イネ科のオオギョウギシバ Cynodon dactylon (L.) Pers. var. nipponicus Ohwi
田中川干潟の砂浜との境にオオギョウギシバが群生している。砂浜から干潟の中へ入ろうとすると,必ずオオギョウギシバを踏み越えていかなければならない。
今日は,白い穂状花序が目に付いたので座り込んで撮影した。
長田武正著『日本イネ科植物図譜』によると,オオギョウギシバは「沿海地にはえ,大きな面積に広がる多年草で,ギョウギシバに比べ、目だって大きく,ほふく枝は太くて,長さ5mまたはそれ以上にもなり,節間は長さ20-30cmになる。稈頂の花序(総)の花軸は長さ5-10cm,小穂は長さ3-3.5mm。西日本の特産。タイプ産地は三重県二見ケ浦。大きさだけで見分けがつくが,ときに中間型があって基本種と結ばれる。」
植物にかなり詳しい人でも,オオギョウギシバを見て,オニシバと勘違いするくらいなので,あまり知られていないのではないかと思う。
芦原海岸には普通のギョウギシバも生えているので,オオギョウギシバと比べてみると面白い。私はギョウギシバをあちこちで見つけると,必ず田中川干潟のオオギョウギシバを思い浮かべる。
三重県をタイプ産地とする植物が近くで見られるなんて,誇らしく思えるし,愛さずにはおられない。
千葉県では準絶滅危惧種に,山口県では絶滅危惧Ⅱ類にそれぞれ選定されている。
2010.9.5