トランプ大統領が米朝首脳会談を成功に終わらせる公算が大きくなるにつれて、日本は置いてきぼりの蚊帳の外になる流れであった。
日本は北朝鮮には、小泉政権時代の外交で、国交正常化への道筋として、核武装の完全放棄と拉致被害者の調査・帰還を、条件とした。
核兵器の放棄は、その後の情勢の変化を理由にして完全に反故にされて、北朝鮮が信頼に値しない国と、世界中から非難された。
もう一方の拉致被害者の調査と帰還は、一部の被害者の救出帰還が実現したが、他の多くの被害者たちは、不明のままで解決済みとされた。
これでは日本の立場は、ないがしろにされたも同然である。
しかし、かなり時間も経過している問題で、世界からの関心はまったくなく、日本が北朝鮮との国交改善を働きかける障害となっている。
今回の米朝首脳会談の最大の課題が、核武装の完全放棄と、その後の検証と査察の実行が、確約されるかにかかっている。
その先には、トランプ大統領が成果を見せるには、現在の休戦協定を平和協定に移行する、終戦宣言の実現である。
このように世界にとっての関心の重要課題があるので、日本の拉致被害者問題はトランプ大統領の頭には、ついでに注文する程度だ。
今回の安倍首相の訪米似寄る懇願で、トランプ氏をつなぎとめたが、北朝鮮にとっても、日本は余計な条件をつける邪魔者になる。