鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第426回】 現場に強くないと・・・

2012年03月01日 | 住宅コンサルタントとして
創業当時は、とにかく自分が一番現場を回っていた。
現場で職人さんと打ち合わせをしたり、指示を出したり、
お客様と商談したり、現場近隣の方とお話をしたり・・・。

また、ポスティング用のチラシをつくったり、
それを夜中、商圏エリア内にポスティングをしたりと、
泥臭い仕事も人一倍したり・・・。

会社立上げ当時というのは、経営者は誰よりも働いていたはずです。
会社でやらなければならない仕事のほぼ全てを自分一人でやっていた、
という創業オーナーも少なくないと思います。

そして、現場に近いところで得た情報、感じたことをベースに、
商品を開発したり、マーケティングを組み立てたりしたからこそ、
打つ手の大半が良い結果につながった、という経営者もいらっしゃるかと思います。

しかしながら、会社の売上が成長し、スタッフが増えていく中で、
いつの間にか現場に出て、お客様とコミュニケーションを取る機会が減少していく・・・。

更には、自ら広告を作成したり職人さんや業者さんと打ち合わせをすることも無くなり、
変わってライオンズクラブや商工会の名誉職の話が入ってくるようになったりするのです。

そして、ドンドン現場を離れ、名誉職での仕事を頑張るようになる。
たまに会社に出て指示したりするのですが、現場の空気を知らないため、
ピントがずれた指示などを出してしまったりするのです。

トップが名誉職に真剣になればなるほど、
その会社の業績は落ち込んでいくケースがとても多いなぁ、と感じています。

また、トップが胡散臭い会社とつるんで、
薄っぺらいノウハウや商品をパッケージ化したりして販売したり、
全国を講演で歩き回ったりしている会社も、次第に業績が落ちていきます。

本来、経営者というのは、自社の経営をしっかりとやらなくてはなりません。

自社の3年後、10年後をしっかりとイメージする。
イメージした状態になるために、やらなければならないことをまとめる。
逆に辞めなければならないことを決める。
そしてやると決めたことが、組織全体でしっかりと出来るよう、
しくみ、ルールを決め、それを現場のスタッフが出来るように指導していく。

更に、意識してお客様と接したり、現場で働いているスタッフとコミュニケーションを取り、
今のお客様の嗜好やライバル企業の動向にアンテナを立てて、
自社をあるべき姿に軌道修正していく。

経営者が現場に出て、スタッフと同じ仕事をするのではなく、
もっとその先を見て、次に取り組むべきことを前倒しで取り組むような積極性が求められます。

市場の中で起きていることをよく理解していて、
自社がどうしなければならないかを分かっている状態を

「現場に強い」

と言います。

皆さんは、現場に強いですか?
皆さんの会社は、現場に強いですか?
コメント
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