何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

集客のルール

2009-04-17 22:19:16 | Book Reviews
あたりまえだけどなかなかできない 集客のルール」 岡本士郎・著、明日香出版社、2007年9月30日

p.17 「お客さまのニーズ」を「満たすサービス」の目的が、もしくは代替可能ならライバルになりのです。つまり「隣の店」なのだということに注意しましょう。

p.23 私たちの方には来なくて、ライバルの方に行っているお客さまが分かれば、次に打つべき集客策が、おぼろげながら見えてくるでしょう。
 逆に、私たちのお店に来ているのに、ライバルのお店には行っていないお客さまが分かれば、それが失ってはならない強みだということも再確認できるはずです。

p.30 確かにお問い合わせ段階の人は「客」ではありません。しかし既に「見込み客」なのです。

p.115 「高額な広告費が罪悪」なのではありません。「効果の出ない広告費が罪悪」なのです。

p.118 その広告に1回触れただけで「行ってみよう・買ってみよう」という気にさせるのが、目指すべき広告の完成形でしょう。

p.148 文句をたくさん言う人=クレーマーではありません。そして、クレーマーは客ではありませんが、クレーム客は大事なお客さまです。
 クレーマーは文句をつけること自体を目的にしている人です。

p.156-7 アフターフォローは早いうちに行わなければなりません。頭でっかち尻すぼみのイメージでも構いませんから、初期フォローを重視してください。
 抜歯した翌朝、近くの病院で痛み止めをもらい、やっと落ち着いたという頃に「その後どうですか?」なんて間の抜けた電話がかかってきても、「なんだ、今更、この医者は」と藪蛇になってしまいます。
 節目の後ですぐにフォローし「お金を払った途端に放ったらかしにされた」と思わせない。この安心感がリピーターや口コミ紹介客の獲得につながるのです。

p.161 広告費とは非リピーターで減ってしまったお客さま分を補填するものだ、くらいの心構えでいきましょう。

p.176-7 良いことは1人に話し、悪いことは10人に話すと言われます。
 つまり、良い口コミを広めようとするのではなく、悪い口コミが広まらないようにすることなのです。

p.187 最終的に受注や購買につながらない集客は、ムダな集客だということでもあります。

p.203 お客さまを感動させるプラスアルファは、ほんの少しの差でも、天と地ほどの結果を生み出してしまいます。広告などで差がつかない平等な条件だと、ちょっとした対応の差が口コミの差となり、それが明確な集客力の差となるのです。当たり前のことは当たり前にする。その上に重ねた「ほんの少し」が集客力の本質なのです。
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一勝九敗

2009-04-16 22:50:01 | Book Reviews
「一勝九敗」 柳井正・著、新潮文庫、2006年4月1日

p.99 大企業は組織で仕事をする。組織の各階層では、それぞれの部下は上司の指示に従う。最初は「手足」として働き、そのうち徐々に「頭脳」に昇進していくという構図。そういう仕事のやり方が普通だとしてやってきた従来の考えから抜けきれない人たちには理解しがたいかもしれないが、どんな組織でも「手足」だけの人間は不要だと思う。

p.124 クリエイティブな仕事をする人は、もっと自由に、いろんな発想をしながら仕事をしなければいけない、という臨機応変のスタイルを彼は学生に教えたかったのだと思う。

p.131 本当に良い企業というのは、ある意味では社会運動に近いものではないかと思う。常に積極的に、外向きで顧客の要望に応えるという原点を忘れなければ、必然的に社会に対する企業としての使命感が醸成されてくると思う。

p.139 本部は店舗より偉いのではなく、店舗を支えるものなのだ

p.150 マニュアルは原則を書いたもので、本来、仕事の最低標準ラインの底上げのためにある。何度でも言うが、自分で考えて、自分で商売することが大事なのだ。

p.197 仕事を自分がやるよりも、部下や他人にやらせることが管理職の仕事だと錯覚しているのではないだろうか。
 お客様の方をしっかり向いて、全員で仕事をしなければならないのに、管理職が部下の仕事ばかりチェックしているようになると、お客様のことは二の次になり、やがて忘れてしまう。

p.234 常に環境に適応し生き続けるためには、変化し続けなければならず、自分で自分の運命を決めることができない限り、「自分を変える」ことはできないと思う。

p.234 (企業経営者で)自分がルールだ、常に優先順位第一位だと主張している人もダメである。単なる金儲け主義に偏った人に経営を任せていては、自主独立の経営はできない。

p.237 上司には部下を一人前にしなければならない義務がある。

p.240 お年寄りに評価されていたとしても、若い人たちに評価されないと将来性はない。単にトレンドを追うのではなく、若い人に本質的な点で評価されるにはどうしたらよいのかを考えなくてはならない。商品としての本質、あるいは会社として追及する本質を感受性の鋭い若い人に評価されることが必要だと思う。

p.252 われわれが提供しているサービスでは、他社と本質的な差別化は難しい。われわれが「できる」ことは、競合先も「できる」と思わなくてはいけない。売る側に立つと他社と大きな差があるような気がしているが、買う側からすれば、大した違いはないのだ。
 では、何で差が生じるかというと「企業姿勢」である。

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あなたのお客さんになりたい!

