週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

隅田川の花火

2014年08月02日 | ★江戸っ子エッセイ★

 


 7月最後の土曜日

 夏の風物詩、隅田川の花火に興じたのだ。

 昨年は突然のゲリラ豪雨に、えっ! とまさかの中止にがっかりした。

 昭和53年の大川に復活してはじめての取りやめだった。

 私が産まれる前、昭和36年まで両国の川開きと封建時代と同じ呼び名だったようだ。

 その伝統の花火が空を焦がし、見上げる人々を魅了する。

 

 夏至が過ぎて陽は短くなっているものの、開始直後の暮れ六つ頃はまだ明るい。

 枝豆にビールを用意した。夕空を眺めていると、夏の空は徐々に背景が黒に包まれ、火花が浮き出すように映えていく。

 町に、た~まや、か~ぎや~と旧い花火師たちを称える声が響いている。

 
 


 テレビ東京で恒例の放送。地元に配られた花火コンテストの名前を調べていると面白い。こんなにゆったりと観賞したのはいつ以来だろう。

 ハート、ピカチュー、ピース様々な形の花火が夜空を飾る。きっとこれを見ている小さな子供たちの記憶に刻まれていくのだろうな。

 それにしても不思議。どうしてこんな形が造れるのだろう? 伝統を受け継いだ花火師の技に唸るばかり。

 往時は両国橋に溢れんばかりの人だかり、涼風を求めて屋根舟、屋形舟が大川を埋め尽くしたようだ。

 お江戸に夏が来た瞬間である。

 


「弾け飛ぶ七色の音に胸こがす」哲露

 
 はや、7月も終わり、8月に入る。

 今年まだ海に入っていない。

 取材に明け暮れた20代、釣りとカヤックに通った。波乗りにハマった30代。海からこんなに遠ざかってしまうとは思わなかった。

 子育ても佳境か、ピークか、まだ先があるのか。

 粋を気取って真白い帯を新調した。

 今日は、これから浴衣を身につけ、奥観音の花の辻へ、中学時代の友人が主催する二調鼓を聴きにいく。

 新吉原唯一の継承者が奏でてくれる。

 留守にするので、家族分のおにぎりも握った。

 会津桐の下駄を鳴らして、いざ出陣なり。

 さて、今日はどんな酒を飲もう