何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

【ジェネリック】先発医薬品と「同じ」ですか?(3)

2009-04-09 23:53:01 | ジェネリック de リ・スタート!
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┃ ★ ジェネリック de リ・スタート!
┃  -治療レベルを下げずに、支払いはリーズナブルに-
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┃ 2009.3.29 通巻3号
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 薬剤師のsukeです。

 本メールマガジンは、ジェネリック医薬品(後発医薬品)が
適切に使用されることを目的に話題を提供していきます。


 3月25日に厚生労働省で行われた中央社会保険医療協議会の
診療報酬改定結果検証部会で配布された資料により、ジェネリック
医薬品の使用状況が明らかになりました。

『診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成20 年度調査)
後発医薬品の使用状況調査 結果概要(速報)』
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/03/dl/s0325-8.pdf

 詳細は上記リンク先を見ていただくとして(なんせ、81ページ
もあります!)、主だった数値をご紹介します。

 ○後発医薬品調剤体制加算(いわゆる調剤率)を算定している薬局
   78.6%
 ○すべての医薬品に占める後発医薬品の割合(いわゆる数量ベース)
   27.0%(平均値、平成20 年12 月1 か月間)
 ○後発医薬品調剤に消極的とされる薬局の割合
   33.5%
 ○「変更不可」欄に処方医の署名等が9割以上ある医療機関数の割合
   24.0%


 後発医薬品調剤にあまり積極的ではない薬局の割合が3分の1もあり、
先の日本薬剤師会の公表結果と比較的似た数字であることについては
たいへん残念に思いますが、

 いわゆる数量ベースにおいて、30%にかなり近い数字であることに
ついて、意外というか、ちょっぴりうれしい感じもします。



◆さて今回のテーマは、前回に引き続いて
──────────────────────────────
 ジェネリック医薬品は先発医薬品と「同じ」ですか?
──────────────────────────────

 ブランド品である「本家紀州の梅おにぎり」と、
いわゆるその“後発品”にあたる「特選梅のおにぎり」が並んで
おり、あなたはどちらを買おうか迷います。

 あらためて、両者のプロフィルを紹介しますと

【本家紀州の梅おにぎり】
製造販売:由緒ある大規模な農園
梅:苦労して栽培した紀州のブランド梅
その他の材料:その農園が選んだ米、海苔、塩、等
握り方:試行錯誤を繰り返した末の方法
評価:本家
価格:名の通った他の梅のおにぎり並み(高い)

【特選梅のおにぎり】
製造販売:一般の者にはあまり知られていない小規模農家
梅:ある一定の環境(基準)で栽培された梅
その他の材料:その農家が選定した米、海苔、塩、等
握り方:本家の出来上がりを参考にした方法で、
   若干のオリジナリティを持たせていることもある
評価:特選
価格:手ごろ(安い)


 おにぎりですから“試食”も出していないでしょうし、
試しに「特選」を買ってみてもいいのですが、
お店の人に違いを尋ねてみることにします。

 「お店の人」「店員」、そう、くすりでいえば「薬剤師」に当たります。

私「あのぅ、「本家」と「特選」ってどう違うのですか?」

店「いらっしゃいませ、これまでに「特選」は召し上がったことは
 ございませんでしょうか?」

私「ええ、これまでは「特選」があることを知らなくて、それに
 祖母は「本家」が気に入っていたものですから。
  今日、たまたま「特選」があることを知って、どちらを買おうか、
 迷っているんです」

店「そうでしたか、どちらも梅のおにぎりで、同じようにきちんと
 栽培された梅を使って、本家に匹敵するおいしさなんですよ」

私「なるほど、紀州の梅かどうか知らないけど、本家で使われている
 梅もそれなりに育てられたものなんですね」

店「はい、同じ農園で作られたものではありませんが、梅そのものは
 大きさも味もまったく同じですよ」

私「それはいいですね。でも、おにぎりってタネも大事だけど、
 ご飯や海苔などが違えばおいしさも変わってしまうんじゃないの?」

店「確かに、いくら梅だけ比べれば同じと言っても、ご飯や海苔など
 までは同じものを使っていないので、そういう点では同じおにぎり
 とは言えませんね。

  ですが、そのご飯も海苔も、ある一定の基準をクリアしたものを
 使用しており、梅のおにぎりとしては同等にご満足いただけるものと
 思っております」

私「この店で「特選」を買っていかれるお客さんはどのくらいいますか?」

店「店先に並べ始めてからひと月ほど経ちますが、毎日10名ほどの
 お客様がお買い求めいただいております。中には、引き続いて「特選」
 を手にされるかたもいますよ」

私「そうですか、そりゃ食品として販売が認められているものですから
 おにぎりとしては最低限「本家」と同じであると考えていいのでしょう。
 「特選」に変えてはみたら、どうも口に合わないような気がするとか、
 やはり「本家」がいいとか、そういうかたはいませんか?」

