羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

動物の絵

2015年12月08日 | Weblog
先日、杉並の図書館へ薮内竜太さんのお話を聞きにいった。
いつかは行きたいと思っていた「読書の森公園」が隣りにあった。

竜太さんは挿し絵や絵本、愛鳥週間の鳥の絵などで有名な故薮内正幸さんの息子さんである。

「こどものとも」そして「冒険者たち ガンバと十五匹の仲間」などでわたしとこどもたちは
薮内さんの絵に親しみ、すっかり魅せられていた。
とくにガンバは毎晩、こどもたちが寝る前に読み聞かせていて親子で夢中になったものだ。
かわいかった「ぼーぼ」が死んでしまったとき、わたしは涙で読み進むことができず
シッカリ者の長女が代わりに読んでくれた、という思い出もある。

薮内さんの美術館が八ヶ岳のふもとにできて山荘から近いことを知ったときはすぐに行った。
ご存命だった奥様と楽しくお話もした。それ以来こうして企画展があると案内のハガキを頂いている。

薮内さんは少年の頃から動物が大好きで日が暮れるまでいつも動物園にいたそうだ。
写真も図鑑もなかった時代、1日見ていた動物を帰ってすぐに描いてみる子どもだったらしい。
独学で好きな絵を描き続け、高校を卒業すると説得されて福音館書店に入社した。
彼を大阪まで行って説得したのが当時編集長だった松居直。「こどものとも」を発行していた。

「こどもにこそ本物を見せなくてはいけない」という松居の信条と編集方針は素晴らしいと思う。

入社した薮内は国立科学博物館に毎日通って、動物の骨格標本の模写をくり返したという。

骨格、筋肉の動き、毛並みの具合、どれひとつとっても細密で正確な動物の絵をみて
「天才」とわたしは思っていた。もちろんすぐれた才能はあるに違いない、でも好きで好きで努力した結果なのだ、
ということがよくわかった。

図書館の近くでは原画展があった。