Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

秋場所が終わり

2023-09-25 21:43:35 | ノンジャンル
秋場所は貴景勝の優勝で幕を閉じました。
再入幕の場所、しかも前回と合わせて幕内2場所目という「ルーキー」が千秋楽まで単独トップで、本割、決定戦と連敗で支配を逃しましたが優勝の星数は11番と、しかも千秋楽の取組前の段階で最大4人が決定戦出場の可能性を残すという混戦は、幕内の優勝争いとは到底言えないわけです。11番が2人、10番が5人というのが上から数えての星勘定というのは、横綱こそ休場ですが3大関3関脇を揃えてこれは無いよ、という悲惨な場所でした。2桁7人のうち三役以上は優勝した貴景勝と、関脇大栄翔の2人だけですから。新大関の豊昇龍は7敗まで追い込まれて千秋楽に勝ち越し、2場所目の霧島も9番と大関とは言えない成績でしたし。

決定戦の内容もまた低レベルな場所を象徴するものでした。熱海富士の左右に飛び跳ねる「奇行」に考え過ぎたのか、貴景勝がなかなか合わせられず、あわや「待った」かという有様。貴景勝が合わさない、という批判が湧いていますが、実は熱海富士が奇怪な行動でなかなか腰を割らなかったのがまずあるわけで、下位力士が失礼な行動とまず批判すべきでしょう。立ってからは下位力士は変化でも何をやってもいいんですが、立ち合いまではお作法がありますよね。

そして貴景勝はマトモに当たりもしない注文相撲です。これは悔しさのあまり涙がこぼれていた熱海富士に同情しますね。快進撃とはいえ本割での直接対決、また千秋楽の朝乃山戦を見ればわかるように、熱海富士はまだ役力士レベルに歯が立たないというのが現実です。ですからまともに受け止めても十分に勝機があったわけで、本割で負けて決定戦、となった時点で熱海富士の優勝はないな、というのが多くの思いだったでしょうに。それを注文相撲です。そりゃ大関の意地もあるでしょうが、返り入幕を相手に変化かよ、というのが率直な感想ですし、賜杯の価値を下げましたね。そしてよしんば来場所も優勝したとしても、2場所連続優勝の内規で綱取りと言えるかどうか。最低タイの11番で、幕内2場所の新鋭を決定戦で下す、しかも変化で勝っての優勝は評価できません。

横綱不在で、大関もぱっとしないなか(貴景勝も中日で3敗、14日目に4敗ですからね)、頭角を現す力士がいないのも気がかりです。熱海富士にしても終わってみれば11番と、下位力士に時折ある大勝ちのパターンに過ぎないわけで、こういう場所に平幕中位から上位で大勝ちする、それこそ平幕優勝をする、という力士、特に若手が出てくると将来が楽しみなんですが、今場所はどんぐりの背比べとなりがちな十両化が顕著で、これもドッチラケです。まあ熱海富士は頑張りましたが、派手なテーピングが気になるところです。解説の北の富士さんが早くから褒めていたのはさすがの慧眼でしたが、故障がちにならねばいいんですが。

三役昇進も両小結との入れ替えだけ。中位以上での大勝ちがいませんから東筆頭で8番の北勝富士と東2枚目で9番の阿炎が順当に上がるのでしょう。西2枚目で9番の朝乃山は東筆頭でしょうか。ここで9番というのは体力の衰えで番付を下げたわけでもないのに戻り切れないと言うしかなく、実力は平幕上位相当ということであり、不祥事が無くても陥落、あるいはカド番と勝ち越しの繰り返しだった可能性が高いです。この「チャンス」をモノにできていないのですから。

十両幕内の入れ替えは面白そうです。幕内の該当者は7人。十両側は上がる星でない力士が数人いますが、東4枚目で8番の欧勝馬あたりまで上げそうです。(あるいは平幕の西13枚目で5番の錦富士を残すかですが、ちょっと運が良すぎるので)

一方幕下十両は幕下を見るといいとこ3人なんですよね。東6枚目で5番の尊富士は通常なら厳しいでしょう。ところが十両は全休の若隆景入れて5人が当確で、幕下次第では危なかった東11枚目で6番の紫電、西13枚目で7番の朝紅龍はセーフか。しかしそれでも幕下に人がいないわけで、西6枚目で3番の東龍、西8枚目で4番の千代栄が命拾いするのかどうか。

