ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

終焉

2011-12-07 00:27:41 | 
雑誌、「旅行人」が休刊する。

今月号が最後となるそうだ。かつて、90年代は月刊誌だったこともある。
その後、季刊誌になり、一時、休刊したものの、その後は年に2回ほど
発行されていたのだが、このたび、雑誌としては廃刊となるとのこと。

理由は、編集長である蔵前さんの体力的な問題とのことだとか。蔵前氏
はまだ55歳であるが、編集からデザインなどすべてを1人でこなすスタ
イルでは、年齢的に限界と言われれば、それはそうだろうとも思う。
社員は奥さんを含めても3人でやっていたそうだ。

私が「旅行人」を知ったのは、確か「ゴーゴーアジア」だったと思う。
この本の初版は1988年だが、私が読んだのは、たぶん1993年頃だったか、
その頃から「旅行人」本誌を購読し始め、その後、3年間くらいは熱心に
読んでいたものである。

90年代は、おそらく日本人バックパッカーがもっとも数多く旅した時代で
はないだろうか。「旅行人」の黄金時代も、おそらくは90年代だろう。
しかし、あまりに長い不況のせいなのか、日本人の気持ちが内向きになった
のか、2000年代になるとバックパッカーは減り始める。
「旅行人」の企画がつまらなくなり、停滞をしはじめたのも2000年頃だと
言われている。さらにネットが普及し始め、旅行の情報はネットで簡単に
得られるようになり、旅行雑誌自体が衰退しはじめた。

今後、「旅行人」は書籍の出版のみを続けるという。書籍の零細出版社は
日本に多数あるので、その一つになるのだろう。

「旅行人」の前身である「遊星通信」が生まれたのは1980年代である。
また、それはバックパッカーという言葉が日本で普及しはじめた時代でもある。

しかし、すでにその「バックパッカー」という言葉も、時代遅れにさえなり
つつあるような気がしている。

そういう意味では「旅行人」の休刊は、一つの旅の時代の終焉なのかも知れ
ない。

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