Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

驕りから来る軽率

2015-06-26 20:57:00 | 時事
自分たちが「自由」の恩恵を受けているのに、その価値に気がつかない、という典型でしょう。
自民党の若手の勉強会で、報道への介入を主張する声が上がり、講師として呼ばれた作家が沖縄の地方紙を潰せと発言したことに対して、与党内からも批判が上がっています。

もちろん本音はそちら側にあるのでしょうが、政治的に正しいかどうかは別物ですし、政治家であればそれを意識しないといけないことに気付いているベテラン、そして首相は速攻で「否定」に走りました。
若手ゆえの勇み足かもしれませんが、威勢のいいことばかりぶち上げても政治家としては失格であり、絶対多数の驕りともいえますが、言論、出版の自由に絡む部分においての軽率な発言は。あまりにも軽すぎます。だいたい、そういう「勇ましい」発言が出来ることもまた「自由」の恩恵なのですから。

国士様御用達の新聞は、作家の発言から、沖縄県に属する島が侵略されたら目が覚めるだろう、という趣獅フ部分を切り取って、沖縄県民とメディアは現実が見えていない、という批判に持っていこうとしていますが、その前段があまりにも暴論であり、本当の「国士」であれば、そんな隙だらけの軽率な発言をまずたしなめないといけません。
それがどちらかというと作家の発言を首肯したスタンスになっているから、速攻で自民党重鎮や首相が否定、批判した時点で無様をさらけ出しています。

さらに情けないのは当の作家で、「身内」の気楽さで軽率な発言をして、その会場ではやんやの喝采を浴びて、シンパの新聞にも肯定的に取り上げられて良い気分になっていたら、野党の批判どころか与党、政府から全面否定、叱責という事態に泡を食ったのでしょう、ブログで「あれは冗談」と火消しに回っていますが、それこそ冗談ににも程があるわけで、あのツィートはアカウントを乗っ取られたんです、と言い訳をするのと同じくらい無理筋で言い逃れ100%の発言です。

自分の発言に全く責任が持てない、軽い発言をする人が、言葉を、文章を商売にする作家というのも悪い冗談ですし、その発言に賛意を示した若手議員や国士様御用達新聞も、架けた梯子を外されたというよりも、最初から壊れている梯子に上がって踏み外した格好です。
庇い様が無い超悪手を好手と評価してしまった国士様御用達新聞は、国会の安保法制の特別委員会に飛び火した様子に対し、「およそ関係ない質問」「堂々めぐり」と火消しに躍起ですが、何とも無様です。


ただ、だからといってメディアが正しい、公正とは言えない訳で、これを報じた夜9時のニュースでは、自民党幹事長の発言を「端折って」、報道機関への反論は大いに結構だが、節度を持ってするように、とあたかも若手議員にも理がある、という感じに趣獅cめた編集をしているわけです。

幹事長の発言は新聞各紙を見れば判るように、何はともあれ苦言を呈しているわけで、それを省いて勉強会を肯定するような編集を「国営放送」がしているから、今回の発言が案外と受け入れられるわけで、メディアの自業自得でもあることを自省してもらいたいものです。