長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

出会い

2010-07-18 07:22:47 | Weblog
界隈には、時代に取り残されたような建物や
お店がまだまだいっぱいある。町内会にある
「経師屋」(きょうじや)というのもそのひとつ。
昔から日本人は日本間、とくに床の間を大事にしたきた。
季節の花を花器に投げ入れ、それにあわせた掛軸をかけ、
仏壇に眠る先祖にも、毎朝花やごはんを手向けた。
その空間にある、襖や障子、掛軸などをつくってきたのが
経師屋さん。腕のいい人になると、一生のうちに3件くらい
家をたてる、と言われていた時代がある。

お店の前の十間橋通りを、まっつぐ歩き、きらきら商店街に
いく道の右手に、「張福」という洗張りのお店がある。
洗張り、というお店もこの界隈には、まだ残っている。
このお店の店主は、ぼくの作務衣をつくってくれたり、
選んでくれたりする。時々お茶会がある時に、袴を着る
時なども、ぼくの駆け込み寺だ。素敵な女将は、煎茶も
嗜み、ぼくと同じく、表参道の「織田流煎茶道」の門を
くくった仲だ。ここの「張福」という暖簾の書体は、
天真庵と同じく貞本さんが揮毫し、お店の椅子は、般若くん
がつくった。そんな意味からいうと、親戚みたいなお店である。

その張福さんが、今回素敵な手ぬぐいをつくった。
デザインをしたのは、長繩さんといって、鳩の町商店街で
「鳩のめ」というお店をやっているデザイナー。うちの
「ねんど教室」にも通う素敵で実力をもったデザイナー。
彼女が書く界隈の地図は、見ているだけで、その町のにおいや
音などが聞こえてきそうなくらい楽しい。
「出会い」というタワーができてくる工程のロマンティックな
出会い、を表現したものだ。長繩さんらしいデザインとネーミング。

張福さん、天真庵、spice cafe、で購入できる。

今日は「もなか屋」と「エリカ庵」が営業日。
三役そろい踏み、みたいに豪華な1日。
暑い1日だけど、いろいろ動かないと、「出会い」
はない。動くひと、人の役にたとうとする人、元気なやさしさ
を広げる人が活躍する時代。