庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

原発ゼロ社会を目指すとして「廃炉産業」を世界最先端に。

2012-09-11 | 核エネルギー・原子力問題
民主党の次期代表選の論戦が始まった。
いずれの候補も2030年代には原発ゼロを目指し、それを実現する政策を最大限に支援して行くとした。
野田首相以外は、2030年代よりも可能な限り前倒しをすることを、政権の方針とすることを打ち出している。
自民党だけは、原発維持に固執しているので論外として、他の野党や国政進出を宣言した「日本維新の会」なども、原発ゼロを可能な限り2030年以前に実現をすると、公約している。

核軍縮との関連はまだ議論にはならないが、原発ゼロを目指せば、原発の廃炉を進めることは決定的になっている。
【福島原発の大事故を起こした4基は別格】として、他の廃炉決定済みの原発の措置に、早期に取り掛かるのが次の政権の役目である。
これは、原発立地地域における雇用対策になり、再稼働しないと地元経済が疲弊するままになる、という地元の切実な要望に応えることが出来る。
今までの原子力産業界は、建設する事ばかりに力を入れて、廃炉事業に本格的に取り組んでこなかった。

日本の商業原発を廃炉にする事業は、どれくらいの事業規模になって経済波及効果を調査したデータは、今のところはない。
ある研究者が、産業連関表を元にして、経済波及効果を推定した数値があり、これを参考にすると、原発1基あたりで、1500億円の経済効果がでる。
原発の建設段階では一基あたり4000~5000億円かかるとされているから、その3分の1の追加の経済効果である。
今後の20~30年間で50基(プラス事故炉4基)の廃炉によって、8兆円以上の廃炉関連事業が必須になる。

日本が原発の廃炉事業を開始して、関連の技術開発を世界の最先端で実施して行けば、技術開発の成果で『先行者メリットを獲得』する事も可能である。
自動車産業における、『排気ガス浄化技術』や『燃費向上技術』において、世界の最先端を走ったことで、多くの関連技術の発展をもたらした。
旧時代産業と言われた『高速鉄道技術』では、「新幹線関連産業」を発展させて、今や世界中から、技術移転の要望を受けるレベルになっている。

「原発の廃炉産業」が、多大な副次効果を生みだすことも、期待されるのだ。