Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

これでは航空に遠く及ばない

2019-06-16 17:58:00 | 交通
グランクラスのフルサービスの料金が、1個列車におけるサービスの内容ではなく走行する会社の数に応じて決まるという阿漕な設定を指摘しましたが、そういう内容を考えたら、航空の上級サービスと比較する以前の問題というレベルですね。


(震災直後、暫定復活した「はやぶさ」にて)

価格見合いのサービスになっているか、というか、同じ価格でサービスに格差はないか、という部分は航空の足元にも及ばないわけで、プレミアムクラスの料金を取るのであれば、食事時間帯とそれ以外で付け得る差異はどの程度か、という検討が見える航空に対し、新幹線は「会社が違うから料金だけは倍になります」ですから。




(北陸新幹線のグランクラス)

食事時間帯を外れる便で提供される「軽食」にしても、オードブルやサンドウィッチが付き、持ち帰り可の有名店の小菓子がセットになっており、決して手は抜いていません。ドリンクサービスをオードブルで楽しめるくらいのレベルです。それでも差異にクレームがあるのか、食事提供時間帯を拡大しているのが現状であり、サービスに対する意識はしっかりしています。


(プレミアムクラスの「軽食」、和食バージョン)


(持ち帰り可の小菓子も)

まあ国内線では「供食サービス」という概念が絶滅しており、プレミアムクラスなどのサービスは付加価値の域ですが、やるからには不公平がないようにしているわけです。

国際線や外国での国内線のように、サービスに供食サービスが含まれている場合は、乗客それぞれの搭乗区間ではなく、飛行機の搭乗可能区間ごとに提供して、出す出さないの差異が発生しないようにしているわけです。親世代の「洋行」で、東西冷戦や航続距離の関係で欧州へは南回りだった時代、香港、サイゴン、デリー、テヘラン、と寄港するたびに機内食が出て、ブロイラーの気持ちがわかった、という笑い話を聞きましたが、見合いの料金だけ取ってサービスはなし、ということはあり得なかったのです。

今でも外国の国内線の寄港便で、毎回機内食(短時間の区間はスナック)が出て、しかも深夜帯にも出た、という体験をしましたが、もし区間や便によってサービスが違うのなら、当然料金に反映されるはずです。クルーズ船だってランチクルーズとディナークルーズで料金が違いますし、当のJR東日本だって、食事や軽食をテーマにしたカスタムトレインでは提供されるサービスに応じて料金が異なっているわけで、なんでグランクラスだけはサービスが一緒なのに料金が異なるのでしょうか。

余談気味になりますが、画像はインドネシアでの国内寄港便搭乗時の食事です。
短距離フライトとなる末端区間ではスナックでしたが、あと2レグは普通の食事。しかし選択肢が2つしかないから2度目の時はCAも私が乗り通しと知っているだけに「こっちよね」と笑いながら前回と違う方を勧めてくれました。


(最初はスナック。ペットボトルの水も付きます)


(2食目はチキンのスパイシー炒めとライス)


(3食目はチキンレバーのミーゴレン)

まあハラール対応もあるのでそもそも肉類は鶏か魚ですが、この時は鶏か鶏レバーかという微妙過ぎる選択肢でした。





グランクラス料金の不条理

2019-06-16 14:54:00 | 交通
ちょっと思うところがあって新幹線の料金を見てたんですが、新幹線を跨り利用する場合の料金って案外と不条理なんですね。
東海道、山陽は会社が異なるのに通算というのに慣れ親しんでいるだけに、山陽、九州や東北、北海道の単純合算とか、秋田、山形の乗り継ぎ割引より高くなる特定料金とか、北陸の特急券のみ通算とか、まあ4時間の壁とかいう前に、自分で壁を立ててませんか、というケースが結構あります。

特に九州、北海道と北陸(グリーン車のみ)は、直通していて単純加算ですから不条理も際立つわけで、新大阪#資ス間の622.3km、東京$V青森間の713.7㎞という絶妙な距離は、一段上の料金刻みで払わせて、「ご破算で願いましては」とその刻みの最大限までの距離はノーカウントというぼったくり状態です。北陸は主要な区間でそれは発生していませんが、東京&x山間の391.9kmが、東京¥繪z妙高間281.9㎞で「ご破算」となり上越妙高&x山間は110.0㎞です、てへッ、で割高なグリーン料金ごっつあんです、となっています。

これ、分割乗車券はケシカランとかほざくヲタがいかに論外かがわかりますよね。通し乗車で勝手に分割ですよ。事業者がやっているんですよ。「のぞみ」で博多まで通しで乗ったら料金は新大阪で打ち切り単純加算です、というのが九州や北海道、北陸のグリーン車のルールですから。
途中下車制度に否定的な乗り切り主義のヲタも同様。実勢は乗り切りどころか恣意的に分割再計算ですから。

