光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
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新幹線開業50周年ネタ4・「動脈列島」

2014-10-08 06:58:58 | その他
 今回も0系新幹線のネタです。もっともこちらはだいぶ前に上げたサブブログの改訂版ですが。

  先日、サブのブログ(ホビーのごった煮)で「新幹線大爆破」の話をしましたが、こちらでは別の作品を取り上げてみたいと思います。
 「新幹線大爆破」が劇場公開された時期は確か東宝では「東京湾炎上」をやっていたと思います。あの頃はパニック映画ブームでこれも先述した「タワーリングインフェルノ」もこの頃の公開と記憶しています。
(上記3本のうち当時の私が映画館で観たのは「タワーリング~」のみです)

 さてその「新幹線大爆破」から3か月くらい後に東宝で公開されたのが「動脈列島」でした。

 この年の春の新聞記事で東宝の製作発表があった折にたしか東京湾炎上と並んで「パニック映画二本に挑戦」とか言ってこの作品もパニック映画のくくりで宣伝されていたのを思い出しました。

 「新幹線大爆破」が「止めようとしても停められない」所にサスペンスを置いているのに対し本作では「予告通りに新幹線を全面停止させられるか」に話の重点が置かれている点でまず対照的です。
 当然本作の方が田宮次郎扮する捜査本部長を中心とする捜査陣の地道な捜査活動、それに対して近藤正臣扮する犯人がどうその裏をかくかに重点を置いています。

 公害問題華やかりし頃の映画だけに新幹線の騒音・振動と言った当時の新幹線問題を扱った比重が高いのも本作の特徴です。
 題材が似ていた事もあってか「新幹線大爆破」に出ていた役者も何人かこの作品に出ていたりして公開のタイミングを考え合わせると面白い現象でもあります。

 ストーリーについては文庫本で原作も出ていますので(但し細部は映画とは異なる)ここでは触れません。

 私がこれを初見したのはずっと後の事でしたがとにかく地味な映画だったという記憶しかありません。
 ですがサスペンスの組み立て方は新幹線大爆破よりもずっと堅実で前者が「体育会系パニック映画」ならこちらは「文系サスペンスパニック」に近い違いを感じます。

 それを端的に表すのが新幹線の特撮で「新幹線大爆破」がかなりの大スケールでミニチュアセットを組んでいるのに対し本作ではミニチュアかどうかすら分からない位に地味です。
 確証はないのですが前半10分くらいのところで豊橋駅で0系が脱線するカットでミニチュアを使っているのではないかと思います。
 時間にして3,4秒。バラストの上に台車を食い込ませた先頭車のカットのみ。ことによるとミニチュアではなく写真を切り抜いてセットに置いただけかもしれませんが先頭車の絞り込みがやや不自然な所からミニチュアである可能性も否定できません。
 言い換えればそれくらい本物らしいカットとも言えます。

 本作で唯一派手なシーンはクライマックスに無線操縦で新幹線に突入しようとするブルドーザーに立ち向かうパトカーが3・4台次々に蹂躙される「大都会PARTⅢ」みたいなシーンです。


 このシーンではMS40クラウンやセドリック130のパトカーが主に破壊されていましたが「新幹線大爆破」ではこれほど派手なカースタントはなかったのでその意味でも対照的ではあります(笑)