店「お買いになられる際に、安いと知って手にはとってみるのですが、
 食べてみないとおいしいかどうかわからないといって、迷ったあげく
 今回も「本家」にしておく、というかたはいらっしゃいますよ」

私「なるほど。1個当たりの値段は大きく違うわけではないですけど、
 何個も買ったり、今後も買うことを思うと、やがてまとまった差額
 になるんでしょうね」

 ・
 ・
 ・

 当初あった不安は少しずつ和らいできたようですが、完全にスッキリ
したということではないようです。

 まだ何に“引っ掛かって”いるのでしょうか。
 さらにこの不安を減らすにはどうしたらよいのでしょうか。

 これについては、今後考えていきたいと思います。


============================================================
◇ 当面、週1回くらいのペースで続けていく予定です。

◇本メールマガジンをお読みになられて、ご感想やご質問等があれば
 お知らせください(下記参照)。
  本メールマガジンにて、回答の参考となるテーマで応えて
 いきたいと思います。

◇ ジェネリックをメインにしますが、「くすり」全般について
 触れていくことも視野に入れています。
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サバイバル・キャリア術

2009-04-09 23:15:02 | Book Reviews
本田式 サバイバル・キャリア術」 本田直之・著、幻冬舎、2009年3月20日

p.59 グローバリズムの波に洗われ、最近のように企業の業績が悪くなってくると、企業はもはや社員のキャリアを守ってくれません。効率化、スリム化、システム化、少人数化。ゆとりがない企業の多くが人員を削減するのは当然の話です。そのような大きなうねりに気づかず、雇われていることに安心し、どっぷりと企業に依存していては、ある日突然、途方に暮れるはめになります。

p.60 時給型の仕事とは、労働した時間に応じて対価を得る仕事です。ある意味、誰がやっても成果に変わりがない業務であり、仕組み化や効率化によって圧縮しやすい部分です。

p.62 「自分は付加価値を生み出す仕事をしているだろうか? 今やっている仕事は、会社を辞めたとしても自分に依頼される仕事だろうか? そのとき、その仕事はいくらになるだろうか? 自分が会社からもらっている給与以上を稼げるだろうか?」と、常に冷静に自問し続けることが大切です。

p.82 私は、二十代から三十代前半までは特に、「会社で働くとは投資である」という認識を持つべきだと考えています。

p.83 「MBAを持っているのだから、最低でも年収一〇〇〇〇万円はもらわないと」と驚く知人もいましたが、私は、長期的に見て確実なリターンがあるのは、目先の年収より「学び」だと考えていました。

p.84 特に若いうちの会社選びは、「十年間はコーポレート・キャリアに自分の時間を投資する。その間に、パーソナル・キャリアの種をまく」という長期的視点が重要なのです。

p.109 学校を卒業したばかりの白紙状態の新人を採用して、社会人マナーから仕事に直接関係する専門知識まで、手厚く社員教育を施すのが、日本企業の特徴でした。
 しかしこれからは社員を自社用にカスタマイズするための教育。パーソナル・キャリアにつながるポータブル・スキルは、自分で主体的に勉強していかなければ身につきません。

p.116 そもそも給料の額を決めているのは他人です。前に述べたように、会社員の給料は、個人の実体価値の反映ではなく、景気の都合、会社の都合でいくらでも変動する市場価値にすぎません。

p.158-9 サバイバル時代は、たんにお金を持っているよりも個のスキルを持っているほうが有利な時代です。どんなことがあっても生き抜ける力、一生楽しめるパーソナル・キャリアを極めていくことが、何よりも豊かな人生だと、私は考えます。
 つまり、パーソナル・キャリアを積み上げていく糧となる転職が、私の考える最も理想的な転職です。
 自分に、今後必要なスキルは何か。それは現在の仕事で得られるのか、得られないのか。その転職先では、求めているスキルを本当に身につけることができるのか。

p.169-170 三つの思考停止ワードを禁句にする。
 ①「~が悪い」
 ②「~だからできない」
 ③「忙しい」

p.170 「会社が悪い」と考えるのは、前述したとおり、ある種の会社依存、言い換えれば「外部要因思考」です。しかし人の心を変えることができないのと同様、会社というものも基本的には変わりません。だとしたら、外部要因思考をしていても、問題は何一つ解決しません。

p.173 サバイバル時代はやることがたくさんあって当たり前です。タイムマネジメントはすえべてのスキルの基本です。よく「忙しい」ことを得意げに吹聴する人がいますが、それはタイムマネジメントができていないことを公言するようなものです。

p.194 不況がきっかけになって、外見をよく見せることにエネルギーを注いでも何も残らない。大事なのは目に見えない内面、本質を鍛えていくことだということに、多くの人がきづいたからです。
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