京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

祇園祭後祭 大船鉾の鉾建て

2014-07-19 05:39:50 | 2014祇園祭

京都は17日に祇園祭前祭(さきまつり)の巡行が終わった後、すぐに後祭がはじまりました。
この後祭の最大の目玉は、なんといっても150年ぶりに復興した大船鉾です。

私は昨日の大船鉾の鉾建てを見に行きました。

大船鉾の始まりは、応仁の乱以前からの古い歴史があります。
応仁の乱で、京都中が焼き払われ、大船鉾も他の山鉾同様焼失。
復興後、天明の大火(1788)で 神功皇后の御神面を残して焼失。
更なる復興後、1864年の蛤御門の変で、木部などの多くが焼失。

実に三度の焼失以後は休み鉾となってしまいました。
しかし、幸いにも御神体人形や舳先を飾る大金幣、織物や刺繍を使った大舵や、前掛、後掛などの懸装品は焼失を免れていました。

そして月日が流れ、町内関係者、行政の長年の再興に向けた努力が実を結び、今年の祇園祭後祭で巡行されるのです。

しかし、鉾の再興は大変な作業だったそうです。
何せ江戸時代の焼失ですから、写真も図面もありません。
残された資料をもとに、苦戦したようです。

絵が残されていました。





平成21年、「京都祇園祭の山鉾行事」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
京都市はそれを記念し、無形文化遺産展示室が京都駅前のヨドバシカメラ一階に設置しました。そこで、製作過程の大船鉾の実物を展示したのです。

大船鉾の製作にあたっては、大工さんが材料費だけで手間賃を取らなかったそうです。
祇園祭を支える町衆の心意気が、いまでも脈々と受け継がれていると思いました。

非常に人通りの多い場所ですので、見られた方も多いと思います。
私も2,3度訪れました。





今年、正式に御披露目する大船鉾の鉾建ての様子を御覧ください。


町内の入り口に立てられた、真新しい高札。
物忌(ものいみ)のため、車馬下乗の事とあります。
今時、馬もないだろうと思いますが、蛤御門以来の長年の再興の思いがこめられている気がしました。






組み立て中の鉾











他の山鉾同様、大量の荒縄で締め上げられます。





近くには大きな車輪があります。






町内の提灯も祭の雰囲気を上げています。





大船鉾の曳き初めは7月20日の午後2時から始まります。
楽しみです。私も当日は見に行くつもりです。


後祭の山鉾の位置と、巡行コースです。













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