2009-04-15 23:13:19 | Book Reviews
「顧客満足の達人 あなたのお客さんになりたい! 初めて会ったお客さんを一生のお客さんにできる。」 中谷彰宏・著、三笠書房(知的生きかた文庫)、2000年9月10日

p.54 お客さんは、何を決め手にして企業を選ぶのか。売上でも、商品の数でも、店舗数でもありません。お客さんが、あなたから買うかどうかを決めるのは、あなたの企業の商品や売上高が多いからではありません。お客さんが探しているのは、たった一人、自分の相談に乗ってくれる相談者なのです。

p.59 お客さんが、一番最初に出してくる質問は、この人が話を聞いてくれるかどうかを試す質問であって、本当の悩みではありません。

p.61-2 あらゆるサービス業では、管理職が末端の顧客とどれだけ話す時間を持つかが大事です。お客さんと二人三脚しようという感覚がなくて、ただ歩合しか気にしない。「このお客さんは見込みがないから、無駄なことをしないようにしよう。どうせつきあっても、契約金が取れるまでのところだ」と考えていると、目先の効率のいいほうへどんどん移っていってしまいます。
 でも実は、効率が悪いことが、一番効率がいいのです。

p.99 どんなにお腹がすいている人でも、食べられる量には限りがあります。たくさん食べたいのではありません。いろんな種類が食べたいのです。食べ放題に来ているのではありません。選び放題に来ているのです。

p.102 「もうちょっとゆっくりしていって下さい」という気持ちを込めて、お客さんを絶対追い立てないのが、サービスの大原則なのです。

p.107 一見面倒くさそうなことは、儲けにならないから、できるだけかかわり合いたくないと思うでしょう。でも、それが長期的には、必ず儲けになるのです。

p.122-3 「一応こういう決まりですから」と言った時点で、サービスは終了です。「決まりですけれども」と言うところから、本当の意味でのサービスが始まるのです。「決まりですから」と「決まりですけれども」には、天と地の開きがあるのです。

p.141 サービスとは、メンテナンスなのです。

p.166 あなたの売場は、舞台です。
 でも、お客さんにとっては「売場」ではなく、「買い場」です。

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仕事の報酬とは何か

2009-04-14 22:19:53 | Book Reviews
「仕事の報酬とは何か 人間成長をめざして 田坂広志・著、PHP文庫、2008年7月17日

p.13-5 「三つの報酬」、能力、仕事、成長。

p.17 「収入」や「地位」は、「結果として与えられる報酬」であるのに対し、「三つの報酬」は「自ら求めて得るべき報酬」である。

p.21 「三つの報酬」は、「目に見えない報酬」であり、それこそ深く求めなければならない。なぜならば、それらの報酬を求めないかぎり、「仕事」の本当の喜びは決して得られないから。

p.24 我々は、(職業人としての)「腕を磨く」ということそのものに、無条件の「喜び」を感じる。

p.28 「腕を磨く」ということが、単なる手段になってしまったビジネスマンは、ある領域を、決してこえられません。一流のプロフェッショナルの「高み」には、決して登っていくことができません。

薬局をやることが、別の目的の手段になってしまうと、あるレベル以上伸びなくなるのも同じことだろう。薬局が伸びることが喜びでないのであれば、無理に成長しなくてもよいのだから。

p.36-7 「早く職業的能力を磨いて、早く経済的報酬に結びつけたい」という性急な心の姿勢に陥った瞬間に、我々は、その「職業的能力」を磨いていくために不可欠な「忍耐力」や「粘り強さ」を失ってしまうからです。
 そして、「少しでも早く、少しでも楽に」という安易な心に流されてしまうからです。

p.40 一流のプロフェッショナルは、するべき努力を、愚直なほどに、している。

p.51 (プロフェッショナルは)単なる「専門知識」だけでは仕事になりません。やはり、プロフェッショナルとしての高度な「スキル」が求められるのです。
 従って、我々が、もし本当に、プロフェッショナルとしての「能力」を磨きたいと思うならば、この「専門資格」を取ってからが、勝負です。

p.87-8 「反面教師」という言葉の、本当の意味は、他人の中にある「欠点」は、必ず、自分の中にもある、ということを教えてくれる言葉である。

p.100 「当社では『製品』という言葉は使いません。当社では『作品』という言葉を使います」

p.120 我々が、本当に素晴らしい「共同作品」を残したいと願うならば、その仲間と共に抱く「志」が無ければならない。

p.155 部下は、上司だからこそ、本心を見せないときがある。
 上司というものが、「権力」を持つ立場であるがゆえに、心を開いてくれないときがある。

p.170 「腕を磨くことの喜び」「仕事を残すことの喜び」「人間を高めることの喜び」そうした喜びの瞬間があります。そうした喜びこそが、「仕事の真の報酬」なのです。
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抜擢される人の人脈力

