忘却への扉

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今の自分の務めを引き受ける

2015-08-20 | 共に
 【 地軸 】 2015/8/19 地方紙1面コラムより

 [戦後70年、日本は平和を享受してきた―。本当か。先日、松山で上映された沖縄・辺野古への米軍基地建設をめぐるドキュメンタリー映画「戦場(いくさば)ぬ止(とぅどぅ)み」に、「平和な日本」という何げない物言いが見落としてきた現実を突きつけられた。
 ▲サンゴやジュゴンのいのち輝くこの海で、1年前の昨日、ボーリング調査が始まった。抗議の小型船4隻とカヌー20隻を沖縄防衛局と海上保安庁の船団が包囲。機関砲を装備した大型巡視船まで投入して力ずくで制圧したのは、日本政府だ。
 ▲陸上では座り込みが続く。85歳の「おばあ」は工事車両の前から一歩も引かない。「私を引き殺してから行きなさい」。地上戦で手りゅう弾と火炎放射器に焼かれながら生き残った。戦争につながる基地を造らせるわけにはいかない。死者の思いを背に前を向く。
 ▲誰もが、びくともしない権力に涙し、それでも仲間と歌い踊り、また立ち上がる。カメラは彼らの真っ黒に日焼けした表情を見守る。
 ▲三上智恵監督はパンフレットで語っている。「過去にこの島に生きた人々と、100年後にここに芽生えてくる命の両方と対話し、今の自分の務めを引き受ける。それが『島に生きる』ということ」。
 ▲海底に投入されたコンクリートブロックが珊瑚を押しつぶしていく。声なき悲鳴が聞こえる。政府と県との集中協議が続く。沖縄の戦争は終わっていない。「戦場ぬ止み」―今こそ、戦いに終止符を打つとき。]

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