「国内排出量取引制度」の創設を、政府の温暖化対策基本法の中に閣議決定で盛り込んでいる。
しかし、その中身は総量で規制するのか、原単位(生産する効率に相当する)による規制で行うかは、権益争いの様相で,曖昧なままの表現になっている。
そして、この制度の創設を検討する期限を1年以内としているが、一番、大きな問題としての「初期配分」に対する議論は、対立したままの状況である。
これからの1年以内で決着するには、中身の議論がどれだけ進んで、国民の理解(その前に、議決する国会議員の理解)が得られるのか、問題含みである。
初期配分を「排出量の許可枠」として、「入札方式」(オークション方式)とする考え方は、公平性を価格メカニズム(市場の取引の原理)にゆだねる考え方である。
企業活動に必要な資源(化石燃料)を、必要としている企業同士が、需要と供給に取引にゆだねることによって、適正な価格で配分が行われる制度と言われている。
事例として具体数値を上げれば、A社は年間で100万トンの排出枠を必要と考えて、1トン1.1万円で買えば、100万トン分で1.1億円の購入資金が用意される。
B社は50万トンで1.2万円で入札すると、6000万円の経費を覚悟したことになる。
入札方式では、1億トンの排出枠に対して、高い価格で入札した企業の順に割り当て、1億トン分量に達した線で、線引きして、それ以下の企業には売り切れとなる。
入札価格の最低ラインが1万円/トンであれば、全排出枠はその価格になり、政府には1兆円の「排出量許可証券の売上」つまり、温暖化対策に使える財源が入る。
この事例の様に、1トン1万円が線引きのラインであったならば、9999円/トン、で入札した企業には、排出枠は一切ない。
また、排出量許可枠を少な目に入札した場合は、排出枠が足りなくなる事態が生じる。
それでは企業活動が出来ないので、他社から「排出許可量」の証券を買うことになる。
最低でも1万円/トン以上になり、証券が足りない企業が多くあれば、価格はドンドン吊上がる。
この価格が高騰するのは、悪影響も懸念されるので、最低入札価格の1.5倍に取引価格を抑えようと考えるならば、排出許可量以上に排出した企業から、1トンあたり、1.5万円の課徴金を取る仕組みにしておけば良い。
課徴金を払う企業が多いほど、政府に入る財源は増えるので、翌年度の排出削減政策に、予算を多く投じることが可能になる。
この入札方式による「排出許可量証券」の販売での「初期配分」方式は、役所の仕事が殆ど不要であり、政府の関与は最小で済む。
「排出許可量証券」と、実際の「排出した実績」を検査して、不足を監視するだけである。
そして上記の事例の様に、販売による売り上げ収入と、枠をオーバーした企業からに課徴金収入で、政府が促進したいと考える政策、(再生可能エネルギーの普及促進が一番の急務)に多くの予算を割り当てて、一気に排出削減の促進を図れることである。
アメリカのオバマ政権が構想している「排出量取引」(キャップ&トレード)の狙いは、まさに、この財源を調達できるメリットを狙ったものである。では政府による配分ではどうか?(次回に)。
しかし、その中身は総量で規制するのか、原単位(生産する効率に相当する)による規制で行うかは、権益争いの様相で,曖昧なままの表現になっている。
そして、この制度の創設を検討する期限を1年以内としているが、一番、大きな問題としての「初期配分」に対する議論は、対立したままの状況である。
これからの1年以内で決着するには、中身の議論がどれだけ進んで、国民の理解(その前に、議決する国会議員の理解)が得られるのか、問題含みである。
初期配分を「排出量の許可枠」として、「入札方式」(オークション方式)とする考え方は、公平性を価格メカニズム(市場の取引の原理)にゆだねる考え方である。
企業活動に必要な資源(化石燃料)を、必要としている企業同士が、需要と供給に取引にゆだねることによって、適正な価格で配分が行われる制度と言われている。
事例として具体数値を上げれば、A社は年間で100万トンの排出枠を必要と考えて、1トン1.1万円で買えば、100万トン分で1.1億円の購入資金が用意される。
B社は50万トンで1.2万円で入札すると、6000万円の経費を覚悟したことになる。
入札方式では、1億トンの排出枠に対して、高い価格で入札した企業の順に割り当て、1億トン分量に達した線で、線引きして、それ以下の企業には売り切れとなる。
入札価格の最低ラインが1万円/トンであれば、全排出枠はその価格になり、政府には1兆円の「排出量許可証券の売上」つまり、温暖化対策に使える財源が入る。
この事例の様に、1トン1万円が線引きのラインであったならば、9999円/トン、で入札した企業には、排出枠は一切ない。
また、排出量許可枠を少な目に入札した場合は、排出枠が足りなくなる事態が生じる。
それでは企業活動が出来ないので、他社から「排出許可量」の証券を買うことになる。
最低でも1万円/トン以上になり、証券が足りない企業が多くあれば、価格はドンドン吊上がる。
この価格が高騰するのは、悪影響も懸念されるので、最低入札価格の1.5倍に取引価格を抑えようと考えるならば、排出許可量以上に排出した企業から、1トンあたり、1.5万円の課徴金を取る仕組みにしておけば良い。
課徴金を払う企業が多いほど、政府に入る財源は増えるので、翌年度の排出削減政策に、予算を多く投じることが可能になる。
この入札方式による「排出許可量証券」の販売での「初期配分」方式は、役所の仕事が殆ど不要であり、政府の関与は最小で済む。
「排出許可量証券」と、実際の「排出した実績」を検査して、不足を監視するだけである。
そして上記の事例の様に、販売による売り上げ収入と、枠をオーバーした企業からに課徴金収入で、政府が促進したいと考える政策、(再生可能エネルギーの普及促進が一番の急務)に多くの予算を割り当てて、一気に排出削減の促進を図れることである。
アメリカのオバマ政権が構想している「排出量取引」(キャップ&トレード)の狙いは、まさに、この財源を調達できるメリットを狙ったものである。では政府による配分ではどうか?(次回に)。