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【パーティーの終わりは近い!?】アメリカ株、バブルの兆し③

2013-11-09 00:04:09 | アメリカ

(前回からの続き)

 そんな株バブルの崩壊をいちばん恐れているのはFRBでしょう。なぜなら、本稿①で書いたように、FRBの金融政策QE3こそがこの株高の真の演出者だからです。アメリカの実体経済にけん引役が見当たらないなか、FRBとしては緩和マネーの供給で株価をつり上げ、その資産効果で景気回復を図ろうという目論見なのでしょう。

 上述のとおり、たしかに米株価は空前の高みにまで舞い上がったけれど、理論的にも感覚的にも、これ以上の高値を追う余地は限られているとみるべきでしょう。毎日毎日、マーケットは株価上昇の理屈を見出そうと必死になっている感じですが、それは投資家の多くが、株が上がり続けないと首が回らなくなるという、借金で相場を張る「火遊び」まがいの危うい状況にあるからではないでしょうか。ということで、皆さん本当にキワドイことをしているな、という印象をぬぐえませんが・・・。

 ・・・などと綴っていたら、6日、またもやアメリカのダウ平均が史上最高値を更新しました(終値15746ドル)! 「おーっ、最高額にふさわしいスゴイ経済指標が出たか!?」と思ったら、そうではなく、案の定(!?)「FRBのQE3縮小開始時期が遠のいたとの観測がマーケットに広がったから」ということのようです。ダウ平均は翌7日にも最高値(取引時間中)を記録しました(終値は反落)。こちらは7~9月期の米GDPの伸びが年率換算で前期比2.8%もの高率となったことが好感されたことによるもの。で、その中身をみると、いちばんのプラス要因は同時期の住宅投資の上昇(対前年同期比で2桁の伸び)。うーん、これまた資産バブル、つまり株と同じく低金利QEマネーで価格の底上げをはかったものとの印象があります。過去を振り返れば分かるとおり、こんなことが長続きするとはとても思えませんが・・・。

 ところでFRBと同じくらい、いや、それ以上にアメリカの株バブル崩壊を恐れているのがわが国の安倍総理と黒田日銀総裁でしょう。なぜならそれによってアメリカの投資家が日本市場で「手仕舞い」を始めたら、わが国の株価の急落は避け難いからです。

 「カブノミクス」などと書いてきたように、お二人が先導する「アベノミクス」唯一(?)の成果は株高です。しかしこれもアメリカ同様、日本企業の業績等を適切に映したものではなく、「アベノミクスで日本経済は良くなりそう」という何とも根拠の乏しい「期待」がもたらしたもの。そしてそれを煽ってきたのが、日本の株式市場で売買シェアの6~7割を占めるアメリカ人などの外国人たち。彼らは本国と同様、ここ日本でも低利の借金でレバレッジをかけるという、短期勝負の相場を張っているものとみられます。アメリカのマーケットと同じく危うい構図―――緩和マネーだけが彼らの命綱ということです・・・。

 ということで、「アベノミクス(カブノミクス)」の株の資産効果は米FRBのQE次第ということになりそうです。こちらの記事に記したように、米経済においては資産バブル以外に景気浮揚の手がないこと、そしてそのために金利上昇は絶対食い止めなくてはならないこと、などから、FRBがQEを止めることはできないと考えています。もしその見通しが正しければ、この後もしばらくはアメリカ、そして日本の株高は続くかも!? で、安倍さん黒田さんも一安心!?

 しかし・・・多くのバブル史が教えるように、そして目の前の借金の山が警告しているように、この「麻薬=QEマネー」パーティーが終わるタイミングが近づいているのは間違いないでしょう。そのとき、つまり株バブルが弾けたとき、真に求められるのは実体経済の健全性・・・さてアメリカ経済はどうなるか、そしてアベノミクスの日本はどうするべきか、なんてことをいまからいろいろシミュレーションしておいたほうがよさそうだ、などと思っています。

(「アメリカ株、バブルの兆し」おわり)


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