これ、陥落サイドの最大限が入れ替え対象になると、十両は28人中14人が入れ替えですからものすごい新陳代謝です。
かつてはベテランが淀んでいた、という印象が強かった十両ですが、様変わりです。


時代劇の終焉というとばっちり

2023-09-25 21:40:11 | 時事
芸能プロダクションの創業者による性加害問題で、所属タレントの出演見合わせという事態になっていることに関連し、ある意味「文化」に属する部分の断絶が生まれかねない事態になっています。

創業者一族である社長の首を「長老」タレントに挿げ替えたのですが、それに伴い芸能活動は「引退」するということになっています。さすがにアイドルとしての活動はないし、バラエティ番組でのコメンテーターとしての活動については別段いなくても問題は無いのですが、この人の場合、時代劇俳優としての側面がありました。

既に50代半ばと若くはないのですが、過去に他の俳優が当たりを取った作品のリメイクでまずまずの評判を取り、シリーズものになっているケースがあるわけです。TVを中心に時代劇の衰退が著しい中、まあそこそこ主役が張れる役者としては今や数えるほどであり、その数少ない一人なんですが、とんだことで引退することになってしまったことで、いよいよ人材がいなくなった格好です。

時代劇と言えば大河ドラマもそうなんですが、それこそプロダクションの「アイドル」を起用しているのも人気取りもありますが、じゃあ誰がやるの?という人材不足もあるわけです。時代劇がそつなくこなせるという意味では歌舞伎役者ですが、昨今はスキャンダルも多いですし、1年間本業の舞台に立てなくなるというのも本人はもちろん歌舞伎の興行側にとってもネックです。大河への出演がそこまでステータスにもならない時代ですから、歌舞伎で大役を演じるほうが「得」でしょう。

かつてお茶の間の人気を集めた時代劇俳優も主役級の多くが80を過ぎており、続々と鬼籍入りする状況ですし、時代劇がまだ一般的だった当時に気鋭だった役者も60代半ばと壊滅的状態で、そこに50代半ばとはいえまずまずの役者だったこのタレントが「引退」ですから、時代劇は滅ぶしかないのか。もちろん映画を中心に話題作が出てはいますが、ちょんまげ姿が似合わないとか、いかにも今風の時代劇、というかカツラと和装の現代劇、というように変質しているのが実情です。

そのあたり、役者ではなく原作の面白さ、奇抜さで持っている面が強いですし、それだけに「ご存じ物」というか「捕物帖」的な時代劇は皆無に等しいです。そしてそれを「当たり役」にしつつあったのがこのタレントだっただけに、なんとも間が悪いですし、この問題というか事件の罪深さがさらに深まっています。

あとは時代劇と言えば男優が殺陣を披露するのが見所ですから、女優は昔から添え物というか、当代の人気女優や歌手を添えもの的に出演させる、という傾向がありましたが、昨今はそれにしてもいかがなものか、というケースも目立つのがこれも時代劇を劣化させていますね。これは本人というよりも所作の指導や着付け、メイクの問題ですが、姫君の設定なのにどう見ても町娘とか、殺陣が下手であるよりも興味が失せます。(その意味ではNHKの「大奥」はかなりしっかりしていますが、女性をメインにした時代劇というのはこのような荒唐無稽なSFにでもしない限り難しいですからね)



これくらいのけじめが無いと受信料は徴収できない

2023-09-25 21:37:57 | 時事
芸能プロダクション創業者による性加害問題でスポンサー企業の撤退ドミノが発生しています。自発的に判断できない日本企業の情けなさがここでも出ているというのは最悪で、対応したつもりでも海外で「対応が出遅れた」「様子見していた」と批判されたら最悪ですからね。絶対悪を判断できなかった企業という最低のレッテルを貼られます。その意味では外資系のコンシューマープロダクツの企業は起用を継続すると表明しましたが、きちんと条件を掲げるエクスキューズをしており、トカゲの尻尾切りではないというスタンスはやはりこうした問題への意識と対応に一日の長がある外資系らしい対応です。

スポンサーが雪崩を打って付和雷同に走る中で、プロダクション所属のタレントを起用しようとしていた番組の扱いで各局が右往左往しています。ドラマの収録が延期になっているという話もあるわけで、こんどは右へ倣えの事なかれ主義がプロダクションではなくタレントを直撃という的外れの対応になっています。

