京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

神泉苑

2017-08-23 05:49:40 | 寺院・庭園


神泉苑は現在東寺真言宗の寺院で、場所は二条城の南にあります。
桓武天皇が平安京造営(794年)の際に、大内裏の南の沼地を拓いて造られた苑池です。
常に清らかな水が湧き出ていることから「神泉苑」と名付けられました。
その広さは南北約500m、東西約240mに及ぶ広大なものでした。
後に建てられた神泉苑の北側にある二条城も当時は境域に含まれていました。
境内には大池と中島が造られ、歴代の天皇や貴族が舟遊びや遊宴に興じました。
神泉苑の池には竜神(善女竜王)が住み、季節を問わずまたどんな日照りの年も涸れないと言われています。

東寺真言宗の寺院ですが、いきなり神社の鳥居があります。
典型的な神仏集合です。












善女竜王神社
824年大干ばつに襲われ、天皇の勅令で東寺の弘法大使空海と西寺の守敏が雨乞いをめぐり法力争いを行いました。
空海が「善女龍王」に祈りをささげ雨が降り注ぎ勝ち、「善女龍王」は池の竜神として祀られることとなりました。
以来神泉苑では名僧が祈雨の修法を競って行うようになり、宗教霊場としても盛んに利用されました。











恵方社
正面鳥居をくぐると池のほとりに小さな祠があり、この祠には歳徳神(としとくじん)が祀られています。
毎年大晦日の晩に新年の恵方に祠の向きを変える点が他の神社仏閣と異なります。
日本国内で毎年向きを変える「大歳神」は唯一ここだけに見られる祀り方であると言われています。
今年の恵方(北北西)に社が向いています。
参拝することで、一年間の幸せと財産面でのご利益があるといわれています。











法成就池












法成橋
願い事を念じながら渡り、善女龍王にお参りすると願いが叶うといわれています。
神泉苑は源義経と静御前の出会いの場所でもあり、その後二人が結ばれたことから、
今では恋愛成就を願う多くの女性が訪れています。





屋形船





弁天堂





鎮守稲荷社



































本堂





二条城のお堀、もともと神泉苑のものです。





平安京とともにできた神泉苑ですが、
境内には祇園平八という料理店まであり、非常にユニークな場所です。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます (楽母)
2017-08-23 08:09:30
最初に神泉苑に行った時、地下鉄を上がって押小路?側から入ったので、ひょっとしたらここはお料理屋さんのお庭に勝手に入り込んでしまったのではないか?と不安になりました(笑)
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方角を変える (tyako)
2017-08-23 14:15:01
こんにちは。
恵方社はよくテレビなどで紹介されております。
ここにあったのですか・・・神泉苑、二条城と複雑なんですね。
時の権力者の力が影響しているのでしょう。
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楽母さんへ (京都で定年後生活)
2017-08-23 16:03:51
こんにちは
京都には神社仏閣が多く、寺院のなかに稲荷神社などもときどき目にしますが、神泉苑ほどハッキリした神仏集合は珍しいと思います。
加えて料理店がドンと構えているというのも他にはないよう思うのです。
秋の大念仏狂言に一度は行ってみたいと思うのですが、なかなか実現できずにいます。


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tyakoさまへ (京都で定年後生活)
2017-08-23 16:11:43
こんにちは
平安京とほぼ同時期に作られていますが、徳川家康による京都支配で二条城が作られてしまいました。
今では小さくなってしまいましたが、歴史深い場所の一つです。
恵方社のコンクリート台座がまわるようにできています。
来年の恵方は南南東やや右だそうです。
今年の北北西とほぼ180度違いますので、大晦日夜に動かすのでしょうね。
ありがとうございます。
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