バイオガソリンの販売が始まりました。
バイオエタノールを混合したガソリンですが、なぜこれが導入されたかと言うと、光合成で二酸化炭素を吸収する植物由来の製品ゆえ、二酸化炭素排出をゼロとしてカウントできるから、計算上環境に優しいと言うことです。
しかし、それはあくまで計算上の話であり、二酸化炭素の排出はあります。ただ、バイオエタノールの組成にある炭素分が、光合成により二酸化炭素を吸収して出来たと「看做す」ために、吸収と排出を計算上相殺しているだけです。
また、燃費が若干劣るという話や、混合比率如何では窒素酸化物の排出量が増えると言う話もあるわけで、計算上はクリーンでも、現実の環境に対して本当に優しいかは疑問です。
その意味で、姑息ともいえる計算上のクリーンではなく、燃料電池や電気自動車といった、本当に化石燃料を脱する現実のクリーンを目指すべきでしょう。
このバイオガソリン、エンジンの腐食に対する懸念とそれへの対応や、精製施設の操業などを考えると、全体での化石燃料の消費や二酸化炭素の排出はどうなんでしょうか。
日本製紙が先頃、再生紙100%の紙の生産は、インキなどの漂白除去にかかる環境負荷が高く、環境に優しくないとして生産を中止して、古紙混合率を適切なレベルに落とした再生紙に切り替えることを発表しました。
このように、環境に優しそうに見えても、全体で見たときにそれほどでもないことは有り得る話であり、特に今回のこれは、あくまで計算上の二酸化炭素の話である点も、疑念を大きくしています。
もう一点、と言うか最大の問題ですが、このバイオガソリンに使われるバイオエタノールが、穀物由来と言うことです。
つまり、これまで食料や飼料に利用されていた穀物が燃料に回ることで、食糧不足や価格高騰という影響が出ているのです。
これを防ぐためには作付面積の増加、つまり、耕作地の開墾と言う一種の自然破壊を余儀なくされるわけですし、生産作物の偏倚も懸念されるわけで、これまで食料、飼料の需要で回っていたサイクルが破壊される懸念があります。
特に我が国の穀物自給率は米を除けばお寒い限りであり、輸入食糧の高騰が、穀物輸入や、それを飼料とする食肉等のコスト高という面で発生することが予想されます。
もちろん、穀物ではなく廃材その他の廃棄物になる植物製品を使うことで、食料への影響を減殺することも考えられますが、現在の流れは確実に穀物由来の製品の普及と対応であり、非穀物系の製品の普及がすすむかも疑問です。
ある製品、行動が環境にいいということは事実であっても、それを推進することによる変化が、全体にどういう影響を与えるのか。
100%再生紙の事例を挙げましたが、その他にも、古紙や空き缶などのリサイクルを地域ぐるみで進めた結果、これまで事業として成立していた回収業にダメージを与え(人件費ゼロで回収してしまうから勝てない)、とはいえ全部をボランティアで賄えないから、結局リサイクルの循環に穴が開いたと言う話もあるわけです。
また、ごみの分別にしても、結局再生出来ずに埋立処分をするくらいなら、高性能の焼却炉で焼却すれば、ダイオキシンも発生させずに、溶解した金属を回収し、残った灰は容積が大きく減少して埋立容積も減少するし、セメント材等の代用にできるわけです。
また焼却で発生した熱エネルギーも回収できますから、リサイクルや環境負荷という意味では、「無分別」と言う選択肢も有り得ます。
足下話題のレジ袋にしても、ごみ収集日が減少した昨今、屋内やベランダと言った生活空間にごみを貯めざるを得ない状況において、気密、水密性が高く容量が小さいレジ袋を家庭で活用しているわけです。それを大容量の指定ゴミ袋で代用すればそれは無駄ですし、また、衛生面でも問題が生じるわけで、ごみ容器を利用する、また、マイバックを利用するにしても、それを洗濯、洗浄することで発生する汚水を考慮する必要があります。このようにある局面だけを抽出すれば確かに正しいその行為も、他の局面で環境負荷を高めていないかを考えないといけないわけで、特に、自然発生的ともいえる状態でサイクルが完成しているケースは、よく考える必要があります。
