京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

『第61回 日本伝統工芸展』日曜美術館

2014-09-28 20:30:12 | 美術・博物館

今回の日曜美術館は『 風と土と技と 第61回 日本伝統工芸展 』です。





昭和29年始まった日本工芸伝統展は、戦後急速に失なわれつつあった、
工芸の技を守り育てるために開催されました。
以来毎年開催され、陶芸や染色などの受賞作が選ばれます。

今年の伝統工芸展は、1,600点以上の中から、15 作品が受賞しました。
そこには、日本の"風土"に育まれた美の世界が広がって います。
東京を皮切りに、主要都市でこれらの作品が巡回展示されます。

日曜美術館で紹介された受賞作品の画像をお届けします。

最も栄えある高松宮記念賞に輝いた作品
長板中形着尺「漣紋(さざなみもん)」松原伸生・千葉
江戸時代の古紋を再現したそうです。










日本工芸会奨励賞
陶芸彩色「寒威」溝口堂央・福岡
雪がしんしんと降るなか神事に参加する少年の人形です。





日本工芸会新人賞
栃拭漆十角飾箱 市川正人・京都
表面をカンナで削り、微妙な曲線になっています。





日本工芸会会長賞
透網代箱(すかしあじろばこ) 松本破風・千葉
透網代の美しさが見事です。





日本工芸会新人賞
久留米絣(かすり)着物「思い出」柿本真木子・福岡





日本工芸会保持者賞
銀打ち出し火器「風韻」大角幸枝・東京










日本工芸会新人賞
木芯桐塑(もくしんとうそ)布紙貼「しだかじ」 満丸正人・大阪
祖母の姿を和紙で表しています。
「しだかじ」とは、涼やかな風を意味する沖縄の言葉





日本工芸奨励賞
彩刻磁(さいこくじ)鉢 石橋裕史・京都










文部科学大臣賞
蒔絵八角箱「月華」 大角裕二・石川
黒い漆の上に貝殻の螺鈿と銀をちりばめたススキがいいですね。
蓋をはずすと、金粉で描いたウサギとキツネ










日本工芸奨励賞
乾漆(かんしつ)蓋物「暁」 山田勘太・石川





日本工芸奨励賞
友禅訪問着「群れ」 水橋さおり・神奈川
描かれているのは羊の群れです。










朝日新聞社賞
黒描鳥花文鉢 米田和・石川
大胆な筆遣いです。





日本工芸奨励賞
朧(おぼろ)銀花器「纏う(まとう)」清水竜朗・福井





日本工芸奨励賞
黒柿有線寄木像嵌(ぞうがん)箱 渡辺晃男・東京





NHK会長賞
截金(きりかね)硝子長方皿「流衍(りゅうえん)」山本茜・京都
截金は、金箔などを細く直線状に切り、
筆と接着剤で貼って文様を表現する伝統技法です。
私が一番気に入った作品で、素晴らしいの一言に尽きます。

私は過去の番組のなかでですが、截金を見て感動した作品があります。
2007年急死された人間国宝、江里佐代子さんの代表作、
京都迎賓館の晩餐室「藤の間」の舞台扉に截金を施した、
「響 流光韻」です。感動物です。
















山本さんの作品、これも実に素晴らしいと思います。





山本さんにとっ ては、平安の美意識が今に息づく京都にいることが、
作品づくりの原動力になっているそうです。


この作品展は、全国を巡回します。

日本橋三越本店 ~9月29日
名古屋栄三越 10月1日~10月6日
京都高島屋 10月8日~10月13日
あべのハルカス大阪芸術大学スカイ キャンパス 10月16日~10月22日
石川県立美術館10月31日~11月9日
岡山県立美術館 11月13日~11月30日
島根県立美術館 12月3日~12月25日
香川県立ミュージアム2015年1月2日~1月 18日







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