秋場所は貴景勝の優勝で幕を閉じました。
再入幕の場所、しかも前回と合わせて幕内2場所目という「ルーキー」が千秋楽まで単独トップで、本割、決定戦と連敗で支配を逃しましたが優勝の星数は11番と、しかも千秋楽の取組前の段階で最大4人が決定戦出場の可能性を残すという混戦は、幕内の優勝争いとは到底言えないわけです。11番が2人、10番が5人というのが上から数えての星勘定というのは、横綱こそ休場ですが3大関3関脇を揃えてこれは無いよ、という悲惨な場所でした。2桁7人のうち三役以上は優勝した貴景勝と、関脇大栄翔の2人だけですから。新大関の豊昇龍は7敗まで追い込まれて千秋楽に勝ち越し、2場所目の霧島も9番と大関とは言えない成績でしたし。
決定戦の内容もまた低レベルな場所を象徴するものでした。熱海富士の左右に飛び跳ねる「奇行」に考え過ぎたのか、貴景勝がなかなか合わせられず、あわや「待った」かという有様。貴景勝が合わさない、という批判が湧いていますが、実は熱海富士が奇怪な行動でなかなか腰を割らなかったのがまずあるわけで、下位力士が失礼な行動とまず批判すべきでしょう。立ってからは下位力士は変化でも何をやってもいいんですが、立ち合いまではお作法がありますよね。
そして貴景勝はマトモに当たりもしない注文相撲です。これは悔しさのあまり涙がこぼれていた熱海富士に同情しますね。快進撃とはいえ本割での直接対決、また千秋楽の朝乃山戦を見ればわかるように、熱海富士はまだ役力士レベルに歯が立たないというのが現実です。ですからまともに受け止めても十分に勝機があったわけで、本割で負けて決定戦、となった時点で熱海富士の優勝はないな、というのが多くの思いだったでしょうに。それを注文相撲です。そりゃ大関の意地もあるでしょうが、返り入幕を相手に変化かよ、というのが率直な感想ですし、賜杯の価値を下げましたね。そしてよしんば来場所も優勝したとしても、2場所連続優勝の内規で綱取りと言えるかどうか。最低タイの11番で、幕内2場所の新鋭を決定戦で下す、しかも変化で勝っての優勝は評価できません。
横綱不在で、大関もぱっとしないなか(貴景勝も中日で3敗、14日目に4敗ですからね)、頭角を現す力士がいないのも気がかりです。熱海富士にしても終わってみれば11番と、下位力士に時折ある大勝ちのパターンに過ぎないわけで、こういう場所に平幕中位から上位で大勝ちする、それこそ平幕優勝をする、という力士、特に若手が出てくると将来が楽しみなんですが、今場所はどんぐりの背比べとなりがちな十両化が顕著で、これもドッチラケです。まあ熱海富士は頑張りましたが、派手なテーピングが気になるところです。解説の北の富士さんが早くから褒めていたのはさすがの慧眼でしたが、故障がちにならねばいいんですが。
三役昇進も両小結との入れ替えだけ。中位以上での大勝ちがいませんから東筆頭で8番の北勝富士と東2枚目で9番の阿炎が順当に上がるのでしょう。西2枚目で9番の朝乃山は東筆頭でしょうか。ここで9番というのは体力の衰えで番付を下げたわけでもないのに戻り切れないと言うしかなく、実力は平幕上位相当ということであり、不祥事が無くても陥落、あるいはカド番と勝ち越しの繰り返しだった可能性が高いです。この「チャンス」をモノにできていないのですから。
十両幕内の入れ替えは面白そうです。幕内の該当者は7人。十両側は上がる星でない力士が数人いますが、東4枚目で8番の欧勝馬あたりまで上げそうです。(あるいは平幕の西13枚目で5番の錦富士を残すかですが、ちょっと運が良すぎるので)
一方幕下十両は幕下を見るといいとこ3人なんですよね。東6枚目で5番の尊富士は通常なら厳しいでしょう。ところが十両は全休の若隆景入れて5人が当確で、幕下次第では危なかった東11枚目で6番の紫電、西13枚目で7番の朝紅龍はセーフか。しかしそれでも幕下に人がいないわけで、西6枚目で3番の東龍、西8枚目で4番の千代栄が命拾いするのかどうか。
これ、陥落サイドの最大限が入れ替え対象になると、十両は28人中14人が入れ替えですからものすごい新陳代謝です。
かつてはベテランが淀んでいた、という印象が強かった十両ですが、様変わりです。