バイオエタノールを混合したガソリンですが、なぜこれが導入されたかと言うと、光合成で二酸化炭素を吸収する植物由来の製品ゆえ、二酸化炭素排出をゼロとしてカウントできるから、計算上環境に優しいと言うことです。
しかし、それはあくまで計算上の話であり、二酸化炭素の排出はあります。ただ、バイオエタノールの組成にある炭素分が、光合成により二酸化炭素を吸収して出来たと「看做す」ために、吸収と排出を計算上相殺しているだけです。
また、燃費が若干劣るという話や、混合比率如何では窒素酸化物の排出量が増えると言う話もあるわけで、計算上はクリーンでも、現実の環境に対して本当に優しいかは疑問です。
その意味で、姑息ともいえる計算上のクリーンではなく、燃料電池や電気自動車といった、本当に化石燃料を脱する現実のクリーンを目指すべきでしょう。
このバイオガソリン、エンジンの腐食に対する懸念とそれへの対応や、精製施設の操業などを考えると、全体での化石燃料の消費や二酸化炭素の排出はどうなんでしょうか。
日本製紙が先頃、再生紙100%の紙の生産は、インキなどの漂白除去にかかる環境負荷が高く、環境に優しくないとして生産を中止して、古紙混合率を適切なレベルに落とした再生紙に切り替えることを発表しました。
このように、環境に優しそうに見えても、全体で見たときにそれほどでもないことは有り得る話であり、特に今回のこれは、あくまで計算上の二酸化炭素の話である点も、疑念を大きくしています。
もう一点、と言うか最大の問題ですが、このバイオガソリンに使われるバイオエタノールが、穀物由来と言うことです。
つまり、これまで食料や飼料に利用されていた穀物が燃料に回ることで、食糧不足や価格高騰という影響が出ているのです。
これを防ぐためには作付面積の増加、つまり、耕作地の開墾と言う一種の自然破壊を余儀なくされるわけですし、生産作物の偏倚も懸念されるわけで、これまで食料、飼料の需要で回っていたサイクルが破壊される懸念があります。
特に我が国の穀物自給率は米を除けばお寒い限りであり、輸入食糧の高騰が、穀物輸入や、それを飼料とする食肉等のコスト高という面で発生することが予想されます。
もちろん、穀物ではなく廃材その他の廃棄物になる植物製品を使うことで、食料への影響を減殺することも考えられますが、現在の流れは確実に穀物由来の製品の普及と対応であり、非穀物系の製品の普及がすすむかも疑問です。
ある製品、行動が環境にいいということは事実であっても、それを推進することによる変化が、全体にどういう影響を与えるのか。
100%再生紙の事例を挙げましたが、その他にも、古紙や空き缶などのリサイクルを地域ぐるみで進めた結果、これまで事業として成立していた回収業にダメージを与え(人件費ゼロで回収してしまうから勝てない)、とはいえ全部をボランティアで賄えないから、結局リサイクルの循環に穴が開いたと言う話もあるわけです。
また、ごみの分別にしても、結局再生出来ずに埋立処分をするくらいなら、高性能の焼却炉で焼却すれば、ダイオキシンも発生させずに、溶解した金属を回収し、残った灰は容積が大きく減少して埋立容積も減少するし、セメント材等の代用にできるわけです。
また焼却で発生した熱エネルギーも回収できますから、リサイクルや環境負荷という意味では、「無分別」と言う選択肢も有り得ます。
足下話題のレジ袋にしても、ごみ収集日が減少した昨今、屋内やベランダと言った生活空間にごみを貯めざるを得ない状況において、気密、水密性が高く容量が小さいレジ袋を家庭で活用しているわけです。それを大容量の指定ゴミ袋で代用すればそれは無駄ですし、また、衛生面でも問題が生じるわけで、ごみ容器を利用する、また、マイバックを利用するにしても、それを洗濯、洗浄することで発生する汚水を考慮する必要があります。このようにある局面だけを抽出すれば確かに正しいその行為も、他の局面で環境負荷を高めていないかを考えないといけないわけで、特に、自然発生的ともいえる状態でサイクルが完成しているケースは、よく考える必要があります。