2009-04-13 22:37:02 | Book Reviews
「抜擢される人の人脈力」 岡島悦子・著、東洋経済新報社、2008年12月25日

p.44 自分の志向やスキルをタグにする人の場合には、本来は、自分の信念や使命感といったものとどこかで結びついていないと、説得力の弱いタグになってしまいます。

p.67 あなたが、どのような意欲と学習能力と結果を出す力を持っているのか、どんな貢献ができそうなのかなど、あなたのポテンシャル(潜在能力)を信じるだけの材料が相手に伝わっていなければ、「機会」が出現した時に、あなたの名前は思い出してもらえないのです。
 重要なことは、「他薦」だからといって、運任せにしないということです。自分から動く方法はあるのです。あなたの名前が想起され、適切な推薦理由とともに「他薦」をしてもらえるように、能動的に仕掛けていく、という方法をとらなければなりません。

p.72 これからの新しい人脈構築の形とは、お互いにビジネス上で貢献をしながら、ギブ&テイクが成立する前提で、一緒に成長していける関係のことを指しています。対等の関係で情報を交換し、相互に「チャンス」を融通しあえる「仲間」や「同志」と言い換えてもいいでしょう。

p.101 「がんばっていれば誰かが自分を見出してくれる」という可能性があることは否定しませんが、ビジネスの様式が日本型から欧米型に移り変わりつつある現在、個々人にアカウンタビリティ(説明責任)が求められており、「そのうち誰かが見つけてくれる・・・・・」と受け身でいることには、リスクがあるように思います。

p.103 キャリア・デザインではなく、キャリア・ドリフト(漂流)という概念(キャリア計画を立て過ぎず、やりたいことだけを明確にした上で、漂流しながら実力を蓄積しておき、来たチャンスという波をしっかりと捉まえる)が主流になってきています。

p.104 抜擢の局面では、多くの場合、推薦者は「この人ならできるかもしれない」という仮説に基づいて抜擢するか否かを判断します。たとえば、未経験の仕事であっても、「このチャンスはその人のアスピレーション(野望)と合致しているから、今まで以上に努力ができ、成果を出せるのではないか」、という仮説が持てれば、抜擢を行うわけです。

p.106 自分のタグに説得力を持たせるためには「自分のタグ」を作る作業の中で、自分を突き動かしている原体験や価値観といったものは何なのか、ということを掘り下げる機会を作ることも、ここでお勧めしておきたいと思います。

p.109 そこで重要になるのが、「販売促進」ではなく「購買支援」の発想です。ここで言う「販売促進」の発想とは、「こんなにいい商品があるので、ぜひ買ってください」というアピール方法のこと。一方の「購買支援」は、「いまこういうものを求めていませんか? だったらこれがお勧めですよ」というやり方です。

p.119 どうすれば品よくアピールできるのかといえば、それは「コミュニティに貢献しながら、それをさりげなくアピールする」ことです。

p.175-6 (勉強会や交流の場において)理想的なのは、参加者全員が「Commit or Die(貢献せよ。さもなくば去れ)」の共通認識を明確にしていることです。さらに、議論のクオリティに対してお互いに厳しい目を持っている状態が望まれます。

p.243 若い方々にとっては、「使命感を感じること」とは、つまり「自分が好きなこと、興味を持てること」の延長線上にある、と言うほうがわかりやすいかもしれません。「自分の好きなことには、最も熱中できる」と思っていますし、実際に多くの経営のプロの方々の仕事ぶりを見ていてもそう思えます。

p.255 「プロとしてお金をもらって働くのなだら、仕事はつらくて当たり前」と主張する方もいます。私も、真剣に仕事をして成果を出すことは必要だと思っています。しかしながら、つらい仕事や、自分が興味・関心のない「前のめり」になって取り組めない仕事で、本当に成果を出せるのか、そして「それでもがんばる」のは持続可能な努力なのか、については疑問だと思っています。

p.255 「自分の使命感に合った仕事で、自分が貢献できている」という状態ほど、知的好奇心を満たし、充実感を味わい続けられることは、他にはなかなかないのではないでしょうか。
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「患者の希望」を盾にとる

2009-04-13 18:28:20 | 薬局経営
 三条総合病院の院外処方引き上げに関連し、ドラッグマガジン4月号が解説している。

 それによると、
○問われているのは、医薬分業であると。
 (p.23 現在の医薬分業とは医療機関の都合によって、いつでも、どこでも終焉を迎えてしまう瀬戸際に立っている)

○三条総合病院の行動によって問われているものを誤解していないか。
 (p.23 たんに「病院と門前薬局の問題」と矮小化された解釈がなされた結果)
 (p.23 「門前薬局の問題は調剤チェーンの問題」という割り切った捉え方があるとしたら・・・)

○薬局は、医薬分業による医療の質の改善を国民に提示せよ。
 (p.24 医療機関の経営の論理に勝るものはない)

○医薬分業は「国民のためだけに存在する」ものであるべき。
 (p.24 医療の質を高める「手段」のはずの医薬分業が、いつの間にか「目的」と化していないか)
 (p.24 仮面をかぶった「目的」を得るために、人知れないグレーゾーンはないか)


 また同誌には、厚生連の担当理事へのインタビューも掲載されている。それによると、患者希望に基づいて行うという判断であると繰り返している。裏返せば、患者が院内を希望したのは、患者にそう思わせた保険薬局に原因があるということのようだ。
 
