Straphangers’ Room2022

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愚かなるメタボ検診

2008-05-24 00:55:14 | ノンジャンル
メタボリックシンドロームという言葉がすっかり定着しましたが、いわゆる「中年太り」を揶揄するレベルであれば笑い話でも済むのですが、生活習慣病と結び付けておどろおどろしく語られることもあって、半ば脅迫観念のようになっています。

そうした中で4月から「メタボ検診」が義務化されました。40歳以上の人は年1回必ず検診を受けなければならなくなったわけですが、そこでの判断基準が、まず腹囲85cm(女性は90cm)ということになっています。
逆に腹囲がクリアすれば血圧や血糖値といった直接的な数値はノーチェックとなっており、まずは腹囲ありきと言う状態です。

こんなの笑って受け流せば、と思うかもしれませんが、85cmラインを超えた場合、保健師から指導を受け、数値目標を設定して達成しないといけなくなるのです。会社員の場合は、企業の健保組合単位で、社員のメタボ改善度合いによって健保組合への給付金に差がつくことになるので、メタボ社員は健保組合の敵ということになり、腹囲が一種の勤務評定という笑えない話になっているのです。

もちろんそれが適切な基準であれば文句は言いませんが、上記の通り腹囲がすべてともいえる基準です。しかも身長その他の際は全く考慮していません。一般的な会社員でも身長差は上下で20cmは超えますが、190cmでも165cmでも85cmという基準というのは常識的に見てもおかしいわけです。

解り易く、かつ客観的に言いましょう。165cm以下の人は胴回り84cmでAB体のスーツが標準ですが、180cm以上の人は胴回り86cmでA体のスーツが標準です。
A体、つまり標準体型の人がメタボで、AB体、つまりやや太めの人がそうでないという結果になっているのです。

実は私も85cmラインに引っかかり(爆)、保健師の「指導」を受けたのですが、身長がそれなりにあるため、BMI指数は標準ですし、血液などの指数も標準とあって、保健師さんが頭を抱えてしまいました。
それでも数値目標を決めないといけないので、85cmラインをクリアするしか立てようがなかったのですが、私の場合それをクリアするとスーツはYA体となってしまい、これではバランスが悪く、既製品で探すことが難しくなります。

肥満は健康に悪いですが、痩身も悪いのです。意味のない「85cm」以外に問題がないのに、標準から痩身側にわざと外れるようことを「目標」とするのは、プロの保健師としては論外の話でしょうし、だからこその苦悩が見てとれました。そういう無茶、外道をせざるを得ない今回の「メタボ検診」、それを決めた国の愚かさをまさに身をもって味わったのです。