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【今日10.17は運命の日?】アメリカは本当にデフォルトするのか②

2013-10-17 00:03:48 | アメリカ

(前回からの続き)

 「まさか・・・」とは思いつつも、アメリカが本気で債務不履行(デフォルト)した場合、いちばんコワいのが世界の金融システムへの影響でしょう。当然、米国債を多数保有している各国政府・中銀、そして米国内外の金融機関が大損害を被ります。そしてこれらが発行している債券類にデフォルトの連鎖が起こります。さらにそれがデリバティブの大々的な決済を促して・・・といった具合です。

 先日のブルームバーグニュースによると、国際スワップデリバティブ協会の見通しではアメリカのデフォルトによるCDS(Credit Default Swap:債券がデフォルトとなったときに元本が保証される保険みたいなもの)の支払額は最大で約36億ドル(約3500億円)なのだそうです。アメリカ連邦政府の現状の債務上限額16.7兆ドルに比べると正直「えっ、そんなに少ないの?」という感じがします(本当なのかな?)。

 しかし、これはあくまでも米国債そのものに関する保証額でしょう。上記のように実際には米国債の債務不履行がもたらす他国や民間企業のデフォルトの連鎖により、トータルのCDSの支払額は巨大なものになるのではないでしょうか。そして、2008年のリーマン・ショック直後のAIG(American International Group:アメリカの大手保険会社)がそうだったように、CDSを販売した金融機関が次々に破綻し、それらの結果、世界的な金融恐慌が発生!といった展開も十分に想定されるわけですが・・・。

 さて本日17日は「運命の日」つまり米財務省のお金が尽きてしまう日です。日本時間の16日夜までにはオバマ政権と米議会との妥協は成立せず・・・。オイオイこのままだと本当にそうした金融危機が起こっちゃうよ!?といったところで、さぞかし金融市場では警戒感が高まっているかといえば・・・まったくそんな気配はありません。ドル円レートは1ドル98円台半ば、金価格は1トロイオンス1200ドル台後半、米長期金利は2%台後半、銀行の預金閉鎖等の動きもなし、などと、まったくの「平常モード」といったところ(まだまだ油断は禁物ですが)。上記CDSの料率にも(微妙な上昇はあるものの)大きな変化はない感じ・・・。

 結局、マーケットの認識も本稿冒頭に書いた私の認識と同じなのでしょうね。つまり「どうせいつもの『政治ショー』さ。アメリカがデフォルトなんてするわけないだろ」ということです。デフォルト懸念で売られるどころか、むしろ価格が下がったところで買いを入れようという動きもあるようで、米国債価格は底堅く推移しているもようです(長期金利も安定的に推移)。まあそうなるのでしょうね、現実的には・・・。

 かくして「大山鳴動してねずみ一匹」となるのか・・・。まもなくオバマ政権と議会との協議がまとまるのでしょう(たぶん・・・)。それによってアメリカの債務上限は無事に引き上げられ、心配された米国債のデフォルトは回避されることに。そしてふたたびアメリカは中国からお金を借りることができるようになって市場は「リスク・オン」モードに(?)。めでたし、めでたし・・・って、これが本当に「めでたい」ことなのでしょうか・・・。

(続く)


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