 事前アンケートでは、患者の利便性、経済的負担の軽減を出していたにもかかわらず、そういうことには一切触れていないと、矛盾した記載も見られる。
 
 また病院の収益次第では、院外に出すこともあるといい、患者の利益第一を考えているとは言い難いところも見られる。

 この記事を読み、改めて自分たちの利益確保が根底にありながら、患者希望を盾にした医薬分業という安全確保の仕組みを踏みにじるような事態であると思う。
 患者のためになっていないというのなら、保険薬局側にそのメリットを実感できるように質を高めろと苦言を呈すればよいのであって、その仕組みをご破算にするという判断には問題があるように思われる。
 
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高齢者に禁忌の薬剤

2009-04-10 23:28:00 | くすり雑感
 一頃、高齢者には使用すべきでない薬剤というのが話題になったが、それとは関係がないのだが、添付文書で、高齢者に禁忌とされている薬剤というものがあるだろうか。

◆お年寄りは投与量は少量から始めろ、と言われているくらいだからあるに違いない、という意見。

◆そもそも高齢者って、形式的に年齢で決めることはできても、医学的に明快な線引きはできないのだから、壮年がある瞬間から高齢者に変わるわけではないし、そういうものはないのではないか、という意見。
 もしあれば、それまで使っていた薬が、ある日突然、使えないということにもなりかねないのだから。

◆基本的にはないが、例外的にあるのではないか。漠然とそう思う、という意見。


 で、調査してみたら、4成分、関連薬剤が見つかった。

 BG剤であるメトホルミン、ブホルミン製剤は禁忌の一項目に「高齢者」とある。代謝機能が低下してくる高齢者は、乳酸アシドーシスのリスクファクターである。

 シプロヘプタジン塩酸塩製剤では、「老齢の衰弱した患者(「高齢者への投与」の項参照)」と記載されている。

 オキシブチニン塩酸塩製剤では、「衰弱患者又は高齢者の腸アトニー、重症筋無力症の患者[抗コリン作用により、症状を悪化させるおそれがある。]」とある。

 やや枠を広げて、「衰弱した患者」としても、これらの他、グリセリン浣腸、硫酸バリウム製剤、炭酸リチウム錠、フルオレセイン注射液、レスカルミン注が該当する。

 高齢者は、ただちに衰弱している患者ではないので、ある意味、純粋に高齢者に禁忌といえるのはビグアナイド剤だけとなる。

 前期はまだしも、後期高齢者に処方されていることも少なくないだろう。
 年齢だけの理由で疑義照会するのも、厳密にはそうともとれるが、現実的ではないように思われる。高齢者であることに加え、他の禁忌要因やリスクファクターを伴ったときに、疑義照会をするとよいように思われる。
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ビジネスプロフェッショナルの仕事力

2009-04-10 22:50:22 | Book Reviews
「ビジネスプロフェッショナルの仕事力」 岡島悦子・監、日本経済新聞社、2008年6月18日

p.ii ともすると「情報を収集するための生産性を上げること」、すなわち「プロセス」に踊らされ、多くの情報を手にしたものの「情報の海に溺れてしまう人」(何のために情報を収集したのかが、わからなくなってしまう人)」も少なくありません。ビジネスで「結果を出す」ために情報を収集し、活用する、という本来の目的を忘れてしまい、「手段が目的化」してしまっているのです。

p.8 そこ(最終ゴール)まで見据えて、最初の企画フェーズで、「何がこの仕事の目的なのか?」「そのために誰にどう動いてもらったらいいか?」を考えることが最も肝心で、仕事全体に使う思考量のうち50%くらいを、それを考えることに使うべきです。それができていれば、後のHowの部分を考えるのがすごく楽になります。仕事の流れが具体的にイメージできるくらいまで、最初に考えておくことが大事なのです。
 最初の段階で仕事の流れがイメージできるくらい考え抜くことができれば、集めるべき情報量は少なくて済みますし、インプット・アウトプット・レーシオも高まります。

p.72 情報は、結果に結びつく行動が伴って初めて意味があるのです。このように考えると、ビジネスで必要とされる「情報活用力」とは、「情報を結果に結びつく“行動”に転換していく力」と定義することができます。

p.74 情報やデータは、ただやみくもに集めたり、グループウェアや社内ブログで共有したり、一斉配信すればいいというものではありません。大切なのは、どういった目的で何の情報を動かすのかを、リーダーがきっちりと見通していることです。

p.85 チームを高業績に導くリーダーと言うと、カリスマ的な「すごいリーダー」を連想しがちですが、必ずしもそうではありません。重要なのは、部下の心に響くコミュニケーションができること。人を動かす根本にあるものは、相手との信頼関係です。

p.98 しっかりした受け身ってすごくアクティブなんです。でもアクティブになれるほどの受け身を維持するには、まず自分で経験して、何がいいか悪いか、好きか嫌いかを、まず思わなくちゃいけない。この経験の部分ないしに、頭で考えちゃうとだめですね。

