気候がよくなってきたので、近ごろ何かにつけて海へよく行くようになった。
そこで出会うのが、“老人の釣り師”だ。
きょうも、3人の老人が海に釣り糸を垂れてゆったりと釣りを楽しんでいた。
彼らに共通することは、老後を釣りで楽しんでいる.....と言える。
場所は貨物船などが発着する埠頭だ。埠頭の海際まで小型の車を乗り付けている。
そして車の内部後方を釣り用に改造、竿、仕掛け、まな板、包丁、腰掛、工具などさまざまな釣り用品を備えつけている。さながら個人経営の釣具店のようだ。
この日はハギ狙いの人が3人中2人で、潮時があまりよくないとボヤキながら、小型のものを数匹釣り上げていた。
そして、1人が車後部からまな板を出し、釣り上げた魚を手際よく捌いて、持参したプラスチックの容器に詰め、クーラーボックスに入れていた。今晩はこの魚が食卓を賑わすのだろうか・・・。
そしてそれが終わると、包丁やまな板をきちんと水で洗い、次のときに備えていた。
私の場合、釣るのは私の仕事?持って帰って調理するのは女房の仕事と決まっているが、この老人のようになると奥様から喜ばれるのではないだろうか。
秋の海をゆっくり眺めながらのんびりした気分を味わう3人のお年寄り、潮の香りを全身に浴び、まだまだこれから元気に生きるぞ!という気持ちが満ち溢れていた。