日本の安倍政権は、今回の米朝首脳会談の開催が、トランプ大統領の決断によって進み始めてからも、経済制裁の強化を言い続けてきた。
その一方で、自らは何もしないで、拉致被害者問題の解決が制裁強化を解除する前提条件だと言い続け、トランプ氏に口添えを頼むだけだ。
トランプ大統領は、この日本の言い分を金正恩に伝えて、とにかく、日朝で話をすすめることを推奨したのである。
ここまで話が進まなくても、日本は米朝首脳会談が具体的になった時点で、すぐに、北朝鮮との外交戦術を転換する必要があった。
しかし、頭の堅い安倍晋三首相は、自らは何もしない言い訳として、北朝鮮が「拉致被害者問題は解決済み」との回答に固執している。
どのような接触をしていけば、解決済みとの交渉相手の言い分を、転換させることができるか、あらゆる選択肢を検討すべきであったのだ。
しかし、6月12日の首脳会談の当日が過ぎてから、やっと、日朝首脳会談の開催を調整する水面下の活動に取り掛かった程度の状態だ。
トランプ大統領は、核武装の完全放棄に対する取り組みは、韓国と日本が費用を負担するだろう、と早くも先制攻撃をかけ始めている。
日本が、核武装放棄と拉致被害者問題への戦略的検討の無策で、全てはアメリカの言いなりになるしか、行動の自由度がなくなっている。
北朝鮮は、日本の出遅れを上手に利用する外交戦略を作成済みだ。