p.115 プロフェッショナルの「仕事力」とは、スキル、センス、テクニック、ノウハウといった「技術」だけではありません。これらに、マインド、ハート、スピリット、パーソナリティといった「心得」が伴って、初めて「プロの智恵」と呼ばれるものが身につくのです。この「技術」と「心得」に、さらに「ビジョン」と「志」が伴って、初めて優れたプロフェッショナルになることができるのです。

p.129 これからの時代には、消費者にとってウェブメディアは、企業や社会にクレームを伝えるという「消極的な手段」にはとどまりません。むしろ、これからは、企業と協働して、新たな商品やサービスを生み出す、極めて「積極的な手段」になっていくのです。言葉を換えれば、「消費者」と「企業」が対立的に存在するのではなく、互いに協働して商品やサービスの開発を行う「主客融合」の時代を迎えるのです。

p.138 プロフェッショナルをめざす多くの若い方から質問を受けます。その中で多いのが、「自分は、プロフェッショナルとして、どの道を歩んだらよいのか」という質問です。
 この問いに対して私は、具体的なアドバイスをするのではなく、「ご自身の人生の『原体験』を見つめ直されてはどうでしょうか」とお答えしています。人生を振り返ったとき、心が強く惹かれた体験、心が揺さぶられた体験、魂が震えるような体験、それを見つめ、そうした体験が指し示す進路を選ぶことが、正しい道であると思っているからです。そうした原体験の中で「感じた」道が指し示す道は、なぜか、あまり過たないのです。

p.146 顧客やライバル会社にばかり目を向けることが経営の本道ではないと思います。あくまでも基本は、会社が持っている基本的な経済構造をどう理解するか、これに尽きます。
 まずは「自分の会社が利益を出すにはどうすればいいか」という事業の儲けの基本構造を、机上の空論ではなく、リアルな商売論として理解すること。経営者はそこがわかっていなければいけない。

p.147-8 「会社を成り立たせているコア人材」
 それは「我が社の事業の中心的役割を果たす人物」ではなくて、「誰がその会社の、その事業の、価値を生んでいるか」ということです。

p.157 自分の会社がどういう仕組みで儲かっているか。そのメカニズムにおいて、シェアを伸ばすことに意味があるならそこに注力して、売り上げ至上主義で行けばいい。その瞬間だけはコストなんか気にしなくていいのです。あるいは、シェアを伸ばすことに意味がないと判断すれば、製品一つひとつの売り上げで利益をどう確保するかに集中すればいい。もちろん持続的に会社が政調したほうがいいし、収益基盤も確保できたほうがいいわけですが、一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないというトレードオフの原理を持っているビジネスにおいては、再生状況で両方持ち続けるのが一番危険です。どちらか一つを選ばなければならない。
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【ジェネリック】先発医薬品と「同じ」ですか?(3)

2009-04-09 23:53:01 | ジェネリック de リ・スタート!
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ★ ジェネリック de リ・スタート!
┃  -治療レベルを下げずに、支払いはリーズナブルに-
┠────────────────────────────
┃ 2009.3.29 通巻3号
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 薬剤師のsukeです。

 本メールマガジンは、ジェネリック医薬品(後発医薬品)が
適切に使用されることを目的に話題を提供していきます。


 3月25日に厚生労働省で行われた中央社会保険医療協議会の
診療報酬改定結果検証部会で配布された資料により、ジェネリック
医薬品の使用状況が明らかになりました。

『診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成20 年度調査)
後発医薬品の使用状況調査 結果概要(速報)』
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/03/dl/s0325-8.pdf

 詳細は上記リンク先を見ていただくとして(なんせ、81ページ
もあります!)、主だった数値をご紹介します。

 ○後発医薬品調剤体制加算(いわゆる調剤率)を算定している薬局
   78.6%
 ○すべての医薬品に占める後発医薬品の割合(いわゆる数量ベース)
   27.0%(平均値、平成20 年12 月1 か月間)
 ○後発医薬品調剤に消極的とされる薬局の割合
   33.5%
 ○「変更不可」欄に処方医の署名等が9割以上ある医療機関数の割合
   24.0%


 後発医薬品調剤にあまり積極的ではない薬局の割合が3分の1もあり、
先の日本薬剤師会の公表結果と比較的似た数字であることについては
たいへん残念に思いますが、

 いわゆる数量ベースにおいて、30%にかなり近い数字であることに
ついて、意外というか、ちょっぴりうれしい感じもします。



◆さて今回のテーマは、前回に引き続いて
──────────────────────────────
 ジェネリック医薬品は先発医薬品と「同じ」ですか?
──────────────────────────────

 ブランド品である「本家紀州の梅おにぎり」と、
いわゆるその“後発品”にあたる「特選梅のおにぎり」が並んで
おり、あなたはどちらを買おうか迷います。

 あらためて、両者のプロフィルを紹介しますと

【本家紀州の梅おにぎり】
製造販売:由緒ある大規模な農園
梅:苦労して栽培した紀州のブランド梅
その他の材料:その農園が選んだ米、海苔、塩、等
握り方:試行錯誤を繰り返した末の方法
評価:本家
価格:名の通った他の梅のおにぎり並み(高い)

