少し経ちましたが、ジャーナル8月号の書評です。
何を今更の感もある夜行列車特集ですが、列車追跡に小技が効いていました。
「あけぼの」については機関車を巡る話題。なるほど、こういう事情が、という解説を見ると、取材力と言うか編集の妙味を感じます。
「ドリームにちりん」はこれは取材対象のセレクトの妙。意外な列車の意外な実態と言う意味で面白かったです。
その夜行列車に関する分析はこんなもんか、と言うレベル。
よく言われてきた分析を丁寧になぞったものですが、では夜行はなぜ廃れたのか、と言う事実を考えた時、この分析は概ね正しいものの、なぜそうなったか、と言う部分と、需要がないのか、と言う部分においては消化不良感が残ります。
その消化不良感の源泉は、奇しくも列車追跡で取り上げた両列車の「実態」にも出てくるのですが、概論として一般化するには、こうした例が「特殊」としない限り難しいのです。
次いで「日本縦断各駅停車」、なんとご当地総武線に進出です。
ならば厳しく見ないと、と思って目を通すと、編集部も「総武緩行線」沿線ですから「望むところ」なんでしょうか、いつになく充実している印象です。
唸ったのは亀戸の「新子と岩雄」ネタ。「岩男」じゃなかったかな?とも思うんですが、亀戸駅長に語らせているとはいえ、技有りの一文です。
駅頭の描写も亀戸だと水神森側に足を運んだり、小岩の地下タクシープールや「夜の街」とか、きちんと見ています。
そうかと思うと市川市役所が本八幡にある謎を、市川署の位置と合わせて解説するなど、トリビアネタもあってうまく出来ています。
ただし不出来というかもう知らない人も増えたのかと嘆息したのが両国駅。
閉鎖された階段の写真に「昔の臨時改札口への階段が残る」という説明がありますが、これは臨時改札口ではなく電車ホームからの改札への階段であり、現在の階段が昔は列車ホームへの連絡階段で、両国発のない時間帯は閉鎖されていたのです。つまり、逆なんです。
例の頭端式の本駅舎の脇に電車用の改札があり、本場所開催時などのために列車ホームへの通路から今の改札口の少し奥に臨時改札があったのを、2000年頃かその少し前に本駅舎を商業施設化し、列車ホームと電車ホームからのコンコースを現在位置に統合したのですが、そのころを知る人も少なくなったと言うことですね。
あと、千葉支社管内のトイレの改装は知りませんでした。
これを読んだ後注意して見ると多くの駅で確かにきれいになってますが、ショッピングセンター並は褒めすぎでしょう。確かに鉄道駅としては出色の出来ですが、同じ交通でも空港や高速道路に比べるとまだまだ。商業施設とは比べるまでもないです。
あとは「鉄道の町の記憶」の米原駅と、「鉄道幾春秋」の飯山線高場山トンネル崩壊のコラムが読ませましたね。
全通50周年の紀勢線関係ももう少し内容が欲しかったですし、今号はメインディッシュよりもサイドメニューが味わい深かったです。
何を今更の感もある夜行列車特集ですが、列車追跡に小技が効いていました。
「あけぼの」については機関車を巡る話題。なるほど、こういう事情が、という解説を見ると、取材力と言うか編集の妙味を感じます。
「ドリームにちりん」はこれは取材対象のセレクトの妙。意外な列車の意外な実態と言う意味で面白かったです。
その夜行列車に関する分析はこんなもんか、と言うレベル。
よく言われてきた分析を丁寧になぞったものですが、では夜行はなぜ廃れたのか、と言う事実を考えた時、この分析は概ね正しいものの、なぜそうなったか、と言う部分と、需要がないのか、と言う部分においては消化不良感が残ります。
その消化不良感の源泉は、奇しくも列車追跡で取り上げた両列車の「実態」にも出てくるのですが、概論として一般化するには、こうした例が「特殊」としない限り難しいのです。
次いで「日本縦断各駅停車」、なんとご当地総武線に進出です。
ならば厳しく見ないと、と思って目を通すと、編集部も「総武緩行線」沿線ですから「望むところ」なんでしょうか、いつになく充実している印象です。
唸ったのは亀戸の「新子と岩雄」ネタ。「岩男」じゃなかったかな?とも思うんですが、亀戸駅長に語らせているとはいえ、技有りの一文です。
駅頭の描写も亀戸だと水神森側に足を運んだり、小岩の地下タクシープールや「夜の街」とか、きちんと見ています。
そうかと思うと市川市役所が本八幡にある謎を、市川署の位置と合わせて解説するなど、トリビアネタもあってうまく出来ています。
ただし不出来というかもう知らない人も増えたのかと嘆息したのが両国駅。
閉鎖された階段の写真に「昔の臨時改札口への階段が残る」という説明がありますが、これは臨時改札口ではなく電車ホームからの改札への階段であり、現在の階段が昔は列車ホームへの連絡階段で、両国発のない時間帯は閉鎖されていたのです。つまり、逆なんです。
例の頭端式の本駅舎の脇に電車用の改札があり、本場所開催時などのために列車ホームへの通路から今の改札口の少し奥に臨時改札があったのを、2000年頃かその少し前に本駅舎を商業施設化し、列車ホームと電車ホームからのコンコースを現在位置に統合したのですが、そのころを知る人も少なくなったと言うことですね。
あと、千葉支社管内のトイレの改装は知りませんでした。
これを読んだ後注意して見ると多くの駅で確かにきれいになってますが、ショッピングセンター並は褒めすぎでしょう。確かに鉄道駅としては出色の出来ですが、同じ交通でも空港や高速道路に比べるとまだまだ。商業施設とは比べるまでもないです。
あとは「鉄道の町の記憶」の米原駅と、「鉄道幾春秋」の飯山線高場山トンネル崩壊のコラムが読ませましたね。
全通50周年の紀勢線関係ももう少し内容が欲しかったですし、今号はメインディッシュよりもサイドメニューが味わい深かったです。