『再生可能エネルギー電力』の普及拡大に急ブレーキが掛けられた。
2012年7月のFIT(再生可能電力固定価格買取り制度)施行以来、やっと前向きに取り組みが進みだした「新産業の拡大による経済成長」を、停滞させる状況に追い込まれる危機的事態である。
発端は【九州電力の再生可能電力接続中止】の動きで、現在の段階で民間企業が接続を申請している「太陽光、風力発電など」の発電電力量が、送電線の能力を上回るから、電力供給を受け入れることが不可能というのだ。
今年の夏場は電力供給の余裕率が足りないと大騒ぎをしておきながら、今度は余分にありすぎて、受け入れを拒否すると言うのだから、お粗末である。
送電線網の拡充は、将来の予測によって、強化すべき箇所は充分に計画的に出来る事業である。
ところが九州電力は、自社の原発再稼働を優先して資金と人材を投入し、「再生可能電力に対応する送電線容量拡大」の事業には、一切力を入れてこなかった。
再生可能電力の普及拡大が想定以上であり、これから増強を検討するので、その見通しがつくまでは新規の発電設備は接続できない、言い出したのだのだ。
安倍内閣の建前上は、「再生可能エネルギーの最大限の導入により・・」と優先的に扱うかの様に装っているが、九州電力は原発再稼働を優先している。
送電線の容量拡大には大きな資金が必要なことは言うまでもないが、九州電力は資金不足を理由に、利益の方を優先しているのである。
原発優先の次には、こともあろうに、関東圏の東京電力管内に電力と販売する事業の方を優先的に検討している。
先日、九州電力は千葉県の敷地に、「石炭火力発電所の建設計画」を発表した。
こちらの方は、需要の大きい首都圏の電力供給事業を、利益拡大のために、早々と計画を立てて着手している。
国民が望む「原発依存からの離脱」には、ソッポを向いて再稼働に邁進し、徹底的に「再生可能電力」の普及を期待する国民をソデにする九電の姿勢は怪?
いや「徹底した再生可能電力の最大限の導入」は、安倍内閣の看板の筈だ。
国民の意向には徹底シテ反旗をかざして突き進み、中央政府の言うことなどは無視するのが、電力会社の主流となっている。
この事態になって、やっと電力事業の主担当官庁である「経済産業省」は、小委員会を開催することにして、年内に4~5回の会合を開くことにした。(続)