【特選梅のおにぎり】
製造販売:一般の者にはあまり知られていない小規模農家
梅:ある一定の環境(基準)で栽培された梅
その他の材料:その農家が選定した米、海苔、塩、等
握り方:本家の出来上がりを参考にした方法で、
   若干のオリジナリティを持たせていることもある
評価:特選
価格:手ごろ(安い)


 おにぎりですから“試食”も出していないでしょうし、
試しに「特選」を買ってみてもいいのですが、
お店の人に違いを尋ねてみることにします。

 「お店の人」「店員」、そう、くすりでいえば「薬剤師」に当たります。

私「あのぅ、「本家」と「特選」ってどう違うのですか?」

店「いらっしゃいませ、これまでに「特選」は召し上がったことは
 ございませんでしょうか?」

私「ええ、これまでは「特選」があることを知らなくて、それに
 祖母は「本家」が気に入っていたものですから。
  今日、たまたま「特選」があることを知って、どちらを買おうか、
 迷っているんです」

店「そうでしたか、どちらも梅のおにぎりで、同じようにきちんと
 栽培された梅を使って、本家に匹敵するおいしさなんですよ」

私「なるほど、紀州の梅かどうか知らないけど、本家で使われている
 梅もそれなりに育てられたものなんですね」

店「はい、同じ農園で作られたものではありませんが、梅そのものは
 大きさも味もまったく同じですよ」

私「それはいいですね。でも、おにぎりってタネも大事だけど、
 ご飯や海苔などが違えばおいしさも変わってしまうんじゃないの?」

店「確かに、いくら梅だけ比べれば同じと言っても、ご飯や海苔など
 までは同じものを使っていないので、そういう点では同じおにぎり
 とは言えませんね。

  ですが、そのご飯も海苔も、ある一定の基準をクリアしたものを
 使用しており、梅のおにぎりとしては同等にご満足いただけるものと
 思っております」

私「この店で「特選」を買っていかれるお客さんはどのくらいいますか?」

店「店先に並べ始めてからひと月ほど経ちますが、毎日10名ほどの
 お客様がお買い求めいただいております。中には、引き続いて「特選」
 を手にされるかたもいますよ」

私「そうですか、そりゃ食品として販売が認められているものですから
 おにぎりとしては最低限「本家」と同じであると考えていいのでしょう。
 「特選」に変えてはみたら、どうも口に合わないような気がするとか、
 やはり「本家」がいいとか、そういうかたはいませんか?」

店「お買いになられる際に、安いと知って手にはとってみるのですが、
 食べてみないとおいしいかどうかわからないといって、迷ったあげく
 今回も「本家」にしておく、というかたはいらっしゃいますよ」

私「なるほど。1個当たりの値段は大きく違うわけではないですけど、
 何個も買ったり、今後も買うことを思うと、やがてまとまった差額
 になるんでしょうね」

 ・
 ・
 ・

 当初あった不安は少しずつ和らいできたようですが、完全にスッキリ
したということではないようです。

 まだ何に“引っ掛かって”いるのでしょうか。
 さらにこの不安を減らすにはどうしたらよいのでしょうか。

 これについては、今後考えていきたいと思います。


============================================================
◇ 当面、週1回くらいのペースで続けていく予定です。

◇本メールマガジンをお読みになられて、ご感想やご質問等があれば
 お知らせください(下記参照)。
  本メールマガジンにて、回答の参考となるテーマで応えて
 いきたいと思います。

◇ ジェネリックをメインにしますが、「くすり」全般について
 触れていくことも視野に入れています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 メールマガジン 【ジェネリック de リ・スタート!】

■発行 : みたキタ企画
■発行人: suke
■ご感想やご質問等はこちらまで  tamsuke@gmail.com
 (@は小文字の「@」に変えてお送りください)
------------------------------------------------------------
■発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
■配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000286496.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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サバイバル・キャリア術

2009-04-09 23:15:02 | Book Reviews
本田式 サバイバル・キャリア術」 本田直之・著、幻冬舎、2009年3月20日

p.59 グローバリズムの波に洗われ、最近のように企業の業績が悪くなってくると、企業はもはや社員のキャリアを守ってくれません。効率化、スリム化、システム化、少人数化。ゆとりがない企業の多くが人員を削減するのは当然の話です。そのような大きなうねりに気づかず、雇われていることに安心し、どっぷりと企業に依存していては、ある日突然、途方に暮れるはめになります。

p.60 時給型の仕事とは、労働した時間に応じて対価を得る仕事です。ある意味、誰がやっても成果に変わりがない業務であり、仕組み化や効率化によって圧縮しやすい部分です。

p.62 「自分は付加価値を生み出す仕事をしているだろうか? 今やっている仕事は、会社を辞めたとしても自分に依頼される仕事だろうか? そのとき、その仕事はいくらになるだろうか? 自分が会社からもらっている給与以上を稼げるだろうか?」と、常に冷静に自問し続けることが大切です。

p.82 私は、二十代から三十代前半までは特に、「会社で働くとは投資である」という認識を持つべきだと考えています。

p.83 「MBAを持っているのだから、最低でも年収一〇〇〇〇万円はもらわないと」と驚く知人もいましたが、私は、長期的に見て確実なリターンがあるのは、目先の年収より「学び」だと考えていました。

