酒タバコ肥満撲滅委員会

市民マラソンを楽しみながら、酒とタバコと肥満は嫌いだ、と呟く日常をうだうだと。

雇用の流動化促進に思う

2013-05-08 06:57:31 | Weblog
今、正社員の解雇を簡単にできるようにして雇用の流動化を促進しようとしています。
65歳までの雇用義務化とは逆行するというのはさておいて・・・

日本が不況から立ち直れない要因の一つに終身雇用の崩壊があると思います。
バブル崩壊で給料カットどころかリストラという首切りが正当化される社会では、安心して働けません。
それが晩婚少子化に拍車をかけている面は否定できません。

いつのまにかリストラがクビを切ることと同義になっていますが、本来はリストラクチャリング、再構成に意味であって、組織などを再編成した結果として人員の移動などが生じることもあだけで首切りを意味する言葉ではありません。
これは言葉のごまかしです。
横文字を使えば抵抗感が薄れるという日本人独特の心理を使ったごまかしです。

労働の形態には定年までずっと働き続ける形態と、中断期間が数年ある形態(主に出産育児を想定)に分けられると思います。
また、ライフスタイルとしては一つの会社に腰を据えて働き続ける方法と、転職することでステップアップする生き方があるでしょう。
さまざまな働き方を選べるのはいいことですし、国がそれを後押しする制度を作ることも必要です。


でも、これを選ぶのは働く側であるべきなのです。


企業が都合のいいときに雇ったり解雇したりしやすい仕組みを作ることは、ごく一部の人間が得をするだけです。
そんな制度を作っても働く側の大多数にとっては選択肢が増えるわけではなく、企業にいいように振り回されるのがオチでしょう。

かつて派遣法を改正して、それまでは技術が必要な特定業種のみ派遣可能だったのが、単純労働にまで広げてしまいました。
これは経済界からの要請、要するに企業にだけ都合のいい改正でした。

その結果、雇い止めだの派遣切りといった形で苦労するのは弱い立場、つまり単純労働派遣者です。
皮肉なことに、最近の派遣法再改正で日雇い派遣が禁止されたせいで職にあぶれる人が出てきています。
一度仕組みを作ってしまうとその仕組みに頼って生活する人が発生し、それを元に戻すときによほど慎重にやらないとまた弱い立場の人が苦労します。
結局、振り回され損をするのは弱い立場なのです。

雇用の流動化などと響きの良い言葉を使っていますが、企業が使い捨てしやすい環境を作るだけに終わる気がします。
そもそも、外国のような転職が当たり前の風土はいまだに日本では生じていないし、これから先もそう簡単には主流にはならないと思うのですが。

一部の勝ち組・強者の論理で制度を作ってはいけない。
コメント
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