本州では三重県五ヶ所湾の獅子島にしか生育していないというハマジンチョウの花を見に出かけた。
島には渡らず、周辺の海岸地帯に植栽された数株を見ることが出来た。
ハマジンチョウは九州の五島列島に多産する海岸性の常緑低木で、波静かな入り江の奥の満潮線付近に生息している。ハマボウよりも更に海に近いところを好む。果実はコルク質で海水に浮く。
どの株もよく枝分かれして、横に広がっている。株の中を覗き込むと、枝のあちこちから気根のような根がたくさん出ていた。枝が地面に接するとすぐに根付くのではと思えた。
花の内側には濃紅紫色の斑紋があると図鑑には書かれているが、斑紋を確認することは出来なかった。
獅子島のハマジンチョウを植栽とする説もあるようだが、三重県レッドデータブック2005では絶滅危惧ⅠA類(CR)に選定している。
志摩市の波切港周辺でも植栽されていると聞く。
2008.3.3
堤防寄りの枝先に花が見られた。葉の数も多く、良好に生育しているように思われた。
葉数も枝数も多く、株の中は薄暗かった。
気根のように見えるが、ハマジンチョウには気根が無いと言われている。