p.84 特に若いうちの会社選びは、「十年間はコーポレート・キャリアに自分の時間を投資する。その間に、パーソナル・キャリアの種をまく」という長期的視点が重要なのです。

p.109 学校を卒業したばかりの白紙状態の新人を採用して、社会人マナーから仕事に直接関係する専門知識まで、手厚く社員教育を施すのが、日本企業の特徴でした。
 しかしこれからは社員を自社用にカスタマイズするための教育。パーソナル・キャリアにつながるポータブル・スキルは、自分で主体的に勉強していかなければ身につきません。

p.116 そもそも給料の額を決めているのは他人です。前に述べたように、会社員の給料は、個人の実体価値の反映ではなく、景気の都合、会社の都合でいくらでも変動する市場価値にすぎません。

p.158-9 サバイバル時代は、たんにお金を持っているよりも個のスキルを持っているほうが有利な時代です。どんなことがあっても生き抜ける力、一生楽しめるパーソナル・キャリアを極めていくことが、何よりも豊かな人生だと、私は考えます。
 つまり、パーソナル・キャリアを積み上げていく糧となる転職が、私の考える最も理想的な転職です。
 自分に、今後必要なスキルは何か。それは現在の仕事で得られるのか、得られないのか。その転職先では、求めているスキルを本当に身につけることができるのか。

p.169-170 三つの思考停止ワードを禁句にする。
 ①「~が悪い」
 ②「~だからできない」
 ③「忙しい」

p.170 「会社が悪い」と考えるのは、前述したとおり、ある種の会社依存、言い換えれば「外部要因思考」です。しかし人の心を変えることができないのと同様、会社というものも基本的には変わりません。だとしたら、外部要因思考をしていても、問題は何一つ解決しません。

p.173 サバイバル時代はやることがたくさんあって当たり前です。タイムマネジメントはすえべてのスキルの基本です。よく「忙しい」ことを得意げに吹聴する人がいますが、それはタイムマネジメントができていないことを公言するようなものです。

p.194 不況がきっかけになって、外見をよく見せることにエネルギーを注いでも何も残らない。大事なのは目に見えない内面、本質を鍛えていくことだということに、多くの人がきづいたからです。
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ヒドロクロロチアジド12.5mg

2009-04-08 23:10:55 | よくわからないこと
 ジェネリック全盛で、先発品にない剤形や規格(半量や倍量)まで製造販売されるにもかかわらず、なぜか製造されていないのが「ヒドロクロロチアジド錠12.5mg」。
 先発品の25mg錠が1錠6.9円だから、薬価が安すぎるという理由がまず挙げられよう。しかし使われるのなら作るはず。その好例が低用量アスピリン錠。

 ARB+ヒドロクロロチアジドの合剤が「新薬」として次々と販売されている。合剤は、2種類服用するより手間がかからないからコンプライアンスがいいと言うはその通りであろうが、ジェネリック対策であるのは明白。延命措置のように映る。

 先発品が25mg錠しかないので、12.5mgを追加しようとするとそれを半錠に分割しなければならない。調製する側にとって手間がかかるし、ヒートに収められた錠剤でなく、分割されたものを服用するというのもやや気が引ける。なんだかんだいって合剤が使われてしまいかねない。それも合剤を支持する一助になっているように思われる。

 合剤への移行は新薬シフトであり、ジェネリックの使用促進とは反対の方向に向かう。やがてARBがジェネリックに移行した際に12.5mg錠があったら、2種飲むことにはなるが、自己負担は抑えられる。医療費抑制になる。

 今は販売準備の段階で、ARBのジェネリック移行のタイミングを待っているだけなのかもしれない。
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人と違うことをやれ!

2009-04-08 22:21:48 | Book Reviews
「人と違うことをやれ! いまの仕事に大変革を起こす“6つの戦略” 堀紘一・著、PHP文庫、2009年1月22日

p.33 ソニーは「自由豁達ニシテ愉快ナル理想工場」の中で、お互いに気をつかいあうこともなく、社長、上司、部下の垣根を越えて侃々諤々、意見をぶつけあい、新しい創造に頭を絞りあった。今でも社長のことを平社員までみんな「さん」付けで呼ぶ。
 誰も「社長」「常務」なんて言い方はしない。

p.79-80 ただ目的を持ち、それに向かって必死になって勉強するだけでは、成功のチャンスの花は決して大きく開かないのが現実のビジネス社会の常である。それを周囲に認知させるために自らアピールしていく戦略がいる。頭を働かせて効果的な自己主張の方法を考えだし、実行していかなければ、大勢いるライバルたちの中で自分の存在感や価値を認めさせることはなかなかできない。

p.96-7 ビジネスでいちばん大事なことは、何が問題なのかを考えることなのだ。経営者やリーダーにとって解決策は大した問題ではない。そんなものは部下に任せればいいことだ。指導的立場に立つような人間は、そんなことよりも何が問題なのかをひたすら考えなければいけない。問題さえわかれば必ず試行錯誤によって正解に到達できる。だから、大切なことは方法論を学ぶことではなく、何が問題かということを常に考える思考力を養うことなのだ。

