった

 この月が終わると、ことしも半分が消化する。

 まっこと世の流れは速まるばかり、とは年寄ったモノの弁。

    

 三社祭で痛めた腰の具合を、長男とのモーニングRUNで試してみる。どうだろう?

  
            今戸神社

 この週末が祭礼の熱田神社さまと今戸神社さまにお参り。 

 この今戸神社さま、浅草七福神の一つ、福禄寿がおられる。

 浮世絵にも残るかの今戸焼きの発祥の地。また境内に数え切れない猫がおり、招き猫の発祥とも云われる。お賽銭箱の向こうに、巨大な猫さまも鎮座なさる。

 浅草の中心地から離れた地でありながら、若い女性の参拝があとを絶たない。近いところでは、縁結びの神様として崇められているのだ。

 そして、大先輩、作家越水利江子姐さんの作品でもたびたび登場する、沖田総司の終焉の地ともされている。

 さて、どうか、担ぎ衆が怪我もなくお神輿の渡御ができますように。 パンパンッ!。

  
         隅田川 散策ロード

 竹屋と橋場の渡しをつなぐ、川辺のランニングロードを疾走する。

 初夏の風がカラダ全体を抜けてゆく。

 酒精に犯された、あれもこれも剥げ落ちてしまえばいい。

   
            歌川広重 今戸橋玉庄の図

  
             井上安治 今戸橋雪 

 隅田川両岸には、たくさんの浮世絵の転写が飾られている。

 今戸祭にちなんで、天保と明治初期の絵を撮ってみた。

 対岸側の、東の空から朝陽が反射している。

 この風情を残したら、世界遺産級だと思うのだけど…。

  
                  石浜神社

 明治通り白髭橋を横切ると、石浜神社がある。

 池波正太郎大兄が書く、「剣客商売」秋山大冶郎が住まう道場があった真崎稲荷は、この神社に鎮座しているのだ。

 石浜神社もこの日が祭礼。大先輩の作家、高橋うららさんはこちらの氏子らしい。お祭りにお顔を出されるのだろうか。

   
         今戸の本社神輿

 実家の町会、日本堤本町会は午後からの渡御。

 お清めをしてから発進する。

   
          府中の大太鼓

 大震災復興を願って作られた大太鼓は府中から運ばれたらしい。

 子供の山車の太鼓にしては異様な豪音が町にコダマすると思っていた。

 腹に、家々の窓ガラスに響く巨音は、この太鼓が正体だった。バチがバットと同じようである。

 それにしても、デ・カ・い!!

  

 一本下駄の天狗様も登場した。

 本社神輿の出番でござる。

 

 いずこも女性の活躍がめざましい。

   

 スカイツリーを背に、土手八丁をゆく。

 ちょいとこの先に見まう見返り柳を右手に回れば、花魁に会いに来た武士も襟をただず衣紋坂。いわゆる新吉原の仲町通りにあたる。

 おいらが生まれ育った地。

 お江戸開府以来、日本全国の名だたる諸大名が真土(待乳山聖天)の山を切り崩して土手を築いた。

 日本一の堤とはこのことの由来とも。この普請の間、日本晴れが続いたという説もある。 

 何気なく育った故郷。日本堤本町会という名称に、連綿とつづく歴史を感じる。

 
       今戸神社氏子町会の五つの提灯

 夕方5時20分、いよいよ宮入りスタート。

 親しんだ本町会の半纏も誇らしく、神様を担ぎ境内へまいる。

 
               宮入り風景

 鳥居を潜る前、やはり起きた揉め事。

 往時と同じく、酒がたっぷり入った男衆の鼻息は荒い。

 火事と喧嘩は江戸の華とはよくいったもんだ。

 
             見事宮入り一本締め

 長くなった陽も陰り、お祭りも最高潮に達した。

 涼風やどこへ、神輿のなかで揉まれるとまるで湿式サウナの如し、なのだ。 

 関東一本で締めた!


  「土手を往く半纏の背に南風」 海光



 
                神社の屋台

 
               スライスポテト 

 お祭り好きに育った子供たち、夜店の味も外せない。 

 焼き鳥、イカ焼、いろいろ頬張って、迷って、初めて見るスライスポテトに目がとまった。

 揚げ立てのホヤホヤは、大当たり。

 未来の青年部長たち、半纏姿が逞しい。

 散々食って飲んで、担いで、やっぱり祭りはいい



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