羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

夏の雨やがて上がる

2017年08月07日 | Weblog
あっという間の一年だったね、と家族で話をした。
母の一周忌法要が終わった。
去年の今頃はせっせと病院に通っていた。余命を告げられてからも、母は窓辺のベッドで静かに眠っている事が多かった。
時々は目覚め、時々は声もだした。
夕方に行くと目覚めている事が多く、
ある日居合わせたナースに相談して
きれい好きだった母の顔の手入れを実行した。
さいごに温かいおしぼりで拭いて、
ナースも退室してから、母は何度も自分の顔をさわっていた。
そうだね、きれいになってよかったね、と話しかけるとわたしをじっと見て手を伸ばしてきた。
母の手を握り返しながら涙が止まらなくなった。
もうすぐ遠くへ逝く人の傍で過ごした
あの夏の日。

わたしのこどもたちもそれぞれが
おばあちゃんに会いにきて、窓際の椅子に座って過ごしていたようだ。
病院の庭にセミがよく落ちてた、と長男が言うと、そうだね!と娘が応える。

三人のこどもたち皆おばあちゃんが好きだった。
次女も長女も体調万全とは言えないものの明るく笑って思い出話をした。
一年が経った。
見守られて穏やかに日々を過ごしていければいい。
とりあえず検査結果もひどくはなかったし、たぶん大丈夫。
大丈夫な日々が秋への道をひらく。

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