神泉苑は現在東寺真言宗の寺院で、場所は二条城の南にあります。
桓武天皇が平安京造営(794年)の際に、大内裏の南の沼地を拓いて造られた苑池です。
常に清らかな水が湧き出ていることから「神泉苑」と名付けられました。
その広さは南北約500m、東西約240mに及ぶ広大なものでした。
後に建てられた神泉苑の北側にある二条城も当時は境域に含まれていました。
境内には大池と中島が造られ、歴代の天皇や貴族が舟遊びや遊宴に興じました。
神泉苑の池には竜神(善女竜王)が住み、季節を問わずまたどんな日照りの年も涸れないと言われています。
東寺真言宗の寺院ですが、いきなり神社の鳥居があります。
典型的な神仏集合です。


善女竜王神社
824年大干ばつに襲われ、天皇の勅令で東寺の弘法大使空海と西寺の守敏が雨乞いをめぐり法力争いを行いました。
空海が「善女龍王」に祈りをささげ雨が降り注ぎ勝ち、「善女龍王」は池の竜神として祀られることとなりました。
以来神泉苑では名僧が祈雨の修法を競って行うようになり、宗教霊場としても盛んに利用されました。


恵方社
正面鳥居をくぐると池のほとりに小さな祠があり、この祠には歳徳神(としとくじん)が祀られています。
毎年大晦日の晩に新年の恵方に祠の向きを変える点が他の神社仏閣と異なります。
日本国内で毎年向きを変える「大歳神」は唯一ここだけに見られる祀り方であると言われています。
今年の恵方(北北西)に社が向いています。
参拝することで、一年間の幸せと財産面でのご利益があるといわれています。


法成就池


法成橋
願い事を念じながら渡り、善女龍王にお参りすると願いが叶うといわれています。
神泉苑は源義経と静御前の出会いの場所でもあり、その後二人が結ばれたことから、
今では恋愛成就を願う多くの女性が訪れています。

屋形船

弁天堂

鎮守稲荷社






本堂

二条城のお堀、もともと神泉苑のものです。

平安京とともにできた神泉苑ですが、
境内には祇園平八という料理店まであり、非常にユニークな場所です。