メルケル首相が来日。
元々、安倍さんとはそりが合わないらしく、来日もG7の根回しが主たる理由
なんだとか…。
同じ敗戦国の首相同士であるにも関わらず、隣国との関連について「もっと
うまくやってよ…」的な発言をされた安倍さんは、さぞ複雑な心境だったに
違いない。
日本人からすれば、「韓国も中国も何かに付け歴史問題持ち出してくる鬱陶しい奴
なんですよ…」と、愚痴の一つでも言いたくなるけれど、メルケルさんにはこうい
う感情論をぶつけても、おそらく理解は得られないだろうから、ここは大人の対応
しかない。
歴史認識にしても、そもそも日本とドイツは、敗戦後の道のりが大きく異なってい
るので、一概に比較は難しいと思う。
何といっても、ドイツは戦争責任をナチスに押し付けることでドイツとの区別化を
図ったのが功を奏したと言われている。結果としてナチスの犯した罪については謝
罪を繰り返すけれど、ドイツとしては別の立場に立てるというもの。日本でも、当
初から軍国主義と国とを別枠で捉えることで、この方法が使えたら良かったのかも
しれない。
さらに、ドイツが戦後、分割占領され西と東に分かれたのが大きい。その中でアメ
リカは西ドイツの再軍備に同意せざるを得なかった。東半分はソビエトの子分で、
しかも子分の中では兄貴的な存在だった。その二つがベルリンの壁が崩壊した後、
結果的として、一つの強いドイツに生まれ変わった。
アメリカが日本の無力化を望んだのとは、あまりにも大きな違いである。
あとは移民だ。日本は島国で基本的に移民を受け付けない。あれだけいる在日韓国人
も移民ではない。反面、ドイツは移民大国でもある。
これだけでも、随分違う。
さらに日本と韓国と中国。ドイツで言えばフランスと、どこなんだろう?ポーランド?
ロシア?日本の二つの隣国は、内政がうまくいかなくなると、国民の目を外に向けさせ
るためにいつも日本を使う。ドイツが侵略した周辺国には、そういうことはない。最近
でこそ、経済的に苦しいギリシャが「戦時の賠償金を払え!」などと、どこかの国と同
じようなことを言い出してきてはいるけれど、これは例外である。少なくともフランス
もポーランドもオランダもベルギーも、話のわからない国ではないし、それぞれに癖や
問題はあるだろうけれど、日本の二つの隣国とは違って、随分、健全な国に見える。
つまりドイツは隣国に恵まれている…、ように見える。
もちろん、日本にも問題はある。私たちは歴史を、というか近代史を義務教育の中で
しっかり教えてもらっていない。鎌倉時代や江戸時代は結構、しっつかりやるのにで
ある。
それどころか、戦争に突入したあの時代の総括すらできていない。この点は、もしかす
ると、戦争責任が天皇に及んだりするのを、由としないからかもしれない。遡れば、昭
和天皇だけでなく、明治天皇にも戦争責任はあるわけで、けれど、未だにどこか不可侵
である皇族を巻き込んでの議論は、共産党以外は望まないだろう。
日本としては曖昧にしておくのが、一番都合がいいんだろうな。
でも、だからこそ、いつまでも突っ込まれる。
安倍さんの談話なんて、どうでもいいような気がする。
いつかちゃんと、できるだけ早いうちに、総括をして日本の総論として発表する。
その上で、今更ながらの要求は断固として突っぱねる。
将来的に鬱陶しさから逃れるのは、これしかない?、ような気がしている。
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