ここまでの阿漕なターミナルチャージの「二重取り」は、かつて大阪市営地下鉄と三セクに分かれていた中央線とニュートラムの区間で、ど真ん中のコスモスクエアで打ち切り計算して通し乗車で三セクの初乗りを二重徴収していたのに匹敵します。(市営時代に一元化して解消済み)

まあそれも可愛いもん、というのがグランクラスですね。
グランクラス料金は北海道、北陸とも単純加算ですが、さすがに阿漕に過ぎると跨り利用では1030円ずつ減額の通算2060円の減額になります。だったらまだマシじゃん、と言われそうですが、グランクラスの料金構成を考えた時、あり得ない不条理が存在します。

グランクラス料金にはシートのみとフルサービスでJR東日本区間、西日本区間、北海道区間とも距離に関係なく一律2050円の差があるわけです。それの単純加算ですから、跨り利用では4100円の差になるのですが、ここで問題なのがその「2050円」の意味です。

各社とも距離に関わらず2050円がフルサービス分の差額と言うことは、飲食サービスの価値は2050円と言うことです。じゃあなぜ跨り利用は2倍の4100円なのか。
常識で考えてもおかしいですよね。新青森や上越妙高を越えて飲食サービスの価格が倍になるのです。跨り利用の場合は弁当が2食分出る、といった分かりやすい差異があるわけでもなく、これ、絶対にボッタクリです。

普通車指定席の跨り利用では、自由席との差額520円は1個列車の料金として単純加算から減額するのですが(九州はしゃあしゃあと2回分徴収というのは厳しく指弾したいところ)、「2050円」も本来1個列車分の料金のはずです。特に弁当や茶菓など目に見えるサービスなだけに、料金は倍、内容はそのまま、で納得など得られません。人気があるから、と言うかもしれませんが、このからくりを示したらどうでしょうね。

跨り利用における各社1030円の減額はシートのみと同額の減額であり、フルサービスの重複徴収に対する補償ではありません。本来は、というよりも真っ当な商売であれば跨り利用では各社1030円に加え、フルサービスの場合は2050円を減額する。そうで無いとやらずボッタクリです。まあ料金は届出制ですから何でもアリとはいえ、監督官庁も少しは仕事をしろと言いたいですね。料金の根拠について全く何も考えていないとしか言いようがないですから。



終身雇用前提の出し惜しみとは

2019-06-16 13:29:00 | 時事
終身雇用はもう終わりだ、とサラリーマン経営者が叫んでいますが、その制度の恩恵を十二分に受けて、オーナー経営者のようなリスクも取らずにフリンジベネフィットまみれで生きてきてその言い草はないもんですね。

新卒を育てるという大義名分があるから年功序列で一番働く若年期の給与を絞り込むことが正当化されてきたのを自ら崩すのであれば、新卒だろうが中途だろうが能力見合いの給与、成果見合いの給与を払わないと誰も寄り付きもしませんよ。自分の成果が総てになりますから、引継ぎや共有なんかしません。自分の価値を誰が好き好んで落としますか。

グローバルガー、とか言っている経営者のくせに、現地の雇用事情は全く理解していないんですね。「自分は何ができる」と売り込み、給与の交渉をする。「君はまだ若いんだから」なんてセリフを言った瞬間に席を蹴って帰っちゃいますよ。雇用契約という契約ごとの条件交渉なんですが、全然理解していない経営者が多いですね。現地ですら微妙ですから、日本で実質「そうしましょう」と言っている経営者がホントに理解しているのか。なんか都合のいい制度を導入して搾取しようとしてるんでしょうかね。富裕層が逃げる、じゃなくて労働力が逃げますよ。途上国から日本に不法滞在のリスクを冒してでも来てるじゃないですか。労働市場のほうがよほどグローバルに流動化してるのが見えないんですかね。

まあそういう甘い考えが根底にあるんでしょうね。終身雇用を否定した企業が、ショック療法だ、と業績が悪化していないのに賞与水準を下げたわけです。能力見合い、業績見合い以外の尺度など終身雇用でない社会では通用しませんよね。将来良くなるから、なんて空手形は通用しません。今の働きの還元以外はあり得ません。

終身雇用を否定するなら、数字に表れた結果を正しく還元すべきであり、将来を云々するのであれば長い目で見れば公平になるように終身、あるいは長期の雇用を保障すべきであり、終身雇用は嫌だ、業績還元も嫌だというつまみ食いは、ご都合主義にもほどがあります。