長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

美人に育つ

2010-07-23 07:18:46 | Weblog
昨日は、煎茶のお稽古に表参道にでかけた。
まずいつものように界隈の路地裏を歩く。
ときどき、骨董やを覗く。その時は、お金と時間
がある時。ま、お金は天下のまわりもの、だし、
お金がなくても、「いつでもいいよ」といってくれる
なじみの骨董やも何件もあるけど、やはり「いつでもいいよ」
というわけには、いかない事情ってのがある。

表参道のカフェなんかは、ほとんど入ったことがない。
ときどき、そのあたりのオーナーや店長などが、わざわざ押上まできて
くれることもあるけど、「大坊珈琲」以外のお店に入ることは、まずない。
抹茶ミルクが飲みたくなることがときどきあって、その時は、京都時代
からそうしたように「はやしや」にいって飲む。昨日はそんな日だった。
京都とは、ぜんぜん趣が違うが、時代や場所に適応しようとする老舗の柔軟性に関心しながら、抹茶ミルクを飲む。学生のころには、京都競馬場でときどき
「臨時従業員」として働いていたので、帰りに三条京阪の近くの「はやしや」
でよく、抹茶ミルクを飲んだ。吉田拓郎風にいうと、♪それも青春!

路地裏の小さな器屋のウィンドウに、ガラスの器や、涼やかな
磁器ものが飾ってあった。そのかたわらに、団扇を模った白と水色の
平たい器がおいてあった。おもわず「あ、久保さん」といってしまった。
天真庵の器を担当してくれている陶芸家・久保忠廣さんの器、しかも
料理屋で使われている器が、表参道の路地裏の小さなお店のショーワインドウ
に飾ってあるのがうらしかった。

それからいつものように「青山ブックセンター」にいく。「HANAKO」
が、積んであった。それを一冊買って、織田流煎茶道の茶室がある、表参道
ヒルズの裏の不思議な建物に入る。看板も表札もない。不思議な隠れ家のような
茶室。先週に続いて、久保さんの志野のふたつきの茶碗で、「すすり茶」
の手前の準備していると、陶芸家のチョンゴニさんがやってきた。こないだ
まで、広尾の「ギャラリー・しゅん」で陶展をやっていた。三島の菓子皿を
土産にもってきてくれたので、さっそくそこに、山田饅頭を載せて、すすり茶
をいっしょに楽しんだ。彼の三島の器といい、久保さんの志野の茶碗といい、
「美人に育っていく」のが楽しみだ。そんな話をしていると、チョンさんが、
「今どき、器を美人にしていく、という気概をもった人が少なくなった」
と、いう。残念ながら、そうかも知らない。
昨日と今日が変らないように願う人たちにとって、器も同じで、変化する、
という概念がないのかも。水につけて、貫入ができたり、色が変化したりすると、
「欠陥品」として、お店に返しにくる人もいるらしい。
そして歴史的に低迷したり閉塞したりすると、「白い器」が流行するらしい。
今回の「HANAKO 東京カフェ!10」に紹介されているお店の器も、大半が
白い器。なんか、違うような気がする。

ひとも器も、大事に育てていけば「美人になる」のだ。
ずっとブスなんは、努力が足りないのかも。

今日は「ねんどの日」
明日は「お花のお稽古」