とはいえプロダクション側が確固たる対応を取っていないのが問題であり、そういう企業との取引が出来ないのです。ですから批判を受けて取り下げましたが移籍や個人契約に、という話はタレントを「生かす」ための意は不可避な話なんですけどね。そしてタレントを犠牲にしてプロダクションを生かしているのではないか、ともいえるわけです、現状は。各局ともプロダクションとの関係を清算することは、ズブズブの関係にメスを入れて自己批判しないといけませんが、それで出世してきた幹部を全員たたき出すくらいの覚悟が必要な話であり、まずできないですから。

それが典型的なのがNHKで、微妙に論点を外して逃げ切りを図っています。それどころか「紅白」にプロダクションのタレントを出場させようとしている、という話があるわけです。確かにスポンサーの顔色はうかがう必要が無い代わりに、受信料をふんだくっている視聴者の意向が気になるわけで、告白者を誹謗中傷しているのもまた「視聴者」であることを考えると、出場させて視聴者のご機嫌を取るというのも無い話とは言えません。

しかし事実上の国営放送が、視聴者が望むからコンプラを捻じ曲げる、ということが許されるのか。大相撲の八百長問題で本場所が中止になり代替として開催された「技能審査場所」を中継をしなかった際にも、「お年寄り(視聴者)が楽しみにしているから」
と言って中継の可否を探っていたわけで、コンプラ上等の姿勢は根深いというか、それで事実上の税金のように受信料を踏んだくることが許されるのか。文字通り反社にみかじめ料を払うようなものです。しかも国営反社ですよ。

「デビュー前の若手育成番組」もそうですが、これらズブズブ番組は海外向けにも放送されています。これ、グレーゾーンのネットでの中継サービスと違い、公式の放送になるので、各国の規制を受けており、各国の規制に引っ掛かる場合、特に各国で都合の悪い内容となると「検閲」が入り静止画像や真っ暗な画面(砂の嵐)になります。あるいはスポーツ中継を中心に放映権の絡みで静止画像になってしまうことも少なくないのですが、この手の児童ポルノにも抵触しそうな事件を起こしたプロダクション関係の番組を海外で放映できるのか。

紅白もそうでしょう。近年恒例となったアニメとのコラボ、また2019年の年末にはラグビーW杯とのコラボがことごとく静止画像になっていますが、プロダクション所属の歌手は音声も含めて流せるのでしょうか。富士山や日本アルプスの画像とBGMでしばらく時を稼ぐという最大限の自主規制を強いられかねません。最悪は各国の「検閲」で「消される」ことでしょう。みっともないことこの上ありません。

NHKが誤魔化しを続けるのも紅白があるからでしょうね。過去の事件ということにして、足元は問題なし、という流れにしたいわけです。税金逃れの茶番を組み込んだ「新体制」に無批判なのもその証左。どうせそのうち復活するからその時に塩対応を喰らっては困るから、とでも思っているんでしょう。本来であれば国会議員が、いい加減な対応では予算は通さない、芸能関係を抜本的に見直した予算編成を求める、というくらいの発信をすべきなんですが、ここも腰が重いですね。狂信的なファンもまた有権者ですから。

あるべき姿は紅白の中止でしょう。プロダクションとの付き合い方、芸能関係の取り上げ方で「お手本」を示せるのはNHKであり、そこまで踏み込んだ、という実績が各局の地に堕ちた信頼を回復する唯一の道です。関係のない歌手、特に紅白出場が生活を左右する演歌歌手にとっては地獄ですが、そうした配慮の積み重ねが破局を呼んだのです。それこそそこまで言うのであれば、他のプロダクションとの関係はどうだったのか。それこそ演歌歌手だって無傷では済まないでしょう。百歩譲って催行するにしても、昔のように21時スタートに戻せばプロダクション所属タレントの穴を埋める、というような無駄な作業も不要です。

そして空いた放送枠は、NHKがこの芸能プロダクションとどう付き合ってきたか。事件が顕在化してもなお起用し続けてきたのはなぜか。視聴率欲しさにズブズブ関係を容認した元会長の責任など、第三者機関と報道部門が徹底調査した「NHKスペシャル」を4時間特番で放映したらいいんですよ。いつから特定のプロダクション所属のタレントが当たり前のように顔を利かすようになったのか。紅白だけではなく、連ドラや大河も対象にするのです。巨額の外部流出を伴う番宣はなぜ行われているのか。目に余る番宣番組はなぜ横行しているのか。税金のように受信料をふんだくっているのですから、きちんと「納税者」に説明をする義務があります。そう、過去の問題ではなく今の問題ですからね。