何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

高齢者に禁忌の薬剤

2009-04-10 23:28:00 | くすり雑感
 一頃、高齢者には使用すべきでない薬剤というのが話題になったが、それとは関係がないのだが、添付文書で、高齢者に禁忌とされている薬剤というものがあるだろうか。

◆お年寄りは投与量は少量から始めろ、と言われているくらいだからあるに違いない、という意見。

◆そもそも高齢者って、形式的に年齢で決めることはできても、医学的に明快な線引きはできないのだから、壮年がある瞬間から高齢者に変わるわけではないし、そういうものはないのではないか、という意見。
 もしあれば、それまで使っていた薬が、ある日突然、使えないということにもなりかねないのだから。

◆基本的にはないが、例外的にあるのではないか。漠然とそう思う、という意見。


 で、調査してみたら、4成分、関連薬剤が見つかった。

 BG剤であるメトホルミン、ブホルミン製剤は禁忌の一項目に「高齢者」とある。代謝機能が低下してくる高齢者は、乳酸アシドーシスのリスクファクターである。

 シプロヘプタジン塩酸塩製剤では、「老齢の衰弱した患者(「高齢者への投与」の項参照)」と記載されている。

 オキシブチニン塩酸塩製剤では、「衰弱患者又は高齢者の腸アトニー、重症筋無力症の患者[抗コリン作用により、症状を悪化させるおそれがある。]」とある。

 やや枠を広げて、「衰弱した患者」としても、これらの他、グリセリン浣腸、硫酸バリウム製剤、炭酸リチウム錠、フルオレセイン注射液、レスカルミン注が該当する。

 高齢者は、ただちに衰弱している患者ではないので、ある意味、純粋に高齢者に禁忌といえるのはビグアナイド剤だけとなる。

 前期はまだしも、後期高齢者に処方されていることも少なくないだろう。
 年齢だけの理由で疑義照会するのも、厳密にはそうともとれるが、現実的ではないように思われる。高齢者であることに加え、他の禁忌要因やリスクファクターを伴ったときに、疑義照会をするとよいように思われる。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビジネスプロフェッショナルの仕事力

2009-04-10 22:50:22 | Book Reviews
「ビジネスプロフェッショナルの仕事力」 岡島悦子・監、日本経済新聞社、2008年6月18日

p.ii ともすると「情報を収集するための生産性を上げること」、すなわち「プロセス」に踊らされ、多くの情報を手にしたものの「情報の海に溺れてしまう人」(何のために情報を収集したのかが、わからなくなってしまう人)」も少なくありません。ビジネスで「結果を出す」ために情報を収集し、活用する、という本来の目的を忘れてしまい、「手段が目的化」してしまっているのです。

p.8 そこ(最終ゴール)まで見据えて、最初の企画フェーズで、「何がこの仕事の目的なのか?」「そのために誰にどう動いてもらったらいいか?」を考えることが最も肝心で、仕事全体に使う思考量のうち50%くらいを、それを考えることに使うべきです。それができていれば、後のHowの部分を考えるのがすごく楽になります。仕事の流れが具体的にイメージできるくらいまで、最初に考えておくことが大事なのです。
 最初の段階で仕事の流れがイメージできるくらい考え抜くことができれば、集めるべき情報量は少なくて済みますし、インプット・アウトプット・レーシオも高まります。

p.72 情報は、結果に結びつく行動が伴って初めて意味があるのです。このように考えると、ビジネスで必要とされる「情報活用力」とは、「情報を結果に結びつく“行動”に転換していく力」と定義することができます。

p.74 情報やデータは、ただやみくもに集めたり、グループウェアや社内ブログで共有したり、一斉配信すればいいというものではありません。大切なのは、どういった目的で何の情報を動かすのかを、リーダーがきっちりと見通していることです。

p.85 チームを高業績に導くリーダーと言うと、カリスマ的な「すごいリーダー」を連想しがちですが、必ずしもそうではありません。重要なのは、部下の心に響くコミュニケーションができること。人を動かす根本にあるものは、相手との信頼関係です。

p.98 しっかりした受け身ってすごくアクティブなんです。でもアクティブになれるほどの受け身を維持するには、まず自分で経験して、何がいいか悪いか、好きか嫌いかを、まず思わなくちゃいけない。この経験の部分ないしに、頭で考えちゃうとだめですね。

p.115 プロフェッショナルの「仕事力」とは、スキル、センス、テクニック、ノウハウといった「技術」だけではありません。これらに、マインド、ハート、スピリット、パーソナリティといった「心得」が伴って、初めて「プロの智恵」と呼ばれるものが身につくのです。この「技術」と「心得」に、さらに「ビジョン」と「志」が伴って、初めて優れたプロフェッショナルになることができるのです。

p.129 これからの時代には、消費者にとってウェブメディアは、企業や社会にクレームを伝えるという「消極的な手段」にはとどまりません。むしろ、これからは、企業と協働して、新たな商品やサービスを生み出す、極めて「積極的な手段」になっていくのです。言葉を換えれば、「消費者」と「企業」が対立的に存在するのではなく、互いに協働して商品やサービスの開発を行う「主客融合」の時代を迎えるのです。

p.138 プロフェッショナルをめざす多くの若い方から質問を受けます。その中で多いのが、「自分は、プロフェッショナルとして、どの道を歩んだらよいのか」という質問です。
 この問いに対して私は、具体的なアドバイスをするのではなく、「ご自身の人生の『原体験』を見つめ直されてはどうでしょうか」とお答えしています。人生を振り返ったとき、心が強く惹かれた体験、心が揺さぶられた体験、魂が震えるような体験、それを見つめ、そうした体験が指し示す進路を選ぶことが、正しい道であると思っているからです。そうした原体験の中で「感じた」道が指し示す道は、なぜか、あまり過たないのです。

p.146 顧客やライバル会社にばかり目を向けることが経営の本道ではないと思います。あくまでも基本は、会社が持っている基本的な経済構造をどう理解するか、これに尽きます。
 まずは「自分の会社が利益を出すにはどうすればいいか」という事業の儲けの基本構造を、机上の空論ではなく、リアルな商売論として理解すること。経営者はそこがわかっていなければいけない。

p.147-8 「会社を成り立たせているコア人材」
 それは「我が社の事業の中心的役割を果たす人物」ではなくて、「誰がその会社の、その事業の、価値を生んでいるか」ということです。

p.157 自分の会社がどういう仕組みで儲かっているか。そのメカニズムにおいて、シェアを伸ばすことに意味があるならそこに注力して、売り上げ至上主義で行けばいい。その瞬間だけはコストなんか気にしなくていいのです。あるいは、シェアを伸ばすことに意味がないと判断すれば、製品一つひとつの売り上げで利益をどう確保するかに集中すればいい。もちろん持続的に会社が政調したほうがいいし、収益基盤も確保できたほうがいいわけですが、一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないというトレードオフの原理を持っているビジネスにおいては、再生状況で両方持ち続けるのが一番危険です。どちらか一つを選ばなければならない。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする