Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

片側空けこそ安全

2015-09-03 22:29:00 | 交通
エスカレーターの片側空けにつき、交通事業者などが片側空けを止めるように「啓発」するキャンペーンを繰り広げていますが、それに付和雷同するような企画を読売がしています。ネットでの意見募集をしているわけですが、トップページに掲出して露出度を高めて、「読売の読者」というビッグデータを振りかざすことになるのでしょう。

で、結果は案の定と言うか片側空け反対派の圧勝なんですが、寄せられた意見を見ると、そもそもの母集団に明らかに偏りがみられるわけです。
これでは調査の意味が無いばかりかミスリードするわけで、うがった見方をすると、キャンペーンのを後押しする「為にする」調査にも見えます。

要は何がいけないのか。現状を正しく把握していない状況で寄せられた意見にいかほどの価値があるのか。
まあ紙面、ネットを問わず新聞社の投稿系コンテンツに参加、アクセスする層が社会全体の構成を正しく反映していないことは明白なんですが、それにしても酷いわけで、「階段を歩けばいい」という「対案」が山のように来ている段階で「はい終了!」でしょう。

階段が無い。ESしかない。歩くより遅い。それの強制が是なのか。片側空けに賛成している人でも、「弱者」を押しのけて急ぎたい、というひとはいないでしょう。階段が無いのだから歩くスペースを確保して欲しい。立つ人と棲み分けている現状こそ是である。という穏健、穏当な意見ですが、それを覆い尽くすような「現状無視」の反対意見です。

ESが複数あれば、片側空けと両方停止と使い分けることが出来るのに、どうしてそういう中庸な対応をしないのか。事業者も業界もそこがおかしいのです。そもそも事業者にしても、複数台ある場合に使い分けているケースが少ないながらもあるのに、なぜそれを展開してスタンダードにしないのか。歩ききるにはちょっと辛い複数階層分のESではそれがベストの対応と言うのに。


(仙石線仙台駅。3つあるESのうち2基が上りでうち1基が両側立ち)

そして、事業者は酔って駆け下りてくる人を例示して「事故が起きたら大変」としていますが、事故はなぜ起きるのか。要は人同士の交錯です。
整然と片側空けをしていれば交錯しないのです。例示のように思い思いに手すりにつかまっているから交錯するともいえるのです。
その意味では、片側明けでの対応は「事故防止」においても実は優れているわけで、上り下りを区分して指示していても、物理的に逆行を排除できない階段の場合は、必ずといっていいほど逆行する人がいて、階段上で交錯するというリスク要素を抱えている反面、片側空けの場合、ESに逆乗りする人は、悪ふざけであっても順方向に乗っている人がいる状態ではいませんから、上り下りが明確に区分され、交錯するリスクがありません。