Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

神輿異聞

2007-05-21 15:57:25 | 時事
浅草の三社祭で、宮出しの際に神輿に乗ることを神社側が禁止していたにもかかわらず、乗った人が出ました。
神社側は乗ったら来年の宮出しは中止と警告していたわけで、そもそも神輿に「乗る」ことは不敬ということもあり、毅然とした対応が取られるかに注目が集まっています。

今朝のニュースショーでは問題を起こしたのは地元じゃないと言う地元の人の声がある反面、地元からも、経済効果があるから宮出し中止は困ると言う声があるわけで、厳粛な行事であれと思う人もいれば、人出があって盛り上がればOKという人もいるわけで、乗ったから中止と即断できないようです。

神事としてみたら、神様が渡御する神輿に「人間」が上がるのはおかしいわけで、昔は神輿を二階から見下ろすことすら忌んだように、神聖なものでした。
一方で神輿の上で人が跳ねるという「派手な絵」は「観光資源」としての祭としては申し分ないわけで、観光行事なのか、神事なのか、という分岐点ともいえます。

この関係を見て思い出すのは、西宮戎の「福男神事」です。
神事としての伝統があるんでしょうが、近年は単なる障害物競走と化してしまっていたわけで、その歪みが噴出したのが例の妨害事件です。
これも、事件や事故防止という観点なら、氏子に限定するといった沈静策を取ればいいだけですが、年に一度の書き入れ時である十日戎の目玉ですから、行事そのものは温存しているわけです。

まあこちらは商売繁盛の神様ですから営業面への配慮も致し方がないのかもしれませんが、三社祭も厳粛な神事といいながら、「営業面」への目配りをしてしまうのであれば、そもそもの「ルール」の説得力にも欠けてしまうとしかいえません。