私は毎週、夢の扉を楽しみにしています。現在の最新研究を探究する方々の姿を見て驚き、ときに感激しています。
10月6日放送の夢の扉は、ずいぶん長めの題ですが、『唾液からがん発見。一滴の血液から肝臓疾患を判定。生命科学に革命を起こす、分析技術』というもので、 ドリームメーカーは、慶應義塾大学 先端生命科学研究所の冨田勝所長です。
富田所長
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へえ、すごいなあというのが第一印象ですが、お話は、症状が出にくい病気を早期発見できる、画期的な 診断法が生まれ、 唾液に含まれる成分を検査するだけで、癌を発し、さらに、わずか一滴の血液から、肝臓癌など9種類の肝臓の病気も短時間で判定できるという驚くべき内容です。
私にはどういう解析技術なのか、いまひとつわかりませんでしたが、、、。
日本人の癌による死亡数
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メタボローム解析技術で癌を判別するという。
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そんな驚きの成分分析法、 『メタボローム解析技 術』を開発したのは、 慶應義塾大学の冨田さんが統括する研究グループ です。
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冨田さんたちは、唾液や血液、尿などから、代謝物を 一度に数百種類も分析することを 世界に先駆けて可能にし、病気ごとに代謝物の種類、濃度が異なることを突き止めました。
唾液からは、すい臓癌、乳癌、 口腔癌を高い精度で見分けられると言います。
また驚いたのは、うつ病の診断にも活用できるというのです。
うつの程度で濃度が変化する代謝物の測定で、うつの程度を測るというものです。
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一定の評価をしている精神科医。会話が成立しない患者さんの場合でも、血液検査である程度の目安として、病状がわかる利点があるという。
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うつ病患者も測定値を前向きにとらえていました。
血液検査で数値が出ることで、あなたはこれくらいの度合いだからと、薬の量を調節してもらえると前向きです。
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他の人に自分のうつの程度を客観的に教えることができるメリットがあると言います。
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また、農業技術にも応用できると言いますから、驚きです。
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富田さんは、 山形県鶴岡市にゼロからつくった研究所で、最先端の研究が始めました。
現在、メタボローム解析技術を駆使して、 次世代を見据えた挑戦に乗り出しています。
それは、鶴岡市民1万人を巻き込んだ“未来の健康 調査”とも言うべきものです。
3年毎に血液、尿の検査を行い、25年間追跡調査するといいます。
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そして、高校生がノーベル賞級の研究者を目指す 前代未聞のプロジェクトも取り組んでいます。
全国からサイエンスに興味のある高校生を集め、研究を競うそうです。富田所長はこのなかから、未来のノーベル賞受賞者がでることを期待していました。
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非アルコール性脂肪肝、ナッシュの研究をする鶴岡の現役高校生
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富田所長は、鶴岡を世界が注目するサイエンス都市にするという夢ももっています。
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私はこの番組を見ていませんがブログの記事と写真から、代謝物でうつの程度が診断できるとは凄いなと思いました。
ただ、いつでも問題になるのは「うつ」という言葉です。「うつ」は一定の気分を表す用語ですが、その用語で「うつ病」という診断名を造ってしまったことにそもそもの誤りがあります。
「うつ」は「腹痛」と同じで、状態を表し原因を問いません。「腹痛病」という診断名はないでしょう?だから「うつ病」という命名は「腹痛病」というのと同じくおかしいのです。そこが一般の人を混乱させる原因となっています。
難しいことは抜きで言うと、例えば恋人に死なれた人は「うつ」になりますよね。いまのところ、この「うつ」と「うつ病」の「うつ」とは違うと考えられています。恋人に死なれた人の「うつ」は正常な反応です。
この正常な反応としての「うつ」と病気としての「うつ病」の「うつ」が、代謝物に差がないのだったら、役に立ちません。
もし両者が区別できる物質だったら、とても楽しみなことになります。
私、「うつ」と「うつ病」を同一視していました。
先生のご指摘で、違うということがわかりました。
そうなると、放送内容の見方も変わってきますね。
大変勉強になり、重ねて御礼申し上げます。
京都で定年後生活より