忘却への扉

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カエルが戻る

2006-05-19 | 共に
 今夜は早めに眠ろうと寝室に入る。外では二匹の蛙が鳴いている。雨蛙だろうか、その片方の声には少し軟らかさがある。
 さっきまでいた居間の外から聞こえていた別のカエルたちの、渋く重みのあるテレビの音の邪魔をする声とは違う。
 あれは昔この庭で幅を利かせていたカエルたちの子孫だろうか、数は少なくなっているが声は相変わらずでかい。うるさいけれど懐かしい声が戻ってきた嬉しさはある。
 部屋に入ってすぐ物音でもたてると、ピタリと蛙は鳴くのを止める。大きな耳のあるカエルを見たことは無いのに、敏感な聴力を不思議に思う。
 蛙の声に眠れないかと心配したが、ときおり鳴くのを休んくれてさほど気にせず眠ることができた。

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