p.136 情報化時代というが、私はこれを情報禍時代と書き換えたほうがいいと思っている。情報が多すぎて、仕事や生活に生かすどころか、それに振り回されて右往左往している人がいる。次から次へと押し寄せてくる情報をただ斜め読みした程度でわかったつもりになるから、深く考えることをしない。情報化時代が進めば進むほど情報公害に蝕まれる人間が増えてくる。

p.136-7 だから、この情報氾濫時代を「情報民主主義」の時代とも呼んでいる。
 情報民主主義というのは情報へのアクセスに関しては機会均等をもたらしてくれるが、その結果としての平等は保証してくれない。しっかりとした問題意識を持ち、必要な情報を組み立て、分析して新しい答えを出せる人間だけがチャンスを握ることができるのだ。

p.138 情報というものは、最終的に何か自分の生活やビジネスに役立たなければ意味がない。ある情報から何かを読み取り、自分の考え方や作戦を加えてそれに従って行動する。その結果、何らかの効果が出てリターンを得る。そうでなければただマニアックに知識を一人密かに溜めこんだりひけらかすだけになってしまうので、私は好きではない。

p.187 「あなたならでは」の発想というのは、決して「あなたらしい」発想と同じではない。「あなたのこれまでの経験や学習をフルに生かした、独自のまったく新しい着想」という意味だ。

p.189 人間というのは、どうしてもただ目先の評価だけを気にして自分の意見を言おうとしがちになる。だが、それは違うと私は思う。戦略を立てる時のように五年先、十年先のことを考えて、というのも違うと思う。価値基準などというものは、極端に言えば生涯を通じて自分が正しいと思ったことは貫きとおす、つまり他人よりも前に自分が自分を評価できるかどうかというところにまずは置くべきなのではあるまいか。

p.258 二十代でライフスタイルとか価値観を固めてどうするのだ。これは私流の言葉でいえば、「学習放棄」である。学習意欲は、ビジネス社会の中で最も要求される個人の資質である。信頼と評価を高めるための絶対条件である。

p.264-5 最近の若い人は、「これやってよ」と仕事を頼むと「できません。まだ教わっていませんから」とはじめから断ってくるような傾向が強い。こういう姿勢に対しては、「教わらなければできないのか。教えてできるんだったら、パートやアルバイトにやらせたほうがよほどいい」というのが私の論理である。

p.266 (「働く」という字の)にんべんは、「動く」の左横についているのだ。先に頭を使わなくてはならない。
 昨日と同じことをやるのは、作業という。マニュアルどおりに動くだけでは、単に作業しただけで、機械並みの役にしか立たないのである。動く前に、どうすればこれまでと違った仕事ができるかを考えれば、必ずいろいろなアイデアが生まれてくる。

p.285 「自分の常識は相手の非常識」
 
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コンコーダンス

2009-04-07 22:33:11 | 思いつくまま
 JSH2009に関する勉強会に参加。
 その中で「コンコーダンス」という部分について解説がなされた。「疾病について十分な知識をもった患者が自己の疾病管理のパートナーとして参加し、医師と患者が合意に達した治療を行う」と書かれている。口頭では、患者と医療者の協働作業で知識のギャップを埋めながら治療を進める・・・、と説明された。

 そういえば、コンコーダンス指向くすりのしおりでも、高血圧編が公表されていた。

 「患者がパートナーとして参加する」という表現がやや気にはなったが、患者参加型医療とか、患者中心の医療という考え方がそのままあてはまりそうな気がした。

 ジェネリックの使用促進もそうだ。患者を抜きに進めるものではないし、一緒になって医療者が支えて適切な使用を進めていくものだ。コンコーダンスという意味がまだ馴染みはないが、むしろ概念のほうが先行して浸透しているように思えた。
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無痛

2009-04-07 22:08:22 | Book Reviews
「無痛」 久坂部羊・著、幻冬舎文庫、2008年9月25日
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「命」の文字

2009-04-06 22:31:03 | JR西に学べ
菜の花畑に浮かぶ「命」の文字 4月6日9時45分配信 時事通信

JR福知山線の脱線事故現場近くで、満開の菜の花畑に浮かび上がる、緑色の「命」の文字。正体はダイコンの葉。菜の花が散るころには、ダイコンの白い花が咲き、今度は緑の中に白い文字が現れる仕掛け

 4年経っても遺族は故人を忘れることはないが、福知山線の脱線事故を起こしたJR西日本に対して、「命」の花文字でメッセージを送るとは、それだけこの事故の本質をJR西日本側は理解していないのではないかと思えてならない。

 このような行動は見方によっては、今でも風化させてなるものかといった怨念の執拗さを感じさせ、恐いようにも見える。いやそれだけこの事故は起こってみて、起こるべくして起こったと思われ、過去に類をみない人災であることを映し出しているようだ。

 菜の花やダイコンの花なんて繊細で純粋な美しさを持つ花なのに、そこに込められた遺族の無念さとは、似つかわしくもないだけに落差の大きさを余計に際立たせる。当時の上層部、そしてその血筋をひく今の上層部、JR西日本の体質と遺族の思い。

 被害者から見れば謝罪になっていない謝罪や事故補償が、さらに溝の深さを増してしまっているように思われる。
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