羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

母の帰宅

2012年11月26日 | Weblog
母を家に帰してあげたい、と思っていた。
でも家に帰るともうグループホームには戻りたくないって言うんだろうな、
そこが難しいなと思っていた。
ひとりでぐるぐる考えていてもわからないので、信頼するスタッフに相談した。
家族にも聞いてみた。
そしてまずは「日帰りプラン」を実行することにした。
家人の協力を得て先日、次女と一緒に迎えに行った。
「紅葉ドライブしようと思って」と母のコートを見せたら
「あら、ほんと?ラッキー♪」とにこにこ笑顔。

車椅子を積んで深大寺へと出発した。
あいにくの天気だったので紅葉は車窓から見物。
コンビニで母の好きなホットれもんを買うと「美味しい美味しい」と飲んでくれた。
食事もして、久しぶりに家に到着。
家では懐かしい写真をみんなで眺めてひとやすみ。

でも母は「何だかよその家みたいで落ち着かない」とくり返した。
母のベッドもお気に入りの椅子もホームに運んでしまったので
やっぱり部屋の様子が違う。
それでも居心地が良いようにあれこれ工夫はしてみたつもりだったが、
「アタマがスッキリしない」と認知症状にやや混乱をきたしてしまったようだ。

そっとひとりにしてみたけれど、
すこし経っていくと「誰もいない・静かすぎて不安」という。

夕方近く「牟礼の里に戻る?」と聞いたらすぐに「うん」という返事。
ホームに戻った母は二階の食堂に佇んでしばらく何かを考えている様子だった。
「お帰りなさい」とスタッフに迎えられて部屋に戻った。
誰かしらの気配や物音がするこの環境に慣れて安心感もあるのだろうか。

そう考えると目が届くし何かにつけて安心だし選択は間違いではなかったと思う。
でもこうして時々は(一ヶ月に一度くらいは)家に帰してあげたい。
それでわたしの気が済む。今はそんなふうに考えている。




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