庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

アベノミクスの成長戦略はTPP交渉で破綻する。

2013-04-13 | 経済問題
自由貿易が必然という専門家が多いが、その路線の「TPP参加」問題は、早くもアメリカの国益に屈する条件を強いられて、先が思いやられる状況である。
民主党政権時代から、『将来の国の成り立ち』も考えずに、とにかく「貿易の自由化、経済のグローバル化に乗り遅れては日本の先行きは暗い」、との思い込みだけで、前ノメリにアメリカ主導の「TPP交渉参加」をすべきだとしてきた。
今回の自民党政権も、アメリカ追従の路線からは逃れられないとして、日本の国益の内容はそっちのけで、交渉に参加することだけを急いだ。

その様な日本の迷走ぶりを見透かすかの様に、アメリカは「TPP交渉参加」の入り口で、日本の反対論をはぐらかして、交渉参加の条件で「アメリカの国益」を押し付ける作戦にでた。
輸出競争力の強い「日本の自動車産業」に対して、アメリカの自動車企業が立ち直るにはまだ長期間が必要だとして、現状の関税を期限いっぱいは守ることを、日本が飲むことにさせた。
これで、日本の自動車の輸出条件は、今の状態が10年間は続くコトになる。

「TPP参加」による日本の国益として、「輸出産業が潤い、日本のGDP増加に貢献し、雇用や経済活性化に有利だ」と主張して来たコトは、「大きな幻想である」と交渉参加の入り口で明らかになったのである。
「TPP参加積極論者」は、日本の国益にならない状況になったら、離脱する権利があるから、ますは「交渉に参加して」、その中で交渉して行けば、日本の国益は確保される、と主張してきたのだが、早くも鳴りを潜めてしまった。
交渉に入ってから、条件闘争で国益を損なう様ならば「離脱する判断はできる」と説明していたのに、入口で大幅な不利益を被ることは、計算外なのか。

この様に、『TPP構想』はアメリカの国益の為であるコトは明らかで、いったん交渉のテーブルについたらば、アメリカの傘下に入ったと同じことである。
今回も、領土問題や北朝鮮問題によって、アメリカとの同盟関係を修復する必要に迫られて、大幅な譲歩をせざるを得ない。
国際交渉を「単純な経済関係の条件闘争」と思う様な、【自由貿易論者】は、安全保障問題には無知同然の低次元の論理しか理解できない。

アベノミクスの成長戦略は、輸出競争力の強い産業を支援して、「GDPの増加」を図るとしているが、すでに雲散霧消する兆候が見えている。
国内の需要増加を促進する、「高付加価値産業」に目を向けるのが正解なのだ。