現在秋の京都非公開文化財特別公開が11月1日~10日まで21ヶ所で開催中です。
天皇陛下御即位を記念し、皇室ゆかりの品々が公開されています。
特別公開の一つ、東福寺の塔頭、正覚庵に行ってきました。
この建物が白州邸の移築と公表されたのは昨年のことです。
拝観は年に一度11月23日の筆供養の日だけで、今回の公開は貴重です。
山門
撮影は玄関までで建物内部は一切不可です。
威徳堂
筆塚
毎月第一日曜日に写経会が行われています。
御朱印はこちら
京都市街が見えます。高台にあるようです。
内部は拝観受付でいただいた正覚庵の樹木葬(法洲苑)案内書より
本堂
ここの本堂は、綿花貿易で財を成した白州文平の大阪府伊丹市内にあった白州屋敷の一部を移転したものです。
宝形の寄せ棟造りの座敷棟が連なり、東北東には楼閣もあります。
建物の基礎上には井桁状に組まれた杉丸太の土台が見えます。
本堂仏間は天井の中央部を一段高くした「折上格天井」、その天井の一角には山水画のような巨大屋久杉の一枚板がはまっています。
また茶室は元々は白州邸の玄関だったのを改修したもので、天井には杉の小丸太が並べられています。
建築年代は大正の終わり頃と伝えられています。昭和14年、八崎治三郎(大阪栄養工業創始者)が譲り受け、昭和40年代後半に正覚庵に寄進されたものです。
白州文平は建築道楽としても知られ、4万坪の敷地を持つ伊丹の白州邸は質と粋を凝らした文平好みの屋敷の集大成として建築されたものです。戦後吉田茂首相の懐刀として、また実業家として活躍した息子、白州次郎(妻:白州正子)がイギリス留学から帰国・結婚までの間住んでいたようです。
なかなか素晴らしい建築に圧倒されました。
書院の襖絵は山本隆氏(1949年~)でした。
それと庭園が素晴らしいです。11月下旬以降は紅葉がきれいになりそうです。
今回の特別公開は10日までです。
行けない方は11月23日の筆供養に参加されたらよいのではと思います。