庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

日本の豊かさの追求には市民発の公益活動の拡大を。 

2010-03-05 | 暮らし・健康問題
先進国における暮らしや生活をさらに向上させるには、公益的な面での活動が盛んになる必要がある。
日本は先進国のなかで高い経済水準にあるが、なぜか、生活を取り巻く環境が貧しいと感じられ、各地で公共的な施策の遅れが報じられる。
豊かさはモノが十分に溢れていても、物足りなく感じられるのは、この公共的な面での不備が心理的にも貧困を感じさせるからである。

ここ数回にわたって、「公益活動」の拡充を進める必要性を書いてきた。
公益活動を中央政府や自治体行政に任せれば、一定のレベルに達するであろうが、同時にマンネリと権限維持の停滞に陥り、一部では組織的、個人の腐敗が始まっている。
それを補完する意味と、監視、批判する役割として、『市民活動』が行われてきたが、個人のボランチィア活動の域を出ないので、活動の広がりとレベルの向上があまり期待できない。

そこで、『NPO制度』を創って、活動の継続性と広がりを図ってきた。
現在で3万9千団体の登録があり、福祉や地域社会活動で一定の成果をあげている。
しかしアメリカやイギリスにおける、市民自発の公益活動のレベルは、はるかに先の段階に進んでいる。
日本の市民発の公益活動をもっと重視して、地域に密着した公益活動や、市民感覚と目線による公益活動を活発にすることが必要である。
何かと言うと、政府がやるべきだとか、自治体行政はもっと住民に配慮せよなどと、お役人に依存することでは、公益活動のレベルが進化していかない。

前回に書いた「市民活動に寄付をする」ことを、国民、地域住民の意識に根付いて活かせる政策が、今こそ必要な時期である。
これは、政府や自治体に納める税金の一部を、直接、自分の信じる「公益活動をする市民団体」の財源として寄付をすることである。
たとえば、年間で20万円の所得税を納めている人が、その10%分の2万円を『認定NPO法人』に寄付をすることで、納税額は18万円に減額される制度の実現である。
つまり、役所の行政機構を経由して、NPO法人に補助金が2万円分回ることと同様な、NPOへ団体への助成政策である。

この直接寄付することで、政府や行政を仲介することなく、納税者の考える公益面を間違いなく
実施している団体にお金が回ることになる。
地域社会のことを重視するならば、地元のNPO団体に活動に寄付をすればよいし、環境活動を重視するならば、環境NPO団体に寄付をすればよい。
これは、議員や首長を選挙で選んで、議会や行政機関に任せて公益的な活動を一括して進めてきたやり方を、一部でも良いから直接に支援する制度を採り入れることである。

それには対象となりうる『認定NPO法人』のレベルを維持しながら、法人の拡大を図らなければならない。
まだ僅か116団体しかないのでは、制度を創っても実効性がない。(以下、次回)