長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

日本人に帰る

2010-07-02 07:18:14 | Weblog
よく奥多摩の山に昔は登った。
毎年のように立山に登っていたので、その前に
トレーニングを兼ねて、よく元気もいっしょに登った。
今回の連休はひさしぶりに奥多摩にいった。
玉堂美術館にいくと、6月30日が、命日だったので、
特別にお土産をいただいたり、その日しか見れない
観音さまの絵を見ることができた。友達や身近な人が
なくなった時に、よく観音さまを描いたらしい。

界隈の緑や鳥のさえずりや、やまめをねらう釣り人たちを
眺めていると、川の流れと同じで、玉堂が生きた時代まで
波動をあわせる、みたいな気分になった。なんとも優雅な
ものだ。
宿はもっともっと山奥の古色蒼然とした温泉宿で、やはり川の
せせらぎをや、ヤマガラやコガラのさえずりをききながら、露天風呂
につかり、ワサビのクキ、フキのトウ、ショウデッポ、ヘベショウブ
などの山菜料理を酒肴に、地酒の「喜正」を堪能した。
生まれてはじめて「アカシア」の花を食べた。

♪アカシアの雨にうたれて このまま死んでしまいたい

西田佐知子がこの歌を歌ったころは、安保がどうだのこうだの、
という混沌とした時代だった。その時代の混沌と、彼女の
けだるそうな刹那的な歌い方が、マッチした。
安保とはちがって、今もまた日米関係が、新しい局面を迎えている。

というよりも、大きな時代の分水嶺を迎えている。
これまでの社会のレールにのって、生きている人たちが、
「このままでいいのか」と不安になるくらい、「このまま」
では成り行かない時代だ。自然や大地と向き合ったり、「自分で
できること」をしっかり見つけたりしないと、不安で不安で
眠れなくなるような時代だと思う。足を大地にしっかりとつけ、
自然の中で深呼吸して、明るい1歩を踏み出す人、みたいなのが
活躍する時代ではなかろうか。「日本人に帰る」時代かも。