何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

抜擢される人の人脈力

2009-04-13 22:37:02 | Book Reviews
「抜擢される人の人脈力」 岡島悦子・著、東洋経済新報社、2008年12月25日

p.44 自分の志向やスキルをタグにする人の場合には、本来は、自分の信念や使命感といったものとどこかで結びついていないと、説得力の弱いタグになってしまいます。

p.67 あなたが、どのような意欲と学習能力と結果を出す力を持っているのか、どんな貢献ができそうなのかなど、あなたのポテンシャル(潜在能力)を信じるだけの材料が相手に伝わっていなければ、「機会」が出現した時に、あなたの名前は思い出してもらえないのです。
 重要なことは、「他薦」だからといって、運任せにしないということです。自分から動く方法はあるのです。あなたの名前が想起され、適切な推薦理由とともに「他薦」をしてもらえるように、能動的に仕掛けていく、という方法をとらなければなりません。

p.72 これからの新しい人脈構築の形とは、お互いにビジネス上で貢献をしながら、ギブ&テイクが成立する前提で、一緒に成長していける関係のことを指しています。対等の関係で情報を交換し、相互に「チャンス」を融通しあえる「仲間」や「同志」と言い換えてもいいでしょう。

p.101 「がんばっていれば誰かが自分を見出してくれる」という可能性があることは否定しませんが、ビジネスの様式が日本型から欧米型に移り変わりつつある現在、個々人にアカウンタビリティ(説明責任)が求められており、「そのうち誰かが見つけてくれる・・・・・」と受け身でいることには、リスクがあるように思います。

p.103 キャリア・デザインではなく、キャリア・ドリフト(漂流)という概念(キャリア計画を立て過ぎず、やりたいことだけを明確にした上で、漂流しながら実力を蓄積しておき、来たチャンスという波をしっかりと捉まえる)が主流になってきています。

p.104 抜擢の局面では、多くの場合、推薦者は「この人ならできるかもしれない」という仮説に基づいて抜擢するか否かを判断します。たとえば、未経験の仕事であっても、「このチャンスはその人のアスピレーション(野望)と合致しているから、今まで以上に努力ができ、成果を出せるのではないか」、という仮説が持てれば、抜擢を行うわけです。

p.106 自分のタグに説得力を持たせるためには「自分のタグ」を作る作業の中で、自分を突き動かしている原体験や価値観といったものは何なのか、ということを掘り下げる機会を作ることも、ここでお勧めしておきたいと思います。

p.109 そこで重要になるのが、「販売促進」ではなく「購買支援」の発想です。ここで言う「販売促進」の発想とは、「こんなにいい商品があるので、ぜひ買ってください」というアピール方法のこと。一方の「購買支援」は、「いまこういうものを求めていませんか? だったらこれがお勧めですよ」というやり方です。

p.119 どうすれば品よくアピールできるのかといえば、それは「コミュニティに貢献しながら、それをさりげなくアピールする」ことです。

p.175-6 (勉強会や交流の場において)理想的なのは、参加者全員が「Commit or Die(貢献せよ。さもなくば去れ)」の共通認識を明確にしていることです。さらに、議論のクオリティに対してお互いに厳しい目を持っている状態が望まれます。

p.243 若い方々にとっては、「使命感を感じること」とは、つまり「自分が好きなこと、興味を持てること」の延長線上にある、と言うほうがわかりやすいかもしれません。「自分の好きなことには、最も熱中できる」と思っていますし、実際に多くの経営のプロの方々の仕事ぶりを見ていてもそう思えます。

p.255 「プロとしてお金をもらって働くのなだら、仕事はつらくて当たり前」と主張する方もいます。私も、真剣に仕事をして成果を出すことは必要だと思っています。しかしながら、つらい仕事や、自分が興味・関心のない「前のめり」になって取り組めない仕事で、本当に成果を出せるのか、そして「それでもがんばる」のは持続可能な努力なのか、については疑問だと思っています。

p.255 「自分の使命感に合った仕事で、自分が貢献できている」という状態ほど、知的好奇心を満たし、充実感を味わい続けられることは、他にはなかなかないのではないでしょうか。
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「患者の希望」を盾にとる

2009-04-13 18:28:20 | 薬局経営
 三条総合病院の院外処方引き上げに関連し、ドラッグマガジン4月号が解説している。

 それによると、
○問われているのは、医薬分業であると。
 (p.23 現在の医薬分業とは医療機関の都合によって、いつでも、どこでも終焉を迎えてしまう瀬戸際に立っている)

○三条総合病院の行動によって問われているものを誤解していないか。
 (p.23 たんに「病院と門前薬局の問題」と矮小化された解釈がなされた結果)
 (p.23 「門前薬局の問題は調剤チェーンの問題」という割り切った捉え方があるとしたら・・・)

○薬局は、医薬分業による医療の質の改善を国民に提示せよ。
 (p.24 医療機関の経営の論理に勝るものはない)

○医薬分業は「国民のためだけに存在する」ものであるべき。
 (p.24 医療の質を高める「手段」のはずの医薬分業が、いつの間にか「目的」と化していないか)
 (p.24 仮面をかぶった「目的」を得るために、人知れないグレーゾーンはないか)


 また同誌には、厚生連の担当理事へのインタビューも掲載されている。それによると、患者希望に基づいて行うという判断であると繰り返している。裏返せば、患者が院内を希望したのは、患者にそう思わせた保険薬局に原因があるということのようだ。
 
 事前アンケートでは、患者の利便性、経済的負担の軽減を出していたにもかかわらず、そういうことには一切触れていないと、矛盾した記載も見られる。
 
 また病院の収益次第では、院外に出すこともあるといい、患者の利益第一を考えているとは言い難いところも見られる。

 この記事を読み、改めて自分たちの利益確保が根底にありながら、患者希望を盾にした医薬分業という安全確保の仕組みを踏みにじるような事態であると思う。
 患者のためになっていないというのなら、保険薬局側にそのメリットを実感できるように質を高めろと苦言を呈すればよいのであって、その仕組みをご破算にするという判断には問題があるように思われる。
 
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