再入幕の場所、しかも前回と合わせて幕内2場所目という「ルーキー」が千秋楽まで単独トップで、本割、決定戦と連敗で支配を逃しましたが優勝の星数は11番と、しかも千秋楽の取組前の段階で最大4人が決定戦出場の可能性を残すという混戦は、幕内の優勝争いとは到底言えないわけです。11番が2人、10番が5人というのが上から数えての星勘定というのは、横綱こそ休場ですが3大関3関脇を揃えてこれは無いよ、という悲惨な場所でした。2桁7人のうち三役以上は優勝した貴景勝と、関脇大栄翔の2人だけですから。新大関の豊昇龍は7敗まで追い込まれて千秋楽に勝ち越し、2場所目の霧島も9番と大関とは言えない成績でしたし。
決定戦の内容もまた低レベルな場所を象徴するものでした。熱海富士の左右に飛び跳ねる「奇行」に考え過ぎたのか、貴景勝がなかなか合わせられず、あわや「待った」かという有様。貴景勝が合わさない、という批判が湧いていますが、実は熱海富士が奇怪な行動でなかなか腰を割らなかったのがまずあるわけで、下位力士が失礼な行動とまず批判すべきでしょう。立ってからは下位力士は変化でも何をやってもいいんですが、立ち合いまではお作法がありますよね。
そして貴景勝はマトモに当たりもしない注文相撲です。これは悔しさのあまり涙がこぼれていた熱海富士に同情しますね。快進撃とはいえ本割での直接対決、また千秋楽の朝乃山戦を見ればわかるように、熱海富士はまだ役力士レベルに歯が立たないというのが現実です。ですからまともに受け止めても十分に勝機があったわけで、本割で負けて決定戦、となった時点で熱海富士の優勝はないな、というのが多くの思いだったでしょうに。それを注文相撲です。そりゃ大関の意地もあるでしょうが、返り入幕を相手に変化かよ、というのが率直な感想ですし、賜杯の価値を下げましたね。そしてよしんば来場所も優勝したとしても、2場所連続優勝の内規で綱取りと言えるかどうか。最低タイの11番で、幕内2場所の新鋭を決定戦で下す、しかも変化で勝っての優勝は評価できません。
横綱不在で、大関もぱっとしないなか(貴景勝も中日で3敗、14日目に4敗ですからね)、頭角を現す力士がいないのも気がかりです。熱海富士にしても終わってみれば11番と、下位力士に時折ある大勝ちのパターンに過ぎないわけで、こういう場所に平幕中位から上位で大勝ちする、それこそ平幕優勝をする、という力士、特に若手が出てくると将来が楽しみなんですが、今場所はどんぐりの背比べとなりがちな十両化が顕著で、これもドッチラケです。まあ熱海富士は頑張りましたが、派手なテーピングが気になるところです。解説の北の富士さんが早くから褒めていたのはさすがの慧眼でしたが、故障がちにならねばいいんですが。
三役昇進も両小結との入れ替えだけ。中位以上での大勝ちがいませんから東筆頭で8番の北勝富士と東2枚目で9番の阿炎が順当に上がるのでしょう。西2枚目で9番の朝乃山は東筆頭でしょうか。ここで9番というのは体力の衰えで番付を下げたわけでもないのに戻り切れないと言うしかなく、実力は平幕上位相当ということであり、不祥事が無くても陥落、あるいはカド番と勝ち越しの繰り返しだった可能性が高いです。この「チャンス」をモノにできていないのですから。
十両幕内の入れ替えは面白そうです。幕内の該当者は7人。十両側は上がる星でない力士が数人いますが、東4枚目で8番の欧勝馬あたりまで上げそうです。(あるいは平幕の西13枚目で5番の錦富士を残すかですが、ちょっと運が良すぎるので)
一方幕下十両は幕下を見るといいとこ3人なんですよね。東6枚目で5番の尊富士は通常なら厳しいでしょう。ところが十両は全休の若隆景入れて5人が当確で、幕下次第では危なかった東11枚目で6番の紫電、西13枚目で7番の朝紅龍はセーフか。しかしそれでも幕下に人がいないわけで、西6枚目で3番の東龍、西8枚目で4番の千代栄が命拾いするのかどうか。
これ、陥落サイドの最大限が入れ替え対象になると、十両は28人中14人が入れ替えですからものすごい新陳代謝です。
かつてはベテランが淀んでいた、という印象が強かった